2013.08.04 (日)   K2Couple No.0424 

至仏山
尾瀬 しぶつさん(群馬県)
2,228m
深田百名山、花の百名山の名峰

コース最大標高差 : 820
コース累積標高差(+) : 915
コース累積標高差(−) : 915
コース沿面距離 : 12.5 km
行動時間 : 8'00"
* 距離と累積標高差は GARMIN GPS data です  キンコウカ咲く尾瀬ヶ原から至仏山へ
  3:35 = 藤岡IC/上信越道・関越道/沼田IC = 4:55 戸倉第1P 5:15 《乗合バス¥900 5:35 鳩待峠
 鳩待峠 5:40 ... 6:30 山ノ鼻 【L1】 6:45 ... 6:55 至仏登山口 ... 10:15 至仏山 ... 10:40 【L2】 11:05 ... 11:30 小至仏 ...
 12:10 オヤマ沢田代 ... 13:40 鳩待峠
 鳩待峠 13:55 《乗合バス》 14:15 戸倉第1P14:20 = 昭和 = 前橋 = 16:55

至仏山の場所
 この地図は、国土地理院発行の地形図を使用したものである (経緯度線は20秒間隔)


恒例になった孫達との山登りですから、今年も何処かに連れて行きたい。
ところが今週は、何処も天気がイマイチ怪しいですね。

で、おいちゃんが選んだのは昨年に引き続き尾瀬の山です。
昨年のアヤメ平は、富士見小屋に泊まってチンタラやりました。
【REPO】
それに比べて至仏山はちゃんとした山。

昨日土曜は夏休み勉強の特訓だったので、お泊りなしの日帰りです。
大丈夫かなあ。

 尾瀬の自然のようすを毎日紹介 by 尾瀬保護財団 

まだ暗い3時過ぎに寝ぼけ眼の子供を積んで、慌ただしく出発します。
だんだんと空が白み、雲がほんのり赤く染まりました。

戸倉の第一駐車場に着き、車から下りると子供達は寒い寒いと大騒ぎ。
寝起きで15℃は寒かったか、半ズボンだし。
合羽を着せて、乗合バスで鳩待峠に向いますね。
ハイシーズンが過ぎ鳩待口の交通規制は緩和されましたが、まだ週末金土日は車の乗り入れはできません。

お客が集まるのを待って、乗合バスでしゅっぱ〜つ!

 関越道
 沼田を過ぎてR120        ▲ AM5:40 早朝の鳩待峠はひっそり

朝の天気は晴れていて上々。
鳩待峠から尾根伝いに至仏ピストンのつもりでいましたが、
この様子なら山ノ鼻から周回できそうです。
何とか下山するまでもつことを祈って、山ノ鼻へ向いましょう。

この道沿いの花はほとんど終わっていて、寂しい道でした。
それでも花があると立ち止まるはらっぱは、常に置いてかれます (^^;
おいちゃんと二人の孫達は、構わず先行しています。
水芭蕉の葉っぱがでっかい。

 朝の日差しが木道に届く頃
サンカヨウの実 カニコウモリ ノリウツギ ミズギボウシ
コオニユリ オニシモツケ クガイソウ ヨツバヒヨドリ
ノアザミ マルバタケブキ カラマツソウ クマ避けの鐘

木々の開けた場所から、左上に至仏山が綺麗に見えます。
あの上は気持ちいいだろうな、と心が逸ります。
でも、鳩待峠から山ノ鼻に200mも下っちゃうんだよね。

山ノ鼻はカラフルなテントが並び、予想外の人・人・人。
車の中で を食べてきたのですが、早くもお腹が空いてきちゃいました。
研究見本園のベンチに腰掛けて、パン休憩で〜す。

 川上川の上に至仏山              ▲ 山ノ鼻に到着

尾瀬ヶ原方面は、朝霧が薄く漂っています。
山頂まで4時間かかるから、しっかり食べてよ〜。
へ〜い

研究見本園は平坦なので、余裕で気楽で。
おふざけを交えて花を愛でながら。
気持ちいいね〜

 尾瀬ヶ原/至仏山の分岐標識
                              ▲ 至仏山はで〜んとでっかい
マルバタケブキ ワレモコウ サワラン サワギキョウ(蕾)
トネアザミ キンコウカ タケシマラン(実) ジョウシュウオニアザミ

樹林帯に入った所に、登山届けboxがありました。
この道は13年前下ったことがありますが、今は登り専用になっています。
直登なので、思いっきり急な道ですよ。

昨日降った雨で、道が濡れていて滑り易くなっています。
階段状の道には、冷たい水が流れていますね。
子供達は、どんどん登って行っちゃいます。
とても付いて行けないので、余り離れないように注意するのが精一杯

 水が流れてるし              ▲ 早くおいでよ
                          ▲ すっかり霧の晴れた尾瀬ヶ原と燧ヶ岳

森林限界に近づくと、後方に開放感たっぷりの尾瀬ヶ原が広がっている。
燧ヶ岳がカッコいいね。

更に高度を上げると、燧ヶ岳の左に会津駒ヶ岳、景鶴山の左に平ヶ岳、中ノ岳や越後駒ヶ岳も見えてきました。
「ほらほらあの森の中に道見えるでしょ」
去年みんなで歩いたアヤメ平の道だよ。
知ってか知らずか 「僕たちあそこ歩いたんだよね〜♪」

 平ヶ岳 
 滑るから気をつけろ             ▲ タオル干したりして

森林限界を超えるまでは風もなく、汗びっしょり。
冷たい流水でタオルを濡らして、首に巻いたり頭を冷やしたりする。
ひゃ〜気持ちいい〜

至仏山は蛇紋岩の山なので、ちょっと濡れているだけでもよく滑る。
( だからこの道は登り専用になっているのです
それが子供には結構面白いらしい。
気を付けろ〜と言ってるおいちゃんが、ツルツルしたりしてますけど (^^;

 高いとこ好き     ▲ ニッコウキスゲ        オオバギボウシ
イワオトギリ シラネニンジン タカネシュロソウ ミヤマアキノキリンソウ
ミヤマホツツジ シブツアサツキ イワシモツケ タカネトウウチソウ カトウハコベ
ウメバチソウ ミネウスユキソウ ジョウシュウアズマギク ヨツバシオガマ ツリガネニンジン
ミヤマウイキョウ ミヤマコゴメグサ ヒメシャジン

岩の上をツルツルしながら登って行くと休憩ベンチ。
先行の人たちも休憩していて、着物姿のお姉さんがいました
着物で登ってる人がいるらしいって、みんなが話題にしていた方です。

みんなは遠巻きにしていますが、はらっぱは突撃独占取材。
話を伺うと、和服で日常を過ごしているので洋服は考えられないそうです。
それにしても和服で登るとは、言葉がありません。

 伊香保温泉じゃないんですけどね              ▲ 賑やかベンチ

やがて記憶に残っていた鎖場に着きまして、aoiと私は鎖を使わないで端っこの岩を伝って登ります。
おいちゃんとPURP君 は、面白がってゴボウで登ってました。

そしてまた、延々と階段登りです。
見上げるとまだまだ山頂は見えず、気も遠くなりますよ。

せめて両脇のお花畑に癒されて頑張りましょう。
夏の花は殆んど終って季節は秋になりつつありますが、さすが花の百名山、まだまだいっぱい咲いています。

 クサリ場
 若者組はどんどん行くし           ▲ 年寄り組はゆっくりです
 いろんなことをして楽しませてくれますね         ▲ 先に行っては待っているaoi君

周回コースは子供にはキツイかなと思ったけど、キツいのは年寄りだけ
心配をよそにガンガン登る子供のパワーは底無しですね。
PURP(小5)、BLUE(小3)。
気持ちさえ切れなければ、普通の山はOKという認識です。

和服のお姉さんと同じペースなので、ずっと一緒。
どうしても気になるので、お願いして一緒に写真に写ってスッキリしました。

 おじいちゃんの遺伝子もらったかな            ▲ 一緒に写ってスッキリ
 急登を終えたら山頂が見えた            ▲ シンガリがヘコヘコ登場
 お花畑          ▲ 泣いても笑っても最後やね
クロトウヒレン ミヤマダイモンジソウ ホソバツメグサ タカネナデシコ
タテヤマリンドウ イブキジャコウソウ イワイチョウ コバイケイソウ

もう少しで山頂という頃から雲が湧いてきて、景色が無くなり雨がポツポツ落ちてきました。
やっぱり来たか〜。
雨具の上だけ羽織って進みましょう。

幸い雨は小降り。
山頂に着いたのはいいが、想像を絶する人の数でしたよ。
何処から湧いてきたんじゃって感じですよ。

 さんちょう

座れる場所はなさそうだし、あっても落ち着かないよねこれじゃ。
山頂の写真を撮って小至仏に向いましょう。

おじいちゃんラーメンは?
ラーメンだけを楽しみに登ってきたaoi君にしてみれば当然な気持ちでしょうが、この状況を考えてよ (^^;

どっか他にいいとこ探して食べようぜ!
そうしよ そうしよ(^^

 まっ写真だけ撮ってこ

小至仏に続く道も歩きにくく、雨で滑るので数珠繋ぎになってました。
悪いことに、まだ登ってくる人が大勢いる時間帯です。

目に留まる花が気になりますが、ゆっくり写真を撮る時間をもらえません。
ちゃかちゃかって撮ってみても、結果はボケボケ

とにかく滑る岩場なので大人は腰が引けていますが、子供は滑る岩を怖がらず楽しんでいるように見える。
身のこなし身軽さにおいては、子供は天才。

 下りは自然渋滞
 至仏の山頂付近はイワイワ            ▲ 雨は止みそうにないし

小至仏山とのコルの辺りで、絶好の岩陰を見つけて速攻ランチ休憩。
私は、雨が小降りの内に少しでも下った方がいいとも思ったのですが ・・・
aoi 君がラーメン・ラーメンと言い続けていたので、おいちゃんが負けた?

お湯を沸かして、カップラーメン破ってじっと待つ。
落ち着かなかったけど、待望のラーメンを食べてめでたしめでたし。
これで思い残すことはないでしょう (^^

 おばあちゃん♪ラーメンは?             ▲ ついにラーメンタイム             ▲ ホソバヒナウスユキソウ
 ラーメン食ったし          ▲ 小至仏を越えて、ばんざ〜い

小至仏の下りも、気の抜けない道が続きます。
笠ヶ岳との分岐に着き、ひとまず危ない岩場は終ったという認識です。

ここからは木の階段を下ったり、木道をポコポコして行きます。
が、この木道も曲者、油断するとツルッと足をすくわれる。
子供たちは、スケートのように滑って信じられない下り方をします。
怖いもの知らずの子供に向かって、怒っても無駄だし。
私達は長い人生を通して、怖いものを知り過ぎました (^^;

 広い階段を下ったり           ▲ バイケイソウのポコポコ道
キジムシロ コバイケイソウ ウラジロヨウラク 着物のお姉さんの髪飾り
ベニバナサラサドウダン ハクサンシャクナゲ タカネニガナ タカネバラ
ウサギギク ハクサンイチゲ ハクサンフウロ アカモノ(イワハゼ) ハクサンチドリ

オヤマ沢田代には、まだ夏の花が残っていました。

オヤマ沢の標識(至仏山1.6K← →2.9K鳩待峠)通過。

尾根の重なりの遠くには、尾瀬ヶ原が霧に霞んで見えていました。
決まり文句は 「げんそ〜てき〜」 fantastic Oze!

 オゼソウ
 オヤマ沢田代              ▲ オヤマ沢源頭
チングルマ ギンリョウソウ ゴゼンタチバナ アヤメ
ミヤマキンポウゲ マイヅルソウ シナノキンバイ

トカゲ岩の上で小休止。
雨降りなので、トカゲにはなれませんけどね (^^;

この頃から、雨は本気を出してきました。
私達も本気?で下りましょう。
樹林帯に入りました。
山頂手前からウンチ騒ぎのBLUE君が、我慢できないと騒ぐ
どうにも仕方ないので笹薮に潜らせたら、やっぱり出ないという。
さすがに藪の中では、出るものも引っ込んじゃったんだろね

 気持ちの良い緑の空気
 気持ちの良い雨降り            ▲ 最後まで元気いっぱい

鳩待峠まであと2km。
鳩待峠まであと1kmの標識をダッシュで通過

ガンガン下って、大勢の人やバスで賑わう峠に帰ってきました。
まずはトイレを済まして、汚れた靴を洗って綺麗にしますね。

そして子供たちが楽しみにしていた花豆ソフトを買って。
切符を買ったら呼ばれて、速攻乗合バスに乗り込みます。
人数が揃ったら出発するシステムですよ。

 鳩待峠に戻った
                                    ▲ 雨の鳩待峠

戸倉の駐車場に戻ったら、雨は止んでいました。
雨は山の上だけで、片品村は晴れています。

途中の直売店で野菜を買って帰る。
沼田ICから前橋ICまで渋滞の表示が出ていたので、一般道で帰りますね。

雨の中ツルツル滑る岩道を、子供たちはよく歩いたと感心しました。
体力的には私たちと互角かな、瞬発力は上回っている。
一年毎に逞しくなる子供達が頼もしい。
孫に負われて懐かしの尾瀬 ・・・ 現実味を帯びてきた

 いい天気やね(戸倉駐車場)


 至仏山は深田百名山で、田中澄江氏の花の百名山でもある。
 花のハイシーズンは過ぎていましたが、他にも沢山の花や実を見ることができました。
    ヤマブキショウマ、トチバニンジン(実)、ユキザサ(実)、アカツル、キンミズヒキ、ウド、ネジバナ、クルマユリ、
    コメツツジ、ワタスゲ、オンタデ、タカネシオガマ、チングルマの穂、ネバリノギラン、ウラジロナナカマド、
    ズダヤクシュ(実)、ナギナタコウジュ、ヤマキツネノボタン、イワショウブ、ツクバネソウ など。