2011.09.11 (日)                        K2Couple No.0332

横岳小同心クラック
よこだけ しょうどうしん(長野県)
2,829m
小同心クライミングのあと、横岳縦走

コース最大標高差 : 1070
コース累積標高差(+) : 850
コース累積標高差(−) : 1380
コース沿面距離 : 9.7 km
行動時間 : 9'10"

               * 距離と累積標高差は GARMIN GPS data です

 小同心の頭で一息入れる

 赤岳鉱泉 6:35 - 6:40 大同心沢出合 - 7:50 大同心基部 - 8:05 大同心ルンゼ - 8:40 小同心クラックルート取付 -

 10:20 小同心の頭 10:25 - 11:05 横岳奥の院(L) 11:55 - 13:05 地蔵尾根分岐 13:10 - 13:50 行者小屋 13:55 -

 14:20 赤岳鉱泉 14:40 - 15:45 美濃戸p

 美濃戸やまのこ村p 16:00 = 蓼科ビーナスライン = 佐久IC(上信越道)藤岡IC = 18:45


   横岳の場所
  この地図は、国土地理院発行の地形図を使用したものである (経緯度線は20秒間隔)

                  厳冬の大同心と小同心 ( いきなり冬バージョンで登場 )

朝食も美味しかった (^^
温泉卵、のり、鯖の文化干し、きゃべつ、漬物、味噌汁、グレープフルーツ。
ごちそうさまでした。

さて、荷物をまとめて出発しましょう。

 出かけましょうか

きょうも快晴ですよん。
青空にナイキのロゴが良く似合います。

ときは9月、晩夏の穏やかなクライミング日和になりました。
たまにはいいよね。

 本間さんの名言 『ナイキのロゴだ』

硫黄岳への道を少し辿れば、大同心沢の出合。
ちゃんと標識もあり、一般登山者が入り込まないようにロープあり。
それを潜って右に入ります。

しばらく沢沿いに左岸を行き、涸れ沢を渡って大同心稜に取付きます。
ここから大同心稜をがむしゃらに登る。
踏み跡はシッカリしていて歩きやすい。

急な樹林帯を進むとグングン標高を稼いで、振り返れば赤岳鉱泉がすぐ下に見えていました。

 大同心沢入口

踏み跡は益々急になり、立ち木に掴まったりして登るはらっぱ。
たっくんと本間さんはK2隊を置いて、どんどん先に行ってしまいます。
待ってくれ〜。

樹林の頭越に阿弥陀さまが見えました。
何だかんだ理由をつけては立ち止まる二人。


 大同心沢(ルンゼ)を行く           ▲ 昨日登った阿弥陀岳
 前の二人が見えなくなっちゃった        ▲ 亀をトップに据えればいいのだ
 大同心の正面壁が見えてきた           ▲ 小同心北壁ですよ

ちょっとした岩場を前にして、奥に大同心正面壁が聳えています。
迫力満点。
ここは、にわかクライマーには無理そうな壁です。

先行partyが壁の中間に張り付いていました
ようやるわ。

岩場を乗っ越すと大同心の基部テラスに到着です。
すでに疲れている訳で (^^;

 ようやく大同心基部

振り返ると素晴らしい眺めです。
やや雲が多いものの、高い山が雲の上に頭を出していました。

雲海の上に木曽駒、御嶽山、乗鞍、槍穂高と並んでいます。
槍のトンガリや穂高連峰が素晴らしい。

小同心もやや小ぶりですが切り立っていますね。
何処を登るんだろ。
その前に、小同心基部まで行くのが大変そうです

 山はやっぱり槍穂高だよ

                      ▲ 大同心基部で、もう終わったような喜びピース
                      ▲ ここからのトラバースが本日の核心っぽい訳で     ( ルートはイメージです )           ホソバトリカブト

 タカネナデシコ ▲ ミヤマミミナグサ  キバナノコマノツメ  オノエリンドウ

大同心の基部バンドをトラバースして、小同心へ向かいます。
トラバースののち、草付を大同心ルンゼに急降下して登り返す訳ね。
ここは名立たるお花エリアで、その時季には足の踏み場もないそうです。
たっくんがドンドン先行するので、私もビビリドンドンします。

昨日、阿弥陀岳への道から何度も眺めた岩壁を今歩いてるのよ。
遠くから見れば絶壁のトラバースですが、足元だけ見てれば大丈夫。

 ビビリドンドン行きます              ▲ ひょえ〜

小同心は左右二つの岩峰からなり、左岩峰には北壁ルートとクラックルートがありますが、ターゲットはクラックルート。
北壁ルートの方がチョロイらしい。
きょうはたっくんがオールリードで、私のエスコートは本間さんです
よろしくね


 蓼科山と大同心岩壁           ▲ 小同心基部の大テラス

  【 1ピッチ目 】 40m W

 取付きから見上げるとやや左上に顕著なチムニーが見えるので、一目瞭然である。
 出だしは傾斜の緩いフェースなので、どこからでも登ることができる。
 岩がゴツゴツしたフェースを左上して行き、チムニーに入ると傾斜が増してくるが、ホールド、スタンスとも豊富なので快適に登ることができた。
 ピンはほとんどないので、岩角にスリングをかけてプロテクションを取った。
 チムニーをしばらく登るとボルト2本のしっかりした支点があったが、パスした。
 その少し上にももう一つ立派な支点があったが、そこもパスし、ロープをピナクルのあるテラスまで伸ばした。
 下を見ると、取付きの3人が見えた。

 セカンドは、赤いロープにはらっぱと本間さんの二人、青いロープにおいちゃんとした。
 全員、快調に登ってきた。
                                                        --- たっくんmemo ---


日陰で寒くなりカッパを着る。

岩が脆いと聞いていたので心配でしたが、すんなり登れた。
階段状のフェースだし、ホールドにはこと欠かない。

熔岩状の岩は、硫黄岳が噴火した時ここに積もったということにした。
嘘っぱちと言うより、安っぽい思いつきですけどね (^^;

 リードのたっくん              ▲ ガンバッテ

 1ピッチ目終了点            ▲ 立ちんぼおいちゃん
 ブイブイ               ▲ 簡単やね

1ピッチ目は特段難しいところもなく、簡単にクリアー。
最初はフェース登りで、終了点直下だけステミングで抜ける。
高所の恐怖心さえ取り除ければ、誰でも登れそうです。

隣の大同心ではクライマーが土木工事中で、ドリルでガリガリしてます。
良く見れば、終了点に二人いて、三人が登攀中。
あそこは厳しいよね。

たっくん達二人は、このあとあそこでトレーニングすることになっている。
くわばらクワバラ。

 しんがりピース
               ▲ 大同心の最終ピッチでもたつくparty (長いことセミになっていた)

  【 2ピッチ目 】 40m W
 テラスから右に出て再びチムニーに入り込む。
 チムニーでは両足をできるだけ両側のフェースに置いて傾斜を殺す登り方をするようにと手本を見せてから登り始めた。
 出だしは登り易いが少し登ると傾斜が急になり、圧迫感を感じるがホールドがたくさんあり、ピンも適度にあるので、安心して登ることができた。
 傾斜が落ち、チムニーを抜けるとレッジがあり、残置スリングのある支点がある。
 ここでルートは右肩に出るラインとクラックを直上するラインに分かれる、今回は右側のフェースを登るラインをとった。
 フェースの傾斜はきつくないが、プロテクションが取れないので緊張した。
 フェースを登リ切ると、太陽が眩しい広いテラスに出た。
 支点のピンがないので、テラスの奥の潅木に支点を作って、セカンドのビレイ用の支点はテラスの端の岩角に取った。
 テラスからは横岳の頂上にいる人の姿がよく見える。

たっくん、おいちゃん、はらっぱ、本間さんの順。

クラックルート核心のピッチ。
確かにチムニーが小同心の中央に縦に走っていますね。

クラックルートと言うより、強いて言えばチムニールートかな。
チムニー部分は中に入り込まず、左右の壁に交互に足を開いて登ります。
 ← (ステミング)

当然身体の下は空間なので、股の間から下を見ると怖いらしい。
はらっぱはその怖さを体験済みなので、下は絶対に見ませんよ(笑)
ただひたすら上だけ見て登ることにしている。

時々稜線上を行く登山者の声が聞こえてきます。
このピッチを抜けると小同心の肩。
恋しかったお日様を全身に受けて、モッコリ温まりました。
達成感と安堵感と大展望に満たされて ・・・

 たっくん行きます
 気をつけてね〜            ▲ ノープロブレムよ
 陽が射してきた              ▲ 核心終了
 いつもニコニコ             ▲ 小同心の肩で
                           ▲ 横岳西壁を登ったあとに広がる開放的な山並みにうっとり

  【 3ピッチ目 】 15m V

 テラスから草付きを少し下がってから岩に取り付く。
 簡単な登リなので、本間さんにはグリップビレイにして、どんどんロープを出してもらった。
 ひと登りで小同心の頭に出た。
 頭のすぐ手前にボルト2本の支点があるが、低いのでビレイしにくかった。


3ピッチ目は、肩から小同心の頭までの簡単なピッチ。
緩いフェースと凹角気味の岩場を登る。
夏の終わり、秋の始まりみたいな青空が私たちを迎えてくれます。


『迎えてくれるのは青空だけじゃないよ。
横岳の山頂標識のところに飛び出すと、拍手喝采が待ってるんだよ。
カメラの集中砲火を浴びて、気持ちいいよ〜。』
・・・ と言って、身だしなみを整える本間さん。

まだ2ピッチ残ってるんだから、気を引き締めようぜ。
簡単なところで怪我するんだよ。

 小同心の頭までロープを伸ばす
 小同心の肩から登る二人            ▲ 小同心の頭でピース

そして小同心の頭です。
見慣れてる筈なのに、新鮮に映る景色に改めて見とれる。
この位置から横岳稜線の眺めは、広角アングルで感動的です。

奥の院からこちらを覗き込んでいますね。
すぐ上の稜線を登山者が歩いてるのも見えます。
横岳・硫黄岳の険しい稜線を行き交う人たち。

 しんがりの仲良し二人組も
 ごくろうさん     ▲ 終始リードのたっくんに敬意を表してパチリ
 ウラシマツツジ        ▲ 横岳山頂を前にマッタリ過ごす

  【 4ピッチ目 】 歩き コンテ

 小同心の頭から簡単な岩稜の歩きである。
 念のためロープは結んだままとし、コンテで歩いた。


小同心の頭から横岳主峰(奥の院)直下までは、お花咲くプロムナード。
ここに限らず、横岳周辺は高山植物の宝庫なんですよね。
でも今は寂しいですけど。

ポコポコ歩きですが狭いリッジ上なので、一応アンザイレンのままコンテで和やかに歩きます。

 お花を探してポコポコ
                   ▲ 小同心の右岩峰と左岩峰 (上から見てるので左右逆ですけど)
 イワヒゲ ▲ チシマギキョウ  コバノコゴメグサ

  【 5ピッチ目 】 40m V

 傾斜が急になり始めるところから、コンテからスタカットに切り替えた。
 ここでリードを本間さんに代わり、拓哉はノーロープで登った。
 出だしは階段上のリッジであり、下からの写真写りがいい。
 一旦傾斜が落ちてから広い斜面の登りとなる。
 どこでも登れる感じであるが、部分的には急な所もあるので注意が必要である。
 ピンも2,3本あるので、プロテクションを取って登ると安心である。
 横岳頂上の岩にハーケンが1本打ってあったので、クラックにエイリアン(緑)を入れて補強して支点とした。


 ノーロープで登るたっくん    ▲ たっくんに先を越されそうで、危うし主演男優
 横岳山頂から合図を送るたっくん          ▲ 最終ピッチ楽勝の予感
 開脚技炸裂            ▲ まねっこ超開脚
                      ▲ フォローが気になる様子のビレイヤー本間さん

最終ピッチは、特に歓迎を受けたい本間さんが志願してリードします。
青空を背景に登って行く本間さんカッコいい〜。
シャツと空の青がちょっとカブッてますけど、まあ許そうかね。

たっくんは本間さんの演出を踏みにじるようにノーロープで行っちゃいます。
可哀想すぎ。


 はらっぱの下においちゃん            ▲ これで全員山頂に
                     ▲ 登ってきた小同心左岩峰(左)と大同心(右)を見下ろす

山頂で恒例握手。
残念ながら、熱烈大歓迎してくれる筈のおばさん軍団はいなかった
演出家の本間さんもガックシ。

数人の登山者がいて、何処から登ってきたのですか?と驚いていた。
ルートのことを熱心に質問する静岡の若者もいた。

靴を脱いで、寛ぎのランチ大休憩。

 お疲れさま〜 ガルーダparty

八ヶ岳周辺は蓼科山から阿弥陀岳まで綺麗に見えますが、富士山はガスで見えません。

これから大同心に行かないかと誘われるも、八ツ稜線で途切れていたコースを繋げるため稜線歩きを選択します。
ごめんね、たっくん。

大同心を登るたっくん達とお別れです。
二人が大同心の草付バンドに下るのを確認してから奥の院を後にする。

お別れの挨拶をしたけれど、また会えるような気がするはらっぱでした。

 横岳山頂(奥の院)で

レポ作成に当たり、たっくんから提供された写真をたくさん使用しています。    この場を借りて、お礼申し上げます。


--- おまけ ---
 ■■ 概 要 ■■
 K2Cと本間さんの4人で、八ヶ岳・小同心クラックを登り、横岳に抜けることにした。
 天気予報はあまりパッとせず、ガスの中を登ることになるのかなと覚悟していたら、二日間とも快晴に恵まれ、快適なクライミングを楽しむことができた。

 初日は赤岳鉱泉に入るだけなので、朝ゆっくりめに家を出て、美濃戸山荘で昼食を食べてから歩き始めた。
 K2Cは前夜のうちに美濃戸に入り、赤岳鉱泉→行者小屋→阿弥陀岳→中岳→行者小屋→赤岳鉱泉と回ってきた。
 赤岳鉱泉に着いたのはほとんど同じ時間だった。

 赤岳鉱泉の夕食は相変わらず豪華で、今晩はスティックステーキと野菜の陶板焼きと豚汁であった。

 翌日は6時半に小屋を出発した。大同心基部に着いた時、ミキヤツパーティは小同心クラックの2ピッチ目を登り始めていた。
 大同心基部から小同心クラック取付きまでは踏み跡もあり、ロープを出すまでもなかった。

 小同心クラックはグレード的には初心者向きであり、核心部の2ピッチ目の垂直部分も特に難しくないが、登っていて楽しいルートであった。
 クラックを抜け、肩に飛び出すと朝日が眩しかった。

 小同心の頭から横岳の下まではコンテとし、最後の登りは本間さんのリードとして、拓哉はロープなしで登った。

 横岳頂上で昼食をとった後、横岳を縦走し地蔵尾根を下るというK2Cと別れ、硫黄岳との間のコルから大同心ルンゼに入り、大同心・雲稜ルートの
 最終ピッチの取付きに行った。先行パーティが登るのを待って、拓哉のリードで登った。
 傾斜がきつかったが、ホールドがはっきりしているので、見た目よりは登りやすい。
 大同心の頭から、今日登った小同心、横岳を眺めてから、懸垂下降で下りた。

 大同心稜を1時間ほどで下って赤岳鉱泉に着いたら、丁度K2Cも下りてきたところであった。
 昨日と言い、今日といい、なんという偶然なのであろうか。


▲▲ 大同心でトレーニングに励む二人  横須賀に帰る途中

横岳後半 (稜線歩き)へ