2014.09.07 (日)  K2Couple No.0471 

西吾妻山
にしあづまやま(福島県)
2,035m
雨上がりのパノラマトレッキング

コース最大標高差 : 220
コース累積標高差(+) : 460
コース累積標高差(−) : 460
コース沿面距離 : 6.6 km
行動時間 : 4'10"

* 距離と累積標高差は GARMIN GPS data です

 こんな青空、期待してなかったけど
 道の駅「裏磐梯」 7:15 = 白布峠 = 8:00 RW湯本駅 8:20 《天元台RW》 8:25 高原駅 《夏山リフト3本》 9:15 北望台
 北望台 9:20 ... 9:40 かもしか展望台 9:50 ... 10:00 人形石分岐 ... 大凹 ... 10:15 大凹水場 ... 10:50 梵天岩 ... 11:00 天狗岩 ...
 11:20 西吾妻山 ... 11:30 西吾妻小屋 【L】 11:50 ... 12:00 天狗岩(吾妻神社)... 12:10 梵天岩 ... 12:35 水場 ...
 13:10 かもしか展望台 ... 13:30 北望台
 北望台 13:35 《夏山リフト3本》+《天元台RW》 14:30 RW湯本駅 14:40 = 15:05 白布峠 = 16:00 沼尻高原ロッジ(泊)


この地図は、国土地理院発行の地形図を使用した
(経緯度線は20秒間隔)

一口に吾妻山と呼んでも、これほど漠然としてつかみどころのない山もあるまい。
福島と山形の両県にまたがる大きな山群で、人はよく吾妻山に行ってきたというが、それは
大ていこの山群のほんの一部に過ぎない。
この山群には一頭地を抜いた代表的な峰がない。
それでいて、東北では貴重な千九百米以上の高さを持つ峰が、十座近くも群がっている。
しかもそれらの峰がいずれもずんぐりした形で、顕著な目じるしがないので、遠くからこの
山群を望んで、どれがどの峰かにわかに識別しがたいほどである。
(中略)
そして昔は一切経あたりの山を吾妻山と呼んでいたのが、それに続く一連の山をすべて吾妻
山と総称するようになったのであろう。
総称の吾妻山は非常に広範囲で、その最高峰は西吾妻山である。
山群中唯一の二千米峰であるが、近隣の峰々がそれに近い高度を持っているので、飛び抜け
て主峰という感じはしない。

                               
深田久弥『日本百名山』より抜粋

   道の駅 裏磐梯    天元台RW    米沢観光ナビ

    西吾妻山の場所


沼尻温泉 沼尻高原ロッジ (¥9,100)


夜半に目を覚ましたら、雨が車の屋根を叩いてるのよ。
そして、朝になってもまだ止みません ・・・ やっぱりなあ今年は駄目か

どうしよっ、きょうは温泉三昧かなあ?グレまくる二人。
WiFi端末やテレビで天気予報を確認するもすっきりしないし。
日曜日は晴マークがついてたはずなんだけど、どうも雨のち曇りらしい。

車の中でグズグズしてたら、奇跡的に小降りになってきた。
小雨くらいなら山歩きを決行しますよ。

 道の駅にいた日本一周中

もともとの予定では、グランデコスキー場から西大巓経由で西吾妻山に登ることにしていたけど、雨が降ると道がぬかるとの情報なので急遽変更。

10年前に歩いた、超安易な天元台コースにしよう。
ゴンドラ+夏山リフトを繋いで、最高に楽なトレッキングだよ。
それがいいね お金かかるけど (^^;

桧原湖の西岸道を北上する途中、磐梯山が綺麗に見えた。
よっしゃ〜。

 桧原湖から対岸を眺めて
 雨あがりの磐梯山        ▲ グランデコから登る予定だった西大巓

五色沼から来る道に合流する手前で、交通規制線を敷いている
きょうは裏磐梯スカイバレーヒルクライム大会があるので、7時半から通行止めですよとのこと。

え〜yameteyo 7時半からまだ3分しか経ってないじゃん。
福島の山に登るために高崎から来たって涙目で拝み倒したら、まだスタートしたばかりだからいいかって、ゲートを開けてくれた優しいおまわりさん。

白布峠までの数ヶ所で、関係者が規制やら準備やらに追われていました。
おいちゃんが偉そうに敬礼して通過すると、お辞儀してくれる関係者さん

 ヒルクライム大会警備のパトカー

白布峠を越えると、そこはもう山形県。

無事ゴンドラ湯元駅に着いたら、始発前なのに何気に動いている訳で。
新潟からの団体さんのための臨時便らしく、急いで行ったら本当の始発便8:20に乗せてもらって天元台高原駅着。

10年前に泊まったアルプ天元台は、当時のままで懐かしいです。

 天元台RW、湯元駅の駐車場        ▲ 懐かしい天元台高原とアルプ天元台

リフト乗り場周辺には、エゾオヤマリンドウがいっぱい咲いていました。

乗り場の係りの人は、皆んな親切丁寧な対応で気持ち良かった。
夏山リフトの足下にはエゾオヤマリンドウやヤマハハコ、ヒヨドリバナが、目の高さにはシラビソやダケカンバやナナカマドなどが移ろう。

リフト3基を乗り継いで北望台へGO。
しらかばリフト(6分)から始まり、しゃくなげリフト(9分)、最後のつがもりリフト(15分)は長いぞ〜。

 エゾオヤマリンドウ
 最初はしらかばリフト        ▲ 空中散歩と書かれていたリフト群


 リフト最高点1820mの北望台からは、東北アルプスとも言われる飯豊連峰が綺麗に見えていますね。
 この時期でも、山頂付近には雪渓が白く残っているのが分かります。
 飯豊山のことはここに置いといて、西吾妻もいよいよここから山歩きスタートですよん

                    ▲ 重なる山並みの果てに、雪渓の残る飯豊連峰が素晴らしい
 カニコウモリ  サンカヨウの実  アキノキリンソウ  ゴゼンタチバナの実
 ユキザサの実  コケモモの実

朝の雨からは想像もできないほど良い天気になりました。

10年前の記憶と言えば、かもしか展望台と大凹の水場への木道、その先の大きな岩の道などが残っています。
その時は、訳あって西吾妻山まで行けなかった。

今回も同じように、かもしか展望台で展望休憩しますね。
しっかり腹ごしらえもしますよ。

 かもしか展望台

中大巓の捲き道の木道を下って行くと、開放感溢れる高原の風。
真正面は東吾妻山方面です。

遠く右前方にピークっぽい盛り上がりが見えますよ。
山頂かなと思ってたのですが、近づくにつれて梵天岩と判明する。
確かに、帰りに確認してみても、梵天岩に間違いなかった。

 中大巓の捲き道を行く           ▲ 沢山咲いてたウメバチソウ

花の時季ではないけど、アキノキリンソウやエゾオヤマリンドウなどが咲いています。
懐かしい眺めを味わいながら、木道上を闊歩する幸せ感が良い。

人形石の分岐を過ぎると、南に緩やかに下って大凹と呼ばれる湿地帯。
湿原です。

▲ 人形石との分岐を右に
 ミヤマリンドウの蕾               ▲ ミズギク
 ウメバチソウ  ヤマハハコ  オヤマリンドウ  シラネニンジン
 ウメバチソウ  ナンブタカネアザミ  ミズギク
▲ エゾオヤマリンドウの群生        ▲ 花は少ないけど気持ち良い木道
 秋祭りだ〜 なんちゃっておじさん          ▲ あれは安達太良山かな
                       ▲ 大凹から西吾妻山方面のゆったりした山容

黄葉したイワイチョウの葉っぱが、ビッシリと山肌を覆いとっても綺麗です。
遠目には、草紅葉ちっくな雰囲気もチラホラ。

木道が一旦途絶えるところが大凹の水場です。
前に来た時は、ここの水で誰かがコーヒー を淹れてくれたっけな〜。

きょうは、西吾妻の山頂まで行けるのが嬉しい。

▲ 黄葉したイワイチョウ              ▲ 大凹の水場
 ゴゼンタチバナ  イブキボウフウ  チングルマの穂  チングルマ一輪だけ
 ミヤマリンドウ  マイヅルソウ  紅葉した葉っぱ

岩岩のアスレチック道になってきたぞ〜。
朝方の雨で滑るので慎重に登りましょう。

岩ゴロゴロ道を抜ければ、池塘の広がるいろは沼ですよ。
これぞ吾妻という癒しの草原が待っているはず。


▲ なだらかな山だけど、イワイワもあるよ           ▲ ちょっとの区間だけどね
 遠くにナナカマドが         ▲ 池塘の近くには行けないのです
 再び大岩ゴロゴロ帯              ▲ 開けた岩道で
                      ▲ 東大巓から中吾妻山の眺め、その奥は一切経山と東吾妻山 (いろは沼で)

木道を進むと、大きなサイコロ岩の並んだ梵天岩が見えてきた。
西大巓から見た時に、西吾妻山頂と見間違えたところです。

おいちゃんはショートカットして梵天岩先端に行っちゃった。
私はペンキ印を忠実に登ります。
てっぺんは人が多かったのでパス。

 梵天岩を前に
 梵天岩に取り付く           ▲ 梵天岩で相棒を待つ
          ▲ 梵天岩から、歩いてきた木道といろは沼湿原を見下ろす (backは東大巓と一切経山)

梵天岩から僅かで、岩をばら撒いたような台地に着いた。
蓼科山の山頂を小さくしたような天狗岩です。
ひょっとして天狗様が岩をばら撒いたってことかな (^^;

ここはガスった時に迷いやすい場所のようで、ペンキ印が多いです。
これだけマーキングしてあれば迷いたくても迷えないし。
で〜、天狗岩は何処なのよ?この辺一帯だよきっと。

遠くに吾妻神社が見えますが、帰りに寄ることにしてスルーしますね。
ようやく目の前に西吾妻山頂が見えてきましたよ

 岩バラバラの天狗岩
 あれが西吾妻山頂だ           ▲ 木道や泥濘の道を行く

朝ご一緒した赤ちゃんを背負ったカップルさんが、もう帰って来られた。
ここから山頂までの道は、泥んこ道を足場の石を探しながら跳び歩きます。
雨のあとでなければもっと歩き易いのでしょうが、きょうは楽しいヌカルミ道で〜す。

と、あまり広くない場所に棒杭が1本建っている。
ぎゃ〜何これ珍百景 ・・・ 山頂?
木々に囲まれた楽しい山頂で写真を撮って速攻スルー。

 一旦下って登って西吾妻山頂で〜す    ▲ 通過点のような山頂ですが、吾妻連峰の最高点

 笹薮の道を下ります    ▲ 計画ではこの山を越えてくるつもりだった西大巓
 西吾妻山から下りて木道           ▲ 西吾妻小屋が見えてきて

学生時代を思い出してくると言い残して、おいちゃんは小屋の偵察。
リンドウはいっぱい咲いてるけど、冴えなかったとか。
記憶も全然なかった訳で。

西吾妻小屋分岐付近の木道上でランチにしましたの。
ここのほうが景色もいいし、通行人の観察もできるしね (^^;

さて、のんびり歩きで帰りましょう。
ここからもエゾオヤマリンドウ通りの木道を歩いて、静かだなあ西吾妻。

 木道 de ランチ
 シラタマノキ  ミヤマネズの球果  ナナカマドの実
 木道を歩いて        ▲ 奇麗に並べられた石畳の道を登って
 吾妻神社にお参りしてるけど、遠すぎませんか?          ▲ ではでは、近くまで来て なむ〜

天狗岩の片隅に鎮座する吾妻神社に参拝。
遠目には避難小屋かと思いましたよ。
紅白の幟が勇ましく、砦のような力強さが感じられますね。

ペンキマークに従って岩の上をひょこひょこ歩きます。

 天狗岩のイワイワを通過

帰りの梵天岩は捲き気味に歩いて、振り返ってみる。
皆んな高いところに立つのが好きだな〜。


 梵天岩を下ります              ▲ カッコいいじゃん

いろは沼の木道まで帰ってくると、登りでは蕾だったミヤマリンドウがちゃんと開いていました。
大岩の歩き難い道を下って大凹に着けば一安心。

ここからは危ない所はないので気が楽になりますよ。
木道を辿って戻ったかもしか展望台では、朝より展望が悪くなっているじゃありませんか。

湿った石ゴロの道を下って、北望台まで帰れば楽しいトレッキングは終り。
あとはリフト3本とロープウェイを乗り継いで、湯元駅に帰るだけ。

 またまた空中散歩
 帰りは一人ずつリフトに乗って            ▲ 天元台に帰ってきた
 ブタナ  ネジバナ  ゲンノショウコ  コオニユリ

天元台高原に戻ったとき、野生の猿が数匹いて観光客が遠巻きにして眺めていました。
子供たちも大喜び。
猿なんか珍しくはないだろうけど、動物園の猿とはひと味違うんですよね。

コスモスが、夏の終わりを告げるように微風に揺れている。

標高差も少なく歩いた時間も僅かなわりには、見所も多く花もそれなりに咲いていて、大いに楽しめた西吾妻山でした

 天元台高原を彩どるコスモスたち
 ブタナに見送られてロープウェイ乗り場へ          ▲ 駐車場にはまだ車が多い

 ススキと桧原湖と磐梯山 (白布峠より)   ▲ 皆んなが待つ沼尻温泉へ (正面は安達太良山)

ワンゲルOBの皆さんが待つ沼尻高原ロッジへ急ぎます。
集合時間を大幅に遅れてしまったので、着いたときには皆風呂上りでした。

速攻お風呂に入って、久しぶりにお会いする女性陣の部屋へ。
殿方は早速宴会に突入していましたね。
6月の霧ヶ峰で会ったばかりの人や、2年ぶりの懐かしい顔。

夕食の前に出来上がっちゃいそう。

 沼尻高原ロッジに到着

源泉100%のお風呂に入ったし、美味しい食事も味わったし。
ワンゲルOBの方々は、学生時代に戻った夜を楽しんでいました。

寝る前にもう一度お風呂に浸かって、部屋で遅くまでおしゃべりをして、福島に来て2晩目の夜は賑々しく更けてゆくのでありました。

そうそう。
露天風呂から見上げる真ん丸いお月様が、星と一緒に輝いていました。
明日はきっと安達太良登山日和。

昨年の秋、日帰り入浴した沼尻高原ロッジ

 部屋でプレ宴会
 日本酒飲みたい人は手を上げて ・・・ ハイ               ▲ お食事会