2013.04.29 (月)   K2Couple No.0407 

高千穂峰(霧島山)
たかちほのみね(宮崎県・鹿児島県)
1,573m
天孫降臨神話の山に咲くミヤマキリシマ

コース最大標高差 : 610
コース累積標高差(+) : 665
コース累積標高差(−) : 665
コース沿面距離 : 6.0 km
行動時間 : 3'15"
* 距離と累積標高差は GARMIN GPS data です  噴火口壁に咲くミヤマキリシマとご対面

  4:45 = 藤岡IC/上信越道・長野道・中央道・名神高速 10:00 伊吹PA 【L1】 10:45 名神高速・阪神高速/南港中IC =

 13:10 南港かもめFT 【L2】 17:00 《フェリーさんふらわあ》

 《さんふらわあ》 鹿児島志布志港 9:05 = 11:00 高千穂河原P

 高千穂河原P11:20 ... 12:00 御鉢 ... 12:50 コル ... 13:25 高千穂峰 【L】 13:45 ... 14:35 霧島神宮の森散策路 ... 15:10 高千穂河原P

 高千穂河原15:30 = 15:45 霧島神宮 16:10 = 16:40 皇子原温泉健康村 17:25 = 高原IC/宮崎道/宮崎IC =

 18:40 日南青島 19:10 鬼扇 【海鮮DNR】 19:40 = 19:45 道の駅フェニックス 【車中泊】


  高千穂峰の場所
 この地図は、国土地理院発行の地形図を使用したものである (経緯度線は20秒間隔)

皇子原温泉健康村 (¥300)


 天孫降臨は神話的伝説であろうが、その伝説にふさわしい秀麗な山容を、高千穂峰は持っている。
 この峰を最も美しく眺め得るのは、霧島山群中の一峰大幡山であろうか。
 そこからは南へ真正面に高千穂を望むが、その主峰が、左に二ツ石、右に御鉢、の二峰を従えて、左右相称の形でスックとそびえ立った姿は
 まことに神々しく品格がある。
 殊に霧島の他の峰々は大てい潅木に覆われているのに、高千穂峰だけは一本も着けず、黒々とした肌であるのも美しい。
 霧島山全体を含む約二万町歩が国立公園に指定されたのは昭和九年だというから、国立公園として最も古いうちに属する。
 (中略)
 朝から風のある快晴で、しかも空気の澄んだ十二月中旬であったから、頂上からの展望はすばらしかった。
 霧島山群は言うまでもなく、遠く桜島山、開聞岳、野間岳等が見え、錦江湾の彼方遥かに海上に浮かんでいたのは、竹島か硫黄島であったろ
 うか。
 天の逆鉾を保護するコンクリートの堂が出来ていてその堂から少し下った所に、山番人の小屋があった。
 私は天孫降臨の聖峰に一人立って、いにしえの襲の国を一望に収め、皇祖発祥のあとを憶って去るに忍びないものがあった。


                                   深田久弥『日本百名山』より抜粋


今年のGWは、一昨年の遠征で果たせなかった南九州です。
平成23年1月に新燃岳が噴火したため霧島山は登山規制されていたが、去年7月に高千穂峰や韓国岳には入れるようになった。

鹿児島はちょっと遠いので、今回はフェリーを利用することにします。

今年も山桜や山藤、花桃などが沿道に咲く華やかなドライブです。
松本に近づくと真っ白な常念岳が感動的で、堪らず梓川SAで展望休憩。
中央道では南アルプスや中央アルプスの白き嶺を眺める。

名神高速からは、いつもの伊吹山です。

 常念山脈

阪神高速には、名神瀬田東JCTから京滋バイパス、第二京阪、近畿道経由で入るつもりらしかったが、ナビの指図通り名神豊中ICから入る。
吹田JCTまではいつもの道なので気楽ですが、阪神高速はややこしい。
ナビを頼りに訳わからないまま走ったら、南港かもめ埠頭に着いた。

連休の渋滞が心配だったので、2時間ほど余裕を見て家を出たのだ。
ところが渋滞も殆どなく、結果早く着きすぎた (^^;

2時間近く待って乗船受付の開始。
インターネット予約してたので簡単手続き、書類提出、決済のみ。
先頭から2番目に乗船しました。

 阪神高速のどっか
 南港に係留中の「さんふらわあ」が見えた            ▲ でっかい 12千総トン

定刻にドラが鳴り、色とりどりの紙テープを投げて出港。
 ※ 紙テープ投げは週末限定のサービスイベント
暫くの間デッキに佇み、潮風を感じながら港の景色を楽しみますね。
 
船旅はいいもんだ。

志布志行きは、瀬戸内海航路じゃなく太平洋航路。
大阪-広島の瀬戸内海航路は、かつて何度か乗ったことがあるよ。

 見送りのいない虚しい紙テープ            ▲ 潮風が気持ちよくて
 おじゃったよ〜          ▲ 最低クラスのツーリストだし

客室は、もちろんリーズナブルなツーリストクラス。
レストランで夕食をして、満腹を抱えて沈む夕陽を眺めた。

☆フェリーさんふらわあ
   「さつま」  12.415総トン 全長186m 幅25.5m。 
   「きりしま」 12,418総トン   同上    同上。

 そびえる機関煙突          ▲ こんなに食べれるかな (♀)
 こちらは老人食 (♂)          ▲ いよいよ九州へ行くんだよぉ


  太平洋上で一夜明けて、翌29日 ・・・


分厚い雲に遮られて、お日様は顔を出さない。
頭上には半月。

志布志入港が9時頃なので九州初日は観光の予定だったのだが、どうも明日が雨みたいなので緊急作戦会議。
取り敢えず霧島山に行って、今日のうちにいっこ登ろう。

 お月様♪ おはようさん           ▲ 計画を練り直す作戦参謀

霧島神宮の鳥居に着き、右に行けば高千穂峰。
左に曲がれば韓国岳だよ。

どっちが近いのかな?
右。
じゃ高千穂峰にしよう。
薄っぺらな作戦だけど、決断は素早いK2隊の本領発揮。

 霧島神宮鳥居はスルー

高千穂河原の駐車場には、もう下山してきた人がいました。
時間からして当然といえば当然。

これから登る山が目の前に聳えています。
でも、見えているのは御鉢で、高千穂峰本峰は陰に隠れてるんですね。

鳥居の前は、ツツジが満開です。

 高千穂河原
 華やか〜               ▲ 鳥居と矢岳

まずは石段から鳥居を潜って、古宮址に向かいます。
ここからは霧島神宮の森自然研究路を辿り、途中から登山道へ。
この辺りは木々の下を歩きますが、道はジャリジャリザラザラですよ。

道端にはミヤマキリシマが可愛く咲いていますね。

 唯一の分岐
 ジャリジャリ              ▲ ミヤマキリシマ
キランソウ ウリハダカエデ タチツボスミレ ニョイスミレ

ちょっと登ると、様相は一変。
大斜面の取り付きになるのですが ・・・ 細かい火山礫の積もった斜面なので一歩進む度にズズッ、ズズッっと足がずり下がります。
正に砂利の堆積した砂山です。

それでもおいちゃんは、岩を伝ってスイスイ登って行きますよ
はらっぱは滑らない岩を探しながらヨレヨレ、どんどん遅れてしまいます。

 あんた調子いいね              ▲ そりゃ山男だし

時々後ろを振り返り、展望を楽しみながら登りますね。
少し霞んでいるものの、韓国岳のシルエットはチャンと見えます。

上から山ガール達が「石スキーだ〜」とか言いながら、楽しそうに下りてきました。
おいおい、下りダッシュはいいけど砂埃がひどいぜよ。
マスク持ってないし (^^;

 遠くは韓国岳かな
 下山者と矢岳            ▲ 砂地のミヤマキリシマ
                                     ▲ 御鉢の外縁までもう少し

やっと御鉢の淵まで登ると、噴火口の斜面に低木の可愛いミヤマキリシマが群生していて嬉しくなります。
まだ咲き始めで少しだけど、咲いてて良かった〜
そして、高千穂峰の山頂が見えましたよ。

 第一関門突破          ▲ もう山頂かい♪ ちょろいな
                                    ▲ 御鉢を飾るミヤマキリシマさん
 まだあったのか〜              ▲ 付いてけねっ

おいちゃんは御鉢が山頂だと思って登っていたらしく、本当の山頂を仰いでガックシ戦意喪失。

御鉢の淵、馬の背をポコポコ歩いて、霧島元宮のコルまで少し下り、またまたザレた斜面を登りますよ。

「俺はここで待ってるし」 とか戯言を言い出すおいちゃん
はるばる九州まで来たんだろ
無視してどんどん登り始めたら、トロトロ付いてきてた(^^

 コルで一服

次々と下山して来る人が、「ここが一番きついところだよ」「あと少しだから頑張って〜」 とかエールを送ってくれます。
皆が同じ思いをして登ってるのね、私も頑張ろっ ・・・

さっきの御鉢までは2歩登って1歩ずり落ちてたけど、高千穂峰の登りは3歩登って2歩ずり落ちる感じだ。
天照皇神のお孫さんがこの地に降り立った衝撃で、こんなザレ山になっちゃったんだろうか。

 もう少しだよ
                                      ▲ ヘコヘコおじさん

ついに神話の頂きに到着。
広くて開放的です。

龍馬君 がおりょうさん と眺めたであろう景色を堪能します。
幕末期の青年が憂国の情に駆られて、日本国を洗濯しようと走り廻った束の間の安らぎをこの地に求めたのだろう。

 天逆鉾         ▲ 天孫降臨神話の地で記念写真
 方位盤で確認         ▲ 山頂に咲いていたツルキジムシロ

おいちゃんも、龍馬君にあやかって写真を一枚。

龍馬君は天保6年11月15日生まれ(旧暦ですけど)なので、おいちゃんと誕生日が一緒
おいちゃんより110歳年上ですね。

脱藩するところまでは同じ経歴ですけど (^^;
おいちゃんは戦後の復興期に生きたので、全然憂国の志が芽生えなかったって訳でして

 龍馬君にあやかって

簡単なランチをしたのち、下りは雪山の要領で速い速い
砂埃も凄い凄い。
ゲホゲホッ。

風が出てきて、飛ばされながら駆け下りますね。
そして御鉢まで下りて、またまた花の写真の撮りまくり大会突入。

 ダッシュ
 ここはスピードダウンですね             ▲ 撮りまくってるし
                 ▲ 蕾もいっぱい付いているので、これから斜面がピンク一色に染まるよね
                        ▲ 咲き誇るミヤマキリシマを瞼に浮かべて
                                  砂場下り

分岐から自然研究路を周回して帰ることにします。
東屋があり、ベンチもあちこちに設えてあって素晴らしい道です。

お弁当を持って、お花見に大勢の方が訪れることでしょうね。
その光景が目に浮かびますよ。
ちょっと埃っぽいのかも (^^;

                    ▲ あたり一面にツツジが乱れ咲く道になるでしょう

駐車場から振り返って見れば、御鉢の間にチョコンと山頂が見えている。
どこどこ。
あっほんとだ。

ザレザレの登りにくい山だったけど、個性的な良い山だった。
神が舞い降りた神聖な山らしく、神話に相応しいと思えてきた。

 高千穂河原モニュメント
                   ▲ 駐車場から御鉢の上にちょこっと高千穂峰が頭を出していた
                         ▲ 高千穂河原の紅白キリシマツツジ

下山後、霧島神宮をお参りしますね。
由緒ある神社なのだ。

火山の麓に建っているので、何度も何度も被災し炎上してるとか。
逞しい神様でもあります。

 霧島神宮参拝の列           ▲ 荘厳な空気に満ちている

青島の道の駅で車中泊の予定です。
中2の修学旅行以来なので、約半世紀ぶりです (^^

美味しそうな食事処が見つからず、お土産屋のおばちゃんに教えてもらった「鬼扇」に駐車し、食事の前に青島散策しますね。
あまり変わっていないような変わったような ・・・
記憶が曖昧です。

 日南海岸独特の雰囲気        ▲ 青島に続くお土産屋さんの路地
 弥生橋を渡って青島へ              ▲ 鬼の洗濯岩
 青島神社に参拝                ▲ 鳥居
ハマヒルガオ コナスビ トベラ

そして「鬼扇」で夕食、とっても美味しかったです。
海鮮丼(♂)まぐろ丼(♀)プリップリ。

巨人軍の宮崎キャンプの宿舎が近くにあるので。
巨人軍御用達のお店らしく、壁に写真や色紙が飾られていました。
私はアンチ巨人ですけど、原辰徳君 とは誕生日が一緒。
だから、ちょっとだけ好き

 海鮮料理 「鬼扇」     ▲ 原監督の写真パネルと巨人軍サイン色紙


 食事のあと、道の駅フェニックスに移動して車中泊します。
 着いた時は満天の星、北斗七星やお月様も輝いていましたが、明日の予報は雨です