2012.06.04 (月)   K2Couple No.0367 

烏帽子沢奥壁南稜
えぼしざわ おくへき なんりょう(群馬県)
1,590m
谷川岳はダイナミック 

コース最大標高差 : 715
コース累積標高差(+) : 715
コース累積標高差(−) : 715
コース距離 : 3.8 km
行動時間 : 12'25"

* 距離と累積標高差は GARMIN GPSの大まかな数値 です

 4P目、フェースを左にからみリッジへ
  17:10 = 高崎IC/関越道/水上IC = 18:45 一ノ倉沢出合P 【車中泊】 
 一ノ倉沢出合P 5:30 ... 6:00 テールリッジ取付 6:10 ... 6:30 【BF】 6:45 ... 7:15 衝立岩中央稜基部 7:25 ... 7:55 南稜テラス 8:10 ...
 12:35 終了点 【L】 13:00 ... 15:20 南稜テラス 15:30 ... 16:20 中央稜基部 ... 17:25 テールリッジ末端 17:35 ... 17:55 一ノ倉沢出合P
 一ノ倉沢出合18:25 = 19:00 中華たむら 19:50 = 月夜野IC/関越道/高崎IC = 20:45

烏帽子岩の場所

いよいよ、烏帽子岩下の終了点まで6ピッチで登りますね。
忘れ物がないように、登攀用具の確認をします。
忘れたからって取りに帰れないし。

ビレイシステムは、オーソドックスに1-2-1。
Kさん、リードしますか?
はい、やってみます

 南稜ルート トポ              ▲ 登攀準備中

  【 1P目 】 20m W- 65分                                      解説はたっくんmemoによる


 Kさんのリード、セカンドははらっぱと拓哉、しんがりはおいちゃんとし、1−2−1 の形で登ることにした。

 最初は左側から登り初め、チムニーの手前で右上気味に登るので、長めのスリングでランナーを取るなど、ロープの流れに注意しながら登る
 必要がある。
 前半は傾斜が比較的緩く簡単であるが、チムニー入口はスタンスが高くて登りにくいところである。
 Kさんも少し手間取っているようであった。
 そこを乗り切るとあとは特に難しいところはない。
 岩が湿っぽくて滑るが、ホールドが大きいので特に問題はない。

 終了点に着いたはずであるが、なかなかロープが引き上げられない。
 取付きからは上がまったく見えないので、何がどうなっているのかまったく分からない。
 大分時間が経ってからようやくロープが動き始めた。
 時間がかかりすぎて後続パーティに悪いので、拓哉とおいちゃんの間はロープを短くし、コンテの形で登った。
 ただし、万一おいちゃんが落ちても拓哉が引っ張られないよう、おいちゃんのロープを拓哉のロープの少し上の方に固定した。

 1ピッチ目の終了点に着いてみると、間違ったビレイの仕方をしていた。
 マルチピッチの経験があるということなので、どのようにビレイするつもりなのか確認しなかったのは迂闊であった。
 2ピッチ目以降は拓哉がリードすることにした。

Kさんがリードで登って行きます。
烏帽子沢奥壁南稜は谷川の入門ルートということになっていますが、1P目はW-なので大変そうです。
いつも一人でクライミングをしているというKさんは、2本のロープを引きながら登るアルパインは大変そうでした。

6mチムニーを抜けたところでピッチを切るように指示されて、果敢に挑戦しています。

 1P目をリードするKさん               ▲ 順調です

はらっぱも、チムニーの取付きで苦戦しました
右足はスタンスがあるのですが、左がなくて困っちゃうな。
リンダどうしよ。

たっくんのアドバイスで、スリングに足を掛けてA0で登ったのよ。
非力で未熟なはらっぱは、登るためには何でもアリなのです(^^;
そこがアルパインの醍醐味というか、フリーにこだわらないというか ・・・

 チムニー入り口

          ▲ リンダ脱出しました

 おいちゃんご機嫌です              烏帽子沢奥壁

1P目終了点から、南稜テラスにデポした荷物や後続partyが見えます。
その下は広い雪渓が広がっていて、たにがわ〜って感じ。

中央稜に取付いているカップルさんも奮闘中ですね。
リードが、2P目の魔のトラバースに入るポイント付近にいるようです。
昨年、自分達が登った時のことが懐かしく甦りますよ。【REPO】

 中央稜を登るparty         中央稜の右に笠ヶ岳・白毛門方面
 一ノ倉沢の絶景       上を見上げれば、カワイコちゃん岩の横顔

  【 2P目 】 25m V+ 30分


 簡単なフェースの登りである。
 最初はやや右上へ、次いで左上し、全体としてS字状に登る。
 上半分はほとんどピンがないので、滑って落ちないように注意が必要である。


Kさんは初めてのリードだったらしく、2P目からたっくんに代わります。
フェースを右上して、バンド状を左に辿るルート。

はらっぱはルート取りが悪かったらしく、右に行き過ぎて途中で少し左へトラバース気味に登った。
簡単だった

 このピッチからたっくんリード         ▲ セカンドははらっぱの次にKさん

後続のpartyもいるので、時間の短縮を図ります。
Kさんが終了点に着いたらたっくんのビレーを開始し、たっくんはラストのおいちゃんを待たずに出発するのです。

そして、Kさんとザイルで繋がっているラストのおいちゃんをはらっぱがビレーしますね。
安心して登っておいで (^^

 Kさん
 衝立中央稜から見る南稜 (昨年の画像)                 ▲ セカンドのはらっぱとKさん
 2P目終了点の三人    ▲ 南稜1P目 (昨年の中央稜より)     ▲ 南稜2P目 (昨年の中央稜より)

  【 3P目 】 60m U草付き 20分


 草付きの歩き。
 簡単なのでノープロテクションとし、ロープを送ってもらうだけとした。


このピッチは問題なく登れた気がします。
草付きとは言え落ちたら困るので、たっくんにビレーしてもらいます。
おいちゃんとKさんは、ロープを捲いてコンテ。
そのやり方が正しくなかったみたいで、師匠から指導を受けていた (^^;

所々に初々しいハクサンイチゲやコイワカガミが咲いていて和みますね。
チョッと離れた場所に、一輪だけ紫っぽいハクサンコザクラが咲いている。
めいっぱいのズームでゲット。

 草付きピッチを登るはらっぱ            ▲ 花が気になる訳で
 ハクサンイチゲ            ▲ 遠くにハクサンコザクラ

心配した空模様も最高の天気になり、上州武尊山が大きい。
その左奥には奥白根山、更に左に尾瀬の笠ヶ岳と至仏山です。

手前の白毛門から笠ヶ岳も素晴らしい。
まだ、朝日岳は笠に隠れて見えてきません。

終了点テラスは広くて安定しています。

 上州武尊山

  【 4P目 】 25m V 35分


 ハング下を回り込んだところにある支点は通過し、その先のテラスまでのピッチである。
 このピッチは左上気味に登るルートであり、頭上にルーフが覆いかぶさっているので、下から見上げると絵になるアングルである。
 ここも上半分はピンがないので、簡単ではあるが滑らないよう注意が必要である。

 出だしは支点のところから左に大きく一歩トラバースすると、その上は登りやすくなる。
 少し直上したところで岩が立っているが、右から回り込むと案外楽に登ることができ、下からの写真写りもよい。


たっくんがルートの説明。
フェースを左上して、6ルンゼ側のリッジに出れば簡単だとのこと。

オーバーハングした岩をからんで登るので、写真写りもいいそうだ。
そうなのか、よし頑張っていこう。
おいちゃん♪見栄えのいい写真頼んだよ。

 トラバースしてリッジに出る               ▲ フォロー組

登っている途中で、ドドド〜ンと大きな地鳴り音が響き渡ります。
雪渓が崩れ落ちる音。
本谷にこだましていました。

音がした方向に目をやると、ルンゼの上部から雪の塊が岩に砕け散りながら、キラキラと落ちて行く様子が迫力満点です。
小石も捲き込んでいるのだろうか?
この後も何度か轟き音が響いていました。

 滝沢スラブ         ▲ バラバラと谷に砕け散っていった

出だしの壁がきついので、見回したら右上した方が楽そうに見える。
しかしその上がわからないので、師匠のルートを忠実に辿ることにします。
最初の一手一歩に苦労する。

あとは比較的簡単なピッチで、難なく終了点に到達。
おいちゃんをビレイしますが、何気にテンションかかって登って来ません

 出だしの一歩がきつい            ▲ 何か企んでいる顔だ
      ▲ 6ルンゼ側のリッジに出る            余り見栄えよくないけど               ▲ 6ルンゼ側

しばらくしてから、おいちゃんがヒイヒイ登ってきました。
師匠の言うことに逆らって取付きから右上したら、最初は見立て通り簡単だったけどその上で進退窮まったって。

6ルンゼ側にトラバースを試みるも、若干の下りしかルートが無く、ロープにテンションが掛かって身動きできない。
仕方なくアップ気味にトラバースしたら、左膝をすりむきながら何とかリッジまで行けたとのこと。

逆らうことに喜びを見出すおいちゃんの、失敗の巻でした

 終了点でビレイするたっくん

  【 5P目 】 15m W- 40分


 以前はテラスから左側に出て、馬の背の裾を少し登ってから斜上して馬の背に出たが、今回は前回と同様に、テラスの右側から直接馬の背に
 登った。
 技術的にはどちらも大差ないが、ロープの流れからは、こっちの方が良さそうである。
 どちらにも残置ハーケンがある。

 馬の背に出たところでルートを馬の背の裾の陽の当たらないところに取ることもできるが、これはテラスからの出だしを左に取った時のルー
 トである。
 馬の背に出たところでルートを右側の馬の背に取った方が気持ちがよい。
 馬の背を途中まで登ったところに、古いハーケンを何本も打ったビレイ支点があったので、そこでピッチを切った。
 ハーケンが古いので、スリングを何本か使ってあちこちのハーケンを繋いで安心できる支点にした。
 高度感があって気持がいいところである。

テラスから馬の背リッジに上がります。
リッジに取付くルートが3本あるんだと、おいちゃんがぐちゃぐちゃ言う。

たっくんは最初からリッジに向かってロープを伸ばしています。
もう少し上から取付いてみようかななんて考えたようですが、それはそれなりにプロテクションのとり方が違うだろうからやっぱり止めよう ・・・。

独り言かい?
うん (^^;

 馬の背リッジに取付きますね

馬の背リッジは、南稜のハイライトと言っても過言ではありません。
両側がバ〜ンと切れ落ちていて、これぞリッジというに相応しい。
考えてみりゃ、両側云々はとにかく最初っから下が切れ落ちてる訳だし。
でも、露出感というのか丸出しというのかがある(^^;

青空に切れ落ちた稜、その先が雪渓に落ち込む景色は一級品です。
一ノ倉沢の出合広場がすぐそこに見えてるし。
距離感が定まらず、自分のいる場所さえ認識できていない現実。

ただただ口をついて出る言葉は 『すっげ〜』 の一言。

 雪渓割れてるし
 高度感抜群        ▲ クライミングの醍醐味を味わえる

このピッチから更なる時間短縮を目論んで(おいちゃんの思いつきですけど)、Kさん、はらっぱの順に登ってもらうことにした。
Kさんが終了点に着けば、すぐにラストのビレイ準備ができるし、そのあとはらっぱが着けば、ラストをはらっぱに任せてリードのビレイができる。

果たして時間短縮になったかどうか? 定かではない
馬の背リッジの中間でピッチを切ったので、1ピッチ増えて7ピッチに。

 鈴鹿Kさんも気持ち良さそう          ▲ 両側が切れ落ちてる訳で
                         ▲ 馬の背の中間の小広い支点でピッチを切る

  【 6P目 】 15m W- 30分


 馬の背リッジの残りを、核心部の手前のテラスまで登る。
 テラス手前のワイドクラック(チムニー?)がちょっと難しい。
 古いハーケンが適度に打たれているので問題ないが、念のため1ケ所、クラックにカムを入れた。
 早めに左側のフェースに出れば比較的楽に登れる。
 はらっぱはフェースに出ずに、ワイドクラックをそのまま直登してきた。


 ピースなんかしてるけど             ▲ リッジからクラックへ

皆はクラックの途中から左のフェースに抜けて登ったようだけど、はらっぱだけ抜けられず、そのままクラックを上まで登ってしまった (^^;

「難しいルートを登ってきたな」ってたっくんに言われる。
下から見上げた時に何処が難しくて何処が簡単なのかよく分からないのよ、私には。

 おいちゃんもピースだね          ▲ クラックからフェースに出て
                            ▲ サムアップポーズのおいちゃん
 最終ピッチ直下の支点            ▲ うわ〜垂直じゃん

  【 7P目 】 20m X- 40分


 このピッチはルートの核心の垂壁である。
 傾斜が強く、少し濡れており、滑りやすいが、ホールドが豊富であり、ハーケンの間隔も狭いので、心配なく登ることができる。
 ただし、濡れた岩は滑りやすく、以前、いきなり足を滑らせ、落ちそうになったことがあるので、慎重に登った。
 終了点の少し上に懸垂支点があり、その手前がちょっとしたテラスとなっているので、そこで軽い昼食とした。
 目の前には烏帽子岩の迫力のある垂直の壁がそそり立っている。

昨年、中央稜から眺めたときに、まさかあの垂直の壁を登るのだろうか?どうやって登るのかしら?と思った壁に直面している。

スタートして数m登った段に、大きな岩があって踏み台に丁度いい。
乗ってみたらグラって動いたので、あせってすぐに下ります。
もし落石したら、下にいるおいちゃんを直撃しそうで冷や汗もんでした。

 たっくん♪気をつけてね              ▲ まかせろっ
 垂壁に挑むKさん          ▲ はらっぱも続く                     ▲ アップ

やっぱりはらっぱは、最後の垂壁で演じちゃいました

どうやって登るのよ〜ってブツブツ言いながら、ヌンチャクを掴んでビレイヤーの見える所まで登ったところでやっちゃったのよ。
ヌンチャクのロープをはずし忘れてしまったので、上に登れません

こんな垂直の壁は下のスタンスも見えないし、下りるのも怖いよ〜。
ロープにぶら下がってやり直すように、たっくんからの指示。

怖々と岩から足を外してロープに命を託し、新しい足場を捜してヌンチャクからロープを外した

 はらっぱ劇場再演の予感
                   ▲ ぎゃ〜 助けれ〜 ヌンチャク外し忘れた〜(マジで怖い)
 
                                ▲ 余談ですが、おいちゃんのコマ送り

バンザ〜イ! 着いたぞ〜
きょうのホントの終了点ですよ。
滝沢スラブも低くなったし、烏帽子岩も近づいて迫力満点。
師匠のおかげで、やっとここまで来れたね〜 あくしゅ〜。

一段高いところの狭いテラスに座って、軽く昼食を摂って下りますね。
岩に水が流れているので、はらっぱのお尻はビショビショ。
でも、そんなことはどうでもいい気分ですよ。

 南稜ルート終了点             ▲ 滝沢スラブ上部
 烏帽子岩           ▲ は〜い、おつかれさま〜

  【 懸垂下降 】 2時間10分


 南稜の終了点からは6ルンゼを懸垂下降した。
 最初のピッチは、短いが、ハングの上の支点で切った。
 そこからはオーバーハングした狭いルンゼを下降し、傾斜の落ちた斜面を50mロープ一杯に伸ばすと、ギリギリ4ピッチ目の終了点のテラ
 スに届いた。
 ここからは、テラスの先から空中懸垂する方法と、登ってきたルートを斜めに懸垂下降する方法があるが、いつものように空中懸垂をした。
 はらっぱもしっかり空中を降りてきた。
 降りたところが丁度3ピッチ目の終了点であり、そこから笹薮の中を真っ直ぐ2ピッチ目の終了点まで、さらに2ピッチの懸垂下降で南稜テ
 ラスに戻ってきた。

1回目の懸垂

懸垂の支点は、6ルンゼ側に少し下りた所にありました。
一ノ倉沢には30回も通っているというたっくんが一番に下ります。
2番手のはらっぱも、たっくんが下に見えるので何気に安心して下れるね。
懸垂ルートは、リッジを登る横浜隊とスライドします。

二人が下りたあと、Kさんが懸垂体勢に入るのに手間取る。
なかなか下りられなかったので、たっくんが下で気をもんでいたらしい。

 最初の懸垂下降            ▲ 二番手ははらっぱ
 ▲ ♂三人横浜party(この方70歳ですぞ)         最初の懸垂は短い               ▲ ラストのおいちゃん

2回目の懸垂

少し濡れた狭いルンゼを通過する長い懸垂。
溝にはまらないように、両側の壁を突っ張りながら懸垂しました。
フェースの懸垂と違って、着地スタンスに注意を集中。

ロープと岩の間に指を挟まないようにって、師匠からアドバイス。

 開脚懸垂           ▲ はらっぱに続いてKさん

狭いルンゼを無事通過したら、何気に足が浮いた。
プチ空中懸垂でした。

下を覗いたら、たっくんが余所見をしています
ちゃんとこっち見ててよ、万が一のバックアップ頼みますよ〜。

 プチ空中懸垂  ▲ アップ        ▲ 股下からたっくんを見ちゃった

3回目の懸垂

登り4P目で見上げた大きくハングした岩を空中懸垂します。
空中で止まったら、アリャリャ〜。
宙吊り宙ブラリンのまま、体がゆっくり回転し始めちゃったのよ。マジで?
宙吊りで景色なんか見たくもないのに、そりゃもう大展望ですよ。

もう少し下りたらまた回っちゃったのよ
このあとたっくんがロープを引き寄せてくれて着陸(ホッ)

 鈴鹿Kさんも回ったらしい         ▲ ハクサンイチゲさんも笑ってるよ
       ▲ これから回りますからね                  おいちゃん               ▲ ん?おいちゃんは回らないな

4回目の懸垂

草付きの懸垂だったかな。
懸垂途中でたっくんが右下に見えたので、斜めに降りようとしたら失敗して左に振られてしまった。
重力に逆らうなって言ってるだろっ
転んでも、ロープだけは絶対に離すなよ!

どんな状況でも真っ直ぐ下りてから、必要ならトラバースするように教わる。
私の悪い見本を上から見ていたKさんも、同じように振られて転んでた。

 ブッシュの懸垂開始

5回目の懸垂

はらっぱにとって、少し傾斜が落ちて足場も安心なフェースの懸垂です。
お花さんも応援してくれるしね。

一ノ倉沢の雪渓風景が広がり、出合の駐車場も見える。
烏帽子沢を挟んで、テールリッジ(憂鬱)が雪渓に突き出している。

あともう少しという安堵感もあって、気分的に楽なピッチですね。
ここまでなら、また来たい なんちゃっておばさん。

 岩と花と
          ▲ 余裕しゃくしゃく               ようやく余裕が出てきた人            憧れの谷川を心に刻む人
                        ▲ 南稜テラスに着地寸前のたっくんがポツンと

6回目の懸垂

デポした荷物が南稜テラスに見えて、やっと最終懸垂です。

 顔を見れば最終懸垂ってわかるでしょ         ▲ ヒメイワカガミ                鈴鹿から遠征した価値あった

  【 下山 】


 南稜テラスから烏帽子沢のトラバースルートまでの下りは結構恐いので、鎌形ハング近くの懸垂支点から懸垂下降した。
 いよいよ誰もがイヤがる下りのトラバースである。
 はらっぱとはコンテで下り、危なそうなところはスタカットで下った。
 あとの二人はもちろんフリーである。

 テールリッジの下りも息を抜けない。
 はらっぱとはそのままコンテで下り、途中の急な岩場はスタカットで、最後の末端壁はロワーダウンとした。
 雪渓の下りは、末端壁にデポしておいた超簡易アイゼンをつけて下った。
 初めて使ったが、やはり楽である。
 余韻を楽しみながら雪渓を下って出合いに戻った。


南稜テラスで装備を回収し、小休憩(プカプカ)。
ここまで無事に下りて来れましたが、まだまだ気が抜けません。

疲れたしクライムダウンで怪我をしてはいけないので、南稜テラスからは歩きと懸垂を混ぜて下る。
横浜partyは、アプローチシューズをデポした場所を探していたが、たっくんが見つけて一件落着。

烏帽子沢の下りトラバースは、慎重に慎重に下ります。
おいちゃんとKさんは先に下って行きます。
怖くなり始めると足が前に出なくなるので、思い切りも必要。
優しいたっくんが、予定通りロープを出してくれてコンテ(^^

 南稜テラスから懸垂
            ▲ 南稜テラスから懸垂で下り、烏帽子沢をトラバースしてテールリッジへ (白線ルートはイメージです)
 笠・白毛門方面               ▲ ニガイチゴ

テールリッジの下りも、そこそこ厳しいスラブやイワイワの連続です。
去年こんなとこ下ったっけ?
あの時は怖くて夢中で下ったので、記憶が飛んでるようです (^^;

ここは何度下っても怖い場所ですよ。
たっくん曰く 「オギャーと雨の中をヘッデン点けてここ下ったよ」
ぎゃ〜濡れている場面しかも暗がりを想像したら、怖すぎるってば

 テールリッジの下り             ▲ そうそうその調子
 ビレイしてもらって、フィックスロープに掴まって万全            ▲ 長いスラブの下り
 おいちゃん♪落っこちんなよ          ▲ ようやく笑顔がこぼれる
 ツガザクラさん           ▲ 末端に近くなって来たよね

鈴鹿のスラブで鍛えているKさんは、スタスタと下って行かれましたよ。

末端壁は、ロアーダウンで下ろしてもらうチャッカリはらっぱ
おいちゃんとたっくんは、もうクライムダウンがいやになったらしく、横着懸垂してました。

雪渓に下りれば一安心です。

 ロアーダウンで楽チンピース          ▲ 懸垂かい、私もしたかったなぁ

おいちゃんとたっくんは、末端壁で一段落してまたプカプカしています。
はらっぱは足が遅いので、一足先に下りますね。

後から来たKさんが、スタスタと猛スピードで雪渓を下って来ます
私を追い越してグングン差をつけて行っちゃいました。
「随分早いですね」 と言うと 「雪国育ちですから〜」 と笑顔(^^
彼は新潟十日町の出身だったのです。

 出た〜!はらっぱポーズ

途中でサンカヨウの写真を撮りに寄り道します。
斜面を駆け登ったら、サンカヨウがいっぱい。
サンカヨウの群落の隣りには、シラネアオイの群落もありました。

こんちわ〜。
こんなところに、人知れず集団で咲いてたのね (^^

 シラネアオイ
 一ノ倉沢に咲くサンカヨウの群落             ▲ アカバナエンレイソウ

駐車場に戻ると、明日登るという人たちがご苦労様と迎えてくれました。
この人たちもアクティブシニアだね。
そういう私たちの平均年齢は、64.5歳でしたよ (^^;

駐車場で情報交換。
明日もいい日になりそうですね。

 反省会?         ▲ 荷物の整理をしながら情報交換

Kさんはお兄さんの待つ十日町へ行かれるとかで、ここでお別れです。
ありがとうございました。

明日は東大で特別講義をする予定のたっくんに配慮して、温泉はなし。
月夜野にあるクライマー御用達の店・中華料理「たむら」に寄りますね。
ここは美味しいし、ボリュームたっぷりでご飯も大盛りです。
餃子、酢豚セット、野菜炒め定食を注文して、全員で仲良くつっついて話も弾みます。

 たむら


 たっくんともここでお別れ。
 天候に恵まれ仲間に恵まれ、楽しいクライミングが終わりました。
 いつものことですが、たっくん ありがとう。

レポ作成に当たり、たっくんから提供された写真をたくさん使用しています。 この場を借りてお礼申し上げます。


烏帽子沢奥壁南稜アプローチ へ