2009.04.29 (水)   K2Couple No.0226 

金北山
さど きんぽくさん(新潟県)
1,172m
花の佐渡再訪、金北山頂は未踏

コース最大標高差 : 890
コース累積標高差(+) : 870
コース累積標高差(−) : 870
コース距離 : 7.4 km
行動時間 : 6'20"

* 距離と累積標高差はKASHMIR 3Dによる概算値です
* 距離は地図上のもので、実際の登山道の長さではありません

 雪割草(オオミスミソウ)

  1:00 = 藤岡IC/上信越道・関越道・北陸道・磐越道/新潟中央IC =

 4:00 新潟港佐渡汽船万代島 6:00 《カーフェリー》 8:30 佐渡両津港 8:35 《TAXI》 9:15 初盛ダム姫ヶ沢登山口

 姫ヶ沢登山口 9:20 ... 9:50 縦池の清水 9:55 ... 10:15 横山分岐 ... 10:55 はらい川 ... 11:25 神子岩 ... 11:50 天狗岩 ...

 12:15 山頂直下 【L】 12:45 ... 13:25 神子岩分岐 ... 13:55 追分 ... 14:15 岸辺追分 ... 14:40 三段の滝展望台 ...

 14:55 兵庫 15:05 ... 15:15 梵字の滝 ... 15:40 姫ヶ沢登山口

 姫ヶ沢登山口 16:00 《TAXI》 16:25 ホテル東宝 17:20 ... 17:25 居酒屋しらつゆ 【DNR】 18:20 ... 18:30 両津港

 両津港 19:30 《カーフェリー》 22:00 新潟港万代島 22:10 = 新潟亀田IC/日本海東北道・北陸道・関越道・上信越道/藤岡IC = 24:40












【 参考 】 交通費関係出費    \ 20,330
高速道路(藤岡IC=新潟IC) 1,000X2 = 2,000
フェリー2等(新潟=両津) 2,320X2X2 = 9,280
佐渡汽船万代島駐車料(佐渡汽船利用割引)  800
タクシー往復(両津=初盛ダム) 7,850


【 蛇足 】 その他出費    \ 5,100
フェリー内貸し毛布 100X2X2 =  400
お風呂(両津温泉) 500X2 = 1,000
夕食(居酒屋) 3,600
おむすび(コンビニ)  100






佐渡金北山の場所
 この地図は、国土地理院発行の地形図を使用したものである (経緯度線は20秒間隔)

両津温泉 ホテル東宝 (¥500)


 去年の今頃、金剛山
【REPO】 と ドンデン山【REPO】 へ行って至福の感動を味わった。
 その時の感動が忘れられず、今年は金北山をめざした。
 金北山は佐渡の最高峰ですよ。

 寝つきの悪い私は仮眠が出来ず、早すぎるとは思ったけど夜中の1時前においちゃんを起こして出発します ^^;
 湯沢を過ぎてウトウト ・・・ 目が覚めると長岡JCTを過ぎて北陸自動車道を走っていました。
 ゆっくり走って3時間で万代島の佐渡汽船ターミナルに到着です。


当然早すぎ。
フェリーが出るまで2時間もあるので、駐車場でゆっくり支度をしてターミナルに行きますがまだ人影はありません。

今回は、ジェットフォイルより到着時刻が30分早いフェリーにした。
当然二等(予約不要)です。

5時前になって一人二人 だんだん増え ・・・ 団体さんも賑やかに集合していつの間にか行列になってるやん。

 佐渡汽船ターミナルの早過ぎる朝

おおさど丸の二等雑魚寝席は人気ありますね。
思ったよりいっぱいいます。
隣に陣取った新潟のご夫婦と山の話しをしていましたが、おいちゃんは寝不足なのか簡単に眠ってしまいました。

私もチョッと船内偵察して廻ってから、うとうと横になろ。
気が付くと佐渡島が見えていたので、外に出てみました。
金剛山は雲が掛かっていませんが、ドンデンや金北山は雲りがちです。
そして白い雪も。

 小佐渡が見えています

フェリーから降りると、予約しておいたタクシーが待っていました。

運転手さんの話によると ・・・
この一週間天気が悪く、この二日間は季節はずれの風雪だった。
船も欠航し、大佐渡スカイラインは通行止めだったんですよ。
ドンデン山荘には、チェーンを捲いて登る騒ぎですよ。

大佐渡スカイラインから凸凹道に入って初盛ダム着。
雪が多いからくれぐれも気い付けてね。
は〜い、ありがとうございます。

 初盛ダム、天気悪そ

東北北海道の雪は聞いていたが、まさか佐渡まで雪だったとは ・・・
高崎でも吹き荒れたもんね。

お目当てのオオミスミソウ、雪に埋もれてないだろな。
期待と不安が交錯する中、木の鳥居を潜って沢沿いを行きます。
スミレが沢山咲いている。
すぐにニリンソウやキクザキイチゲの群生が始まります。

 姫ヶ沢登山口
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渡渉を繰り返しながら、左岸右岸を沢に沿って登ります。
登山道の整備は不十分で、滑って落っこちそうな場所もあった。
まあ、自然のままでいいと言えばそれまでですけど (^^;

花が終わって種をつけたカタクリが徐々に出てきた。
オオイワカガミは咲いてるのは僅かばかりで、まだまだ蕾です。
ヒトリシズカ、エンレイソウ、ズダヤクシュ、ショウジョウバカマ、ムシカリ ・・・

ニリンソウの登山道です。

 ニリンソウの群生が続く
 ニリンソウ             ▲ 沢に沿って登る
 シラネアオイ            ▲ アカバナエンレイソウ
 チゴユリ               ▲ ヒトリシズカ

縦池の清水に近づくとシラネアオイが咲いてました。
ここで、栗ヶ沢登山口からの道と合流します。

おいちゃんは空になったペットボトル(小)に湧き水を補給。
道が濡れているし雪のことも考えて、スパッツを付ける。
おいちゃんはスパッツもアイゼンも何にも持ってないらしい。
放っとく。

ここら辺から、カタクリが元気になってきました。

 縦池清水

「巨木3200」と書かれたブナの木が二本あった。
3200って?
勉強不足のK2隊には意味がわかりません。

真っ赤なアオキの実が、所々でよいアクセントになっている。

 ブナの巨木パワー

花弁を綺麗に反り返らせたカタクリが、辺り一面埋め尽くした状態です。
ニリンソウに代わって、今度はカタクリの道です。
カタクリは下山するまでずっと続きました。
要するに山中カタクリって感じ。

待望のユキワリソウも登場しますが、寒さに震えていじけ気味。
春の嵐で痛んでしまったのでしょうか?
なんとか頑張っている花を探してカメラに収めます。

 群生するカタクリ

はらい川。
四角いところから水が湧き出していました。
この辺りから、登山道が少しづつ残雪混じりになってきました。
じゅんさい池が見当たりません。

斜面を登ると、倒れて木に寄りかかった鳥居があります。
かなり昔の鳥居。

 はらい川
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ブナの林が見応えあります。
群馬で見るスックとしたブナと違って、幹がぐしゃぐしゃに折れ曲がっている。
風雪に耐える忍耐強い姿ですね。
こういうことって、人間についても多少当てはまるのでしょうかね。

面白い形のブナの前に座り込んで、ソロの女性がスケッチしていた
登山口に車があった地元の女性です。
ここのブナ林が好きで、時々来るのだそうです。

 素晴らしいブナの林
                                         ▲ キクザキイチゲ
            ショウジョウバカマ                       カタクリ                          白花

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突然開けた岩場に出ると、開放された視野に思考回路も単純化します

ここは神子岩でしょうか。
特に標識はないけど。

 神子岩から天狗岩を見上げる

天気は急速に回復しており、金北山方面は青空です。
白雲台や妙見山にはまだ雲がかかっている。

白雲台には何やら立派なビルの様な建物が建っていますが、北朝鮮をにらんだ防衛省の警戒管制レーダーガメラです。
妙見山や金北山頂も日本の重要な防衛拠点なのだそうです。

呑気な山登りには、似つかわしくない光景ですね。

 神子岩上部から妙見山
                           ▲ 雲立ち込める妙見山

神子岩から上の裸岩帯は風当たりがきつい。
比較的穏やかな今日でさえ、ビュ〜ビュ〜言ってます。

再び雑木林に入った辺りはオオミスミソウの群生地。
きょうのハイライトとなる筈でしたが、雪と低温のため花は萎れていました。
おいちゃんも非常に判り易い萎れ方をしてました
なんでやねん
何で今頃雪が降るん?

 寒そ、かわいそ

下を見るとダム湖の向こうに田園風景、遠くには小佐渡が見えていました。
両津湾がちゃんと見えます。

 島の形が地図のままに
▲▲ 雪を撥ね退けて健気に花開く神子岩周辺のオオミスミソウ


   出会った花々

    ・ アラゲヒョウタンボク ・ アオキ(花と実)・ アオマムシグサ ・ ウスバサイシン ・ エンレイソウ ・ エゾエンゴサク ・ オオヤマザクラ
    ・ オオミスミソウ(ピンク・白・青)・ オオイワカガミ ・ オオカメノキ ・ オドリコソウ ・ カタクリ ・ キクザキイチゲ(青・白)・ クロモジ ・ クルマムグラ
    ・ サワハコベ ・ シラネアオイ ・ ショウジョウバカマ ・ ズダヤクシュ ・ タチツボスミレ ・ タネツケバナ ・ タムシバ ・ チゴユリ ・ ツルシキミ
    ・ トウダイグサ ・ ツクシ ・ ツルリンドウの実 ・ ナガハシスミレ ・ ネコヤナギ ・ ニリンソウ ・ ニシキゴロモ ・ ニョイスミレ ・ ネコノメソウ ・ ハマハタザオ
     ・ ヒトリシズカ ・ フキ ・ フッキソウ ・ ホウチャクソウ ・ ミズバショウ ・ ミツバアケビ ・ ミヤマカタバミ ・ モミジイチゴ ・ ユキザサ

天狗岩と書かれた板が無残に転がっています。
雪で倒れたのかな。

 ありゃまっ

ここから上は完全に雪の道となります。
笹原に行く手を阻まれますが、笹の中は雪が少ない。

私より背の高い笹藪をかき分けながら、かすかな踏み跡を探す。
大体の方角を定めてずんずん登ります
ここに登山道があるのだろうかと疑いたくなる場所です。

 笹原の上に山頂ドームが見える

笹が途切れ夏道通しに登っていきます。
新雪の下はクラストしていて、潜ることはありません。

途中ドンデン高原への道が綺麗に見える場所がありました。
山頂のドームがグングン大きくなっていきます。

 せっせ せっせ
 木の間に青いドームが覗く          ▲ ドンデン山からの縦走路です

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笹原と雪道で結構時間をくい、タイムリミットが迫ってきました。
帰りのタクシーを予約してあるので、気がもめるよ。

時間ギリギリで行って来れそうですが、今回は無理をするケースでもないので、ここでタイムアップにするか。
タクシーに見放されたら眼も当てられんもんね。
潔いK2隊と言うか、どうでもいいけどやっぱり後ろ髪引かれ隊。
そうと決まれば、時間も心も余裕です。

 もうすぐ山頂なのに残念(また来るよ〜)

平坦な広い雪上で、ランチタイムにします。
1日半分の食料を担いでいるので、減らさなくっちゃ。

帰りは神子岩まで来た道を下ります。
神子岩から西の急斜面を下って、追分に出て沢口登山道に合流しよう。
姫ヶ沢に下っても芸がないし。

 雪上ランチの準備をするはらっぱ

P678を北に捲く平坦地に出るまで、急降下です。
踏み跡程度のコースですが、リボンと急斜面にはロープがあって助かる。
そして、この道を選んだのは大正解。

ぎゃ〜。
ユキワリソウが気い狂うほど咲いています。
それも元気いっぱいに ・・・
山頂を諦めたことを知った神様が、授けてくださったご褒美 かな?

 下り急斜面もお花畑

道沿いだけでなく、見える範囲全てをカタクリが埋め尽くしています。
ここから兵庫までずっと、ユキワリソウ、キクザキイチゲ、カタクリが途切れることなく咲き競っていました。

今回は、白いカタクリも見ることができたし。

 カタクリさん        ▲ お花畑に迷い込んじゃったみたい

ブナの平坦地をのんびり進むと、湿地に出て水芭蕉があります。
花は殆んど終っていたけど、咲き残りがいくつかありました。
ザゼンソウはとうとう見かけません。

全く人の気配もなく、手付かずの自然の中にいる幸せ。
登山道は自然のままに ・・・ 佐渡市の方針にさんせ〜い。
誰にも会わないね。

 ミズバショウ

                                 ▲ お花ロード

追分周辺はとくにオオミスミソウが群生しています。
山頂に到る沢口登山道にズルズル引きこまれてしまいました。
沢の音が大きくなって不動滝の標識がありましたが、大分下りるようなので行きません。


足の踏み場もないほどのカタクリです。
カタクリの中にオオミスミソウやイチゲの花が混じって咲いている状態 ^^
でも、オオミスミソウの彩は昨年の金剛山ほどではありません。【REPO】

 いろいろごちゃまぜ
                                   ▲ 雪割草(オオミスミソウ) on parade

更に下ると三段の滝があります。
三段滝の展望台というのが正しいみたい。

入山したときに鶯が歓迎してくれましたが、ここでも盛んに谷間から聞こえてきます。

 三段滝展望台

急に暗い杉林に入って暫く下ると兵庫に着きます。
丸い大岩に兵庫とカッコいい字で彫り込まれている。
林道の終点。
広くなってるけど、ここまで来るには車高の高い車しか無理だね。

ここからはオドリコソウ、ヒトリシズカやスミレなどを愛でながらの林道歩き。
右下に立派は堰堤が見えてくると、初盛ダムはもうすぐそこ。

オオヤマザクラが綺麗に咲いていました。

 ヤマザクラの上に金北山山頂

ダム湖畔には散策路があるのでしょうか、誰かが歩いています。
ウドは延びすぎているし、蕗は未だ細く、たらっぺは芽が出ていません。
「山野草を採ってはいけません」の看板。
はいはい、採るものがないっつうの。

朝の登山口に帰ってきましたが まだ約束の時間より30分前なのでタクシーは来ていません。(が、タクシーも早目に来てくれて間もなく到着しました)

予約したタクシーを迎えにダム湖畔を歩いていると、男性が追いついてきて訊ねるんです。
ここは何処ですか?ドンデン山荘はこの先ですか?
はぁ〜?(一瞬意味がわかりません)
ドンデン山荘に車を置いて、金北山を往復のはずが道に迷ったらしい。
その人の置かれている状況を説明しますが、理解できたのかどうか無茶苦茶な話です。
遅れて奥さんらしい女性がよたよたと合流 ・・・ はぁ〜?夫婦登山?

私達は予約したタクシーで両津へ帰ると話したら、安心したのでしょう勝手に乗る気になってます。
迎えのタクシーに名前を確認されると、チャッカリK2に成りすましてタクシーに乗り込んでる。
なんだこいつと思いましたが、放っとく訳にもいかないので連れて帰った。
私達は両津のホテルで降りるので料金を折半でと提案しましたら、全く払う気がないようです、はぁ〜?
彼の言い分は、もともとお宅が頼んだタクシーでしょってなことのようです。
あほくさくて、こんな奴の相手をする気にもならん(怒)
こんな図々しい非常識な奴、携帯も通じない山の中にほっときゃよかったとマジ思った。
( お金の問題じゃなく、私達の親切心が通じない悲しさ ・・・ しかも同年代 )
この夫婦(京都)はそのままタクシーに乗って、有難うの一言もなくドンデン山荘へ向かった。

 ツクシの背くらべ
 初盛ダムの貯水池が見えてきました

私達と同年代に見える男の悲しい行動に憤激しながらも、その情けなさに落ち込んだ後味の悪い幕切れ。
楽しかった金北山に大きな汚点を残した。
気を取り直して、嫌な思い出は温泉で汗と一緒に流しちまおう。

7階の展望風呂からは日本海、金剛山、ドンデン高原、金北山、妙見山、白雲台、その下には加茂湖が見えます。
風呂上りには折角ですから何か美味しいものを食べたいということで、ホテルのご主人お薦めの居酒屋で夕食をいただきました。
ママさんは漁師の奥さんだって。

 両津大橋を飾るモニュメントと佐渡汽船ターミナル

時間があるので、街中を散歩しながらターミナルに帰ります。

帰りのフェリーは「おけさ丸」
暗闇を航行するフェリーなので、即刻毛布をかぶって眠ります。
間もなく新潟港に着きますよ〜と船内放送があるまでぐっすり ・・・
お陰で2時間半があっという間です。

 おけさ踊りの三人衆

帰りの高速はガラガラです。
ちょっと速めに走って、順調に家に着きました。

夜中1時に家を出て、夜中1時に帰ってきた。
丸24時間よく遊びましたよ。

 楽しい思い出を胸に新潟入港