2012.08.17 (金)  K2Couple No.0376 

鳳凰三山
ほうおうさんざん(山梨県)
2,840m

 薬師岳 .2780m 観音岳 2840m 地蔵岳 2764m

展望の縦走路、ドンドコ沢って嫌い 

1日目 2日目
コース最大標高差 : 1,760
コース累積標高差(+) : 1,755 605
コース累積標高差(−) : 125 2,235
コース沿面距離 : 9.1 km 11.2 km
行動時間 : 8'30" 8'40"

* 距離と累積標高差は GARMIN GPS data です

 地蔵岳オベリスク
 薬師岳小屋 4:40 ... 4:50 薬師岳 5:25 ... 5:35 薬師岳小屋 6:15 ... 6:25 薬師岳 ... 6:50 観音岳 7:00 ... 7:35 鳳凰小屋分岐 ...
 8:35 赤抜沢ノ頭 ... 8:40 賽ノ河原 8:45 ... 9:00 地蔵岳 ... 9:10 賽ノ河原 ... 9:50 鳳凰小屋 【L1】 10:00 ... 10:45 五色ノ滝 【L2】 11:10 ...
 11:30 白糸ノ滝 【L3】 11:45 ... 13:15 南精進ヶ滝 ... 14:10 ドンドコ沢分岐 14:20 ... 14:55 青木鉱泉p 【風呂】
 青木鉱泉P16:05 = 韮崎 = 佐久南IC/中部横断道・上信越道/藤岡IC = 20:15


 この地図は、国土地理院発行の地形図を使用したものである (経緯度線は20秒間隔)


鳳凰三山の場所

薬師岳小屋 (¥8,000)   青木鉱泉 (¥1,000)

4時半を廻る頃、ご来光を拝むためにゴソゴソ起き出します。
誰しも気持ちは一緒。
それぞれが砂払岳や薬師岳に登って行きますね(^^

私達は、巨岩折り重なる薬師岳に向かいます。
奥秩父の山に雲が掛っているので、中々お日様が出てきません。

長いこと待ってやっと昇ってきたよ。

 日の出の瞬間を待つ
 雲が染まって             北峰ピークで待つ人

観音岳とのコルをガスが流れ落ちている。

北岳が、ほんのりですが目覚め始めましたよ。
白峰三山(北岳・間ノ岳・農鳥岳)から荒川、悪沢岳が朝を迎える。
TUWV3年の夏合宿で、あの稜線を辿って以来45年。
懐かしさが込み上げてくる。

 北上する縦走路
                                    ▲ 峰を連ねる南アの雄
                           ▲ ご存知南アの女王、仙丈ヶ岳

さっきまでガスで隠れていた富士山も、美しい姿を見せています。
素晴らしい朝です。

朝日がゆっくりと北岳の山裾を下って、砂礫で健気に生きるタカネビランジに届くのに時間はかからない。
束の間のモーニングショーを楽しみましょう。

 秀嶺富士               ▲ 高嶺の花

夕食と同じく朝食も5時半からですが、私達は一番最後になっちゃった(^^;
時間を忘れて、夜明けの景色を楽しんでたからさ。
きょうの甲府・韮崎の天気予報は曇。
ここは雲の上でした。

朝食は魚の甘露煮、あさりの佃煮、こんぶ、きゃら蕗、ワカメの味噌汁、オレンジなどでした。
きょうの予定は、薬師、観音、地蔵を廻ってドンドコ沢を下りますね。

 お世話になりました
 長い影               ▲ 眩しい〜

野呂川を隔てた南アの峰を左に見ながら、稜線を行きます。
みんな綺麗に姿を見せてくれて、好天に感謝。
ただ右側はガスで何も見えなくなっちゃったけどね (^^;

この稜線は、行けども行けどもタカネビランジが途切れることなく咲いて。
タカネビランジのピンクと岩との調和が素晴らしい。
そして所々に違った花がアクセントに咲いてて飽きませんね。

 ハイマツの稜線を行く            どこから栄養取るんだろね
 花崗岩のザレに咲き乱れる             ▲ 咲き終わった人
 シロバナタカネビランジ             ▲ 静かすぎる稜線

薬師岳から地蔵岳までの稜線は、花崗岩が風化した白砂の道が続く。
岩陰に咲くタカネビランジの花が絶妙に調和し、その背景は南アの山々。
自然が創り上げた美しくも単調な、日本庭園にも通じる趣きです。

前線の影響なのかしら、雲やガスが忙しそうに流れている。
そんなに急いで何処行くんだ〜。
と言っても余り風は感じない。

 タカネビランジ             ▲ 花崗岩のザレを行く

観音岳は鳳凰三山の中央に鎮座し、鳳凰山系の最高峰です。
薬師岳は広かったが、観音岳は大きな岩を積み重ねた狭い山頂です。

静かな山頂で深呼吸。
美味し〜い。

お父さんと幼い女の子の写真を撮ってあげる。
この二人とは、地蔵岳まで前後して歩くことになる。

 観音岳直下              ▲ 山頂で〜す
 北岳さんとツーショット             ▲ 地蔵岳はガスの中

地蔵岳にはガスが張り付いていて、見えたり隠れたり ・・・
まだ遠いので小さく見えます。

はらっぱの念力でガスを吹き飛ばしましょう。
コンデジの望遠で思いっきりズームしてみますね。
ありゃりゃ、鳳凰小屋に下るジグザグ道が急過ぎますやん

 地蔵岳        ▲ そんなに恥ずかしがらなくたって
タイツリオウギ ダイモンジソウ ヨツバシオガマ カイタカラコウ
ハクサンシャクナゲ タカネヒゴタイ キオン ヤマハハコ
イワインチン ミネウスユキソウ ホウオウシャジン タカネビランジ

観音岳のイワイワを下ると赤抜沢ノ頭とのコル、鳳凰小屋に通じるショートカットルートの分岐で風の通り道です。

数人の登山者が休憩してました。
スルー。

 観音岳を下るおいちゃん             ▲ 同じくはらっぱ
                            ▲ 赤抜沢ノ頭と地蔵岳、左は高嶺

コル分岐から赤抜沢ノ頭までは、僅か50mの登りです。
きょうは楽チンな行程ですよ。

物足りないなあなんちゃって(^^; この時はね


 イワツメクサ            ▲ 鳳凰小屋への分岐
                          赤抜沢ノ頭のタカネビランジと北岳

露岩帯をガンガン進んで赤抜沢ノ頭まで来ると、さすがに地蔵岳のオベリスクが大きく見えますね。
下って賽の河原に出ました。

賽の河原ですから、一見殺伐とした感じが漂っています。
子宝を願うお地蔵様が雑然と並び、遭難者の慰霊碑もありました。

 地蔵岳オベリスク (地蔵仏)               ▲ 賽の河原
 ここにザックをデポして            ▲ 紅白でお祝いやん

   
オベリスク ( obelisk )
       オベリスクは、古代エジプト(特に新王国時代)期に製作され、神殿などに立てられた記念碑(モニュメント)の一種。
       その多くは花崗岩で作られた。
       近代および現代においては、エジプトに拠らず欧米の主要都市の中央広場などにも建設され、その地域を象徴する記念碑である。
       ほとんどは四角形の断面をもち、上方に向かって徐々に狭まった、高く長い直立の石柱である。

                                                                    Wikipedia より抜粋

オベリスクはガスったり隠れたりしていましたが、私達が着いた時はすっきりガスが取れて一番綺麗な姿を現してくれました。

てっぺんまで登れっこないので、途中までですよ。
遠くから見ると小さい尖んがりだったのに、近づくと何と大きいこと。
岩塔の高さ26mって、どこから計ったんじゃ?

 ピースですよん             ▲ オベリスクを下る

賽の河原からは砂地の斜面を下って行きます。
何だか雪渓を下っているのと同じ感覚です。
ザクッザクッって小気味よい下り。

登ってくる方がいましたが、足をとられて大変みたい。
これも逆コースにした理由のひとつですよ。

振り返ると、ガスのオベリスク。

 またガスってる
ミヤマシャジン モミジカラマツ オニシモツケ ヒメシャジン ヤナギラン

鳳凰小屋に下って、早速冷たい水でクールダウン。
薬師岳小屋は水場がないので(沸騰させた天水ペットボトル¥300)、苦労して担ぎ上げた水がまだ余っていた。
冷たい水に入れ替えて、簡単なランチ。

色んな花が咲いてて、心和む庭でした。
ヤナギランはまだほとんど蕾、ほんの少しだけ申し訳程度に咲いていた。

 鳳凰小屋と携帯中のご主人

小屋のご主人は『御座石コースが楽ですよ』と皆さんに勧めています。
レンゲショウマも咲いてるよって。

そんなこと急に言われても、みんな計画的に行動してる訳だし。
私達は滝も見たいので、ドンドコ沢コースを下ることにしてるんだもんね。

ドンドコ沢に突撃〜。
最初の内は歩き易かったのですが、滝の音が聞こえてくる頃から段々と急下りになり、噂通り悪路の連続ですよ。

 鳳凰小屋で分岐する

五色ノ滝で休憩して、滝見に下りましょう。
水量は少なかったですが、落差も大きく見応えのある滝ですね。

目安となる次の滝をめざします。
沢沿いの崖っぷちを下る箇所もあるので、つまずき=谷底転落です。

ボチボチと登って来る人とすれ違うような時間帯になりました。
私は下りでヨレヨレなのに、みんなよく登れるな〜と感心しまくりです。

 五色ノ滝              ▲ 五色ノ滝入り口                   メタカラコウ
カニコウモリ シモツケソウ レイジンソウ コキンレイカ コバノイチヤクソウ
タマガワホトトギス ミソガワソウ オクモミジハグマ センジュガンピ シナノナデシコ

白糸ノ滝までは思ったより早く着いた。
しかしこのあとがハンパなく長かったわ。
何処まで下るんじゃ ・・・

遠雷が轟く
もう鳳凰ノ滝も南精進ヶ滝も、どうでも良くなってきたよ。
好きにしてくれ〜。

 白糸ノ滝でふてる             ▲ 白糸ノ滝入り口

雨が心配ですが、急いで下れるような道じゃないのよ。
と思うそばからポツポツッと来たじゃありませんか。
シャツはすでに汗で濡れているので、構わずそのまま下りますよ。

雨はそれほど強くならず、程なく降ったり止んだりの小雨に。
土砂降りのドンドコ沢下りも面白いかも。
(ついに切れる)

 ヒザ痛いし             ▲ アップダウン多いし

まだかい ・・・ 急下りが終わったら長い長いトラバースにアップダウン
沢沿いコースの宿命、支流を渡る度にイチイチ下っては登る。
はらっぱの足はもう疲労限界突破よ。

そんな時、諦めかけてたレンゲショウマが咲いてたの
花に励まされて、そのあとはバンバン下りました。
って言うのは嘘でして。
やっぱり足はヨレヨレのまま。

ドンドコ下れないドンドコ沢と知りました。

 レンゲショウマ
 可愛らしいレンゲショウマ              ▲ カップル咲き

ドンドコ沢沿道と山側迂回路の分岐に着いたら、薬師小屋に同宿したTさんが休憩していました。
東京からの父娘二人旅の仲良しさんです。
青木鉱泉での再会を約束して、先に下ることにします。

山の季節は移ろい、ススキが穂を揺らして秋の気配が漂っている。

 やる気しね〜           沢沿い道分岐で最後の一本
 登山道が崖崩れのため対岸に迂回する            ▲ 青木鉱泉に戻りました

頑張って青木鉱泉に着きました。
ちょうど3時のバスが出るところです。
車で普段着に着替えて、お風呂から出るとさっぱりして気持ちいいな。

バス待ちのTさんを韮崎の駅まで送って、清里に向かいますね。
清里辺りでは弱い雨だったのに、だんだん本降りになり稲妻が走る。
高速は雷雨のため50キロ規制され、渋滞にも嵌ってエッチラオッチラ。
きょうの群馬は38℃と暑かったようですが、雨のおかげで涼しく眠れそう(^^

今振り返ってみれば、いい山だったな〜。
でもドンドコ沢の悪路は二度と下りたくないし、登ることもないだろう。

 Tさん親子♪と青木鉱泉でさっぱりしてピース

 
                                                                                             GARMIN GPS course data

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