2012.06.23〜24 (土日)   K2Couple No.0368 

硫黄岳 横岳
いおうだけ よこだけ(長野県)
2,829m
   根石岳2603m 硫黄岳 2760m 横岳 2829m
梅雨の晴れ間に展望の縦走路

コース最大標高差 : 950
コース累積標高差(+) : 1,510
コース累積標高差(−) : 1,510
コース沿面距離 : 18.4 km
行動時間 : 15'00"
* 距離と累積標高差は 2日間のGARMIN GPS data です  横岳奥の院は満員御礼

 硫黄岳山荘 4:00 ... 4:20 台座の頭 4:35 ... 4:55 硫黄岳山荘 5:30 ... 5:55 台座の頭 6:00 ... 6:30 横岳奥の院 6:45 ...

 三叉峰まで散策 ... 8:15 奥の院 8:50 ... 9:40 硫黄岳山荘 9:50 ... 10:15 硫黄岳 10:20 ... 11:00 夏沢峠 【L】 11:15 ...

 11:45 オーレン小屋 ... 12:25 夏沢鉱泉 13:10 ... 13:40 桜平登山口P

 桜平P13:50 = 大門街道 = 佐久IC/上信越道/藤岡IC = 16:35


横岳の場所

硫黄岳山荘 (¥8,900)  夏沢鉱泉 (¥650)

朝2時頃から目が冴えて眠れず、時間が経つのを静かに待ちます。
せっかくの小屋泊まりなので、ご来光は見逃せない。
もちろん小屋前からも拝めますが、朝焼けの富士山が見たい。

近くのピーク・台座の頭に登る予定にしています。
3時半頃になって二人で外に出たら、台座の頭にはガスがかかっている。
何気に出鼻を挫かれてしまいました。

ぐずぐず4時近くなったらガスが取れてきたので、それ〜っと出発。
何とか20分で登り、神々しい日の出に間に合いましたよ。

 硫黄岳のガスも取れてきたし
 日本の夜明け、八ツの朝焼け           ▲ 同志はカメラマン三人のみ

富士山や中央アルプス、御嶽山も槍・穂高も後立山連峰もみんな一緒に朝を迎えて綺麗に見えています。( 残念ながら写真はダメだったけど )
感動のMt.Fuji ・・・ 薄紅色に染まって、これぞ霊峰の貫禄です。

しかし寒いぞ〜、標高三千に近い天然クーラーです。
はらっぱはシャツの上にダウンとカッパを着て、手袋は忘れた。
おいちゃんは、持ってきたものを全部着てた。

 柔らかい感じの富士山だよ        ▲ 杣添尾根の上にポチっと富士山です

急いで小屋に戻りますね
途中のガラ場で、はらっぱは前のめりにこけちゃったのよ
痛い両膝にサビオを貼って、湿布もしとこ。
何も急いで下る必要もなかったのに、世の中こんなもんだよね。

キバナシャクナゲが凛として、冷気に美しく咲いています。
誰もいない登山道を、清々しさに身を任せて小屋までゆっくり下る。
ヒザ痛て〜。

 キバナシャクナゲと硫黄岳

今朝の硫黄岳山荘の気温は7℃。
ちなみに、根石岳山荘は6℃だったらしい。
( 夏沢鉱泉に掲示してあったし )
台座の頭は少し風もあり、体感温度はもう少し低かったかもしれません。

 植物群落保護林 (小屋の前)   ▲ 夏沢鉱泉の看板 (帰りに)

朝食(納豆・のり・卵焼き・ニシンの甘露煮など)も美味しくいただき、横岳へ花散歩に出かけます。

ザックは山荘に預けて、サブザックに飲み物とおやつを入れてね。
暖かい日になりそうなので、防寒着を持たなかったのが失敗の巻。

 オヤマノエンドウと硫黄岳

きょう二度目の台座の頭をめざしますね。
今度は充分明るいし、転ぶことはないと思いますけど。

富士山も北アルプスも、まだ綺麗に見えていましたよ。
乗鞍岳や槍穂高に日が当たって、一際白く輝いています。
あっちからこっちを見てる人が居るんだろうか?
いるよね、きっと。

台座の頭で展望を満喫して、横岳奥の院へ。

 乗鞍岳
                           ▲ 赤岩ノ頭の真上に槍・穂高連峰です
 折り重なる山々          ▲ 朝と違ってクール富士です
 大同心に下ろうとしたら、おばさまに注意された
「 花の山だから、登山道以外を歩かないでください 」
            ▲ お花畑と阿弥陀

横岳へのクサリ場は渋滞しています。
そんなに難しい岩場ではありませんが、最近は確保され癖がついているので、フリーでは何となくス〜ス〜して心もとない気分です。

行き来する人が交錯するので、なおさら気味が悪いですよ。
クサリに頼らず、岩をガッチリ掴んで乗り切りましょう。
ぎゃ〜ぎゃ〜怖がる女の子が一人。
それはそれで、可愛くもあります。

 稜線をクロスする場所 (カニのヨコバイ)       ▲ ここは譲り合って (カニのタテバイ)

垂直の梯子をクリアーしたら、最後はトラバース気味のクサリ場を渡って山頂に着きます。
おう〜!人だらけじゃん

去年登った小同心を懐かしく覗き込んでみます。【REPO】
上から見ると迫力ある岩場ですね。

あれが今日だったら、ギャラリーが大勢いるのでMHさん喜んだろうな。
みんなが休んでいる山頂に、ひょっこり飛び出すのは気分いいよね〜。
腰にいっぱいガチャ付けて何気にカッコいいし。

 男性はダイナミックに登る
                          横岳奥の院から台座の頭と硫黄岳
         ▲ 小同心を覗いてみたりして、ウロウロ落ち着かないはらっぱ (赤岳・阿弥陀岳の間に南アbig3)

実はきょう、そんな光景が見られるんです。
たっくんが奥様のオギャ〜さん と小同心クラックを登って、ここにひょっこり飛び出してくることになってるんですよ。
久しぶりのパートナー で、張り切ってるだろうな(^^

この山頂で「お疲れさま〜」 をする段取りになっているようです。
暫く下の様子を伺いますが、誰も見えませんね。
まだ7時前だ。

時間つぶしにと言うか、本来の目的お花見に縦走路を散策して来よう。
時々上がってくるガスの中は寒い。

 三叉峰にかぶって富士山
 チシマノアマナ              ▲ チョウノスケソウ
 オヤマノエンドウ真っ盛り             ▲ オヤマノエンドウ
 コイワカガミ            ▲ 三叉峰を振り返って

咲いてる花は、前に来たときとほとんど同じだ。
でも、今回はちょっと時期が早かったかもしれない。

ツクモグサはほとんど終わってしまっていて、遅咲きがチラホラ程度。
オヤマノエンドウやチョウノスケソウが多かったです。
花も多いけど、人も多い。
梅雨の晴れ間だから、一斉に押しかけて来るもんね。

三叉峰から戻って来る途中で、たっくんからメールが届く。
『 いま大同心稜を登っている 』
やっぱり登攀終了は11時過ぎになりそうです。

 奥の院に戻ってきた

奥の院に引き返して大同心小同心を眺めます。
「 ここで3時間待つの? 」 「 待たずに下りるってさっきメールしたよ 」

待たないと決めたら、待ちたくなるのが心情。
おいちゃんはまだ迷っているようでしたが、じっと座ってると寒いよ。
ガスボンベは空だし、羽織るものもないしなあ。

そろそろ取付きに来るだろうと大同心ルンゼのトラバースを見下ろしたら、ゾロゾロ来るは来るは大混雑の様相です。

 小同心と大同心

あれはたっくんじゃないか?あの白ヘルはオギャーみたいだよ。
おいちゃんが「タクヤー」って何度もコールするので、近くにいた人から「お子さんですか?」と訊かれていた(^^;
「違うんです、66歳のおじいさんですよ」 と言って笑わせている。

結局おいちゃんの見立て違いで、よそのpartyのようです。
そんな中、二人partyと次partyのリードが小同心の頭まで登って来ました。

 最初のpartyが登ってきた       ▲ まだまだ下をトラバースしてるpartyいるし

これから取付きに着いても、順番待ちではいつ来るか分かんないなぁ。
待ち時間が長ければ正午過ぎかもしれないし。

辺りにはガスが掛り始めてきましたので、下山を決心する。
山頂で盛大な歓迎式をしたかったのですが、温泉の誘惑に負けました。
たっくんオギャー 、約束破ってごめんね。
彼等のガッカリする顔が瞼に浮かんで、心苦しいことこの上なく。

後ろ髪を引かれながら、山頂を振り返りながら ・・・ 下山開始。
裏切りの山は無言のまま。

 タック&オギャーさん♪ごめんね

ツガザクラ イワヒゲ ミヤマヨツンバイ
クモマナズナ ツクモグサ ハクサンイチゲ

クサリ場を下って、花の写真を撮りながらチンタラポコポコ。
岩の陰に、結構ツクモグサが咲いていました。
やっぱり登って来る人が気になって仕方なく、何度も何度も小同心を振り返ってしまいます。

ガスは流れて切れたりもしていますが、徐々に濃くなっているような。
二人の無事完登を祈るばかりです。

 また別のpartyが小同心の頭に              ▲ ミヤマキンバイ

 横岳・硫黄岳縦走路のガイドは「八ヶ岳登山ルートガイド」に詳しい。

山荘でザックを回収して、しばし休憩。
この時間の山小屋はひっそりしていて、従業員だけが忙しそうです。

硫黄岳に登り返しますね。

 硫黄岳山荘をあとにして
 これが最後の登りになります             ▲ ミヤマキンポウゲ
 緩やかな硫黄岳でも帰りはつらいよ             ▲ イワウメのアップ

山頂から往路夏沢峠に下れば、オーレン小屋まで沢筋の道。
赤岩ノ頭に廻れば尾根道なので台風の影響は少ないように思うが、もともとそれほどいい道ではないように記憶している。

思案の結果、展望の優れた夏沢峠側に下りることにしました。
稜線を分けるガスに沿って、ガラ場をチンタラお花見歩きです。

夏沢峠で単独♂とおしゃべりしながら、大岩に座ってガラクタランチ。
こんなにいっぱいおやつを持ってくるより、小屋ラーメンにすれば良かった。
八ヶ岳界隈は山小屋だらけなので、食料の心配は要らないかも。

 夏沢峠に下ることに

峠からオーレン小屋までの道は歩き易い散歩道のような認識です。
ところがどっこい、台風の猛威はここでも容赦ない。

とそのとき、たっくんから再びメール 『 いま予定通り横岳山頂に着いた 』
良かった。「 おめでとう。歓迎できなくてごめんね 」

散歩道は土砂に流され、登山道が判然としない場所さえあります。
赤岩ノ頭に廻ったとしても大差ないだろうなってことにした。

 ぐちゃぐちゃじゃん     ▲ ヤツガタケキスミレとコマクサ(オーレン小屋)

オーレン小屋はスルーします。
庭のお花畑でコマクサが咲きかかっていました。

早く夏沢鉱泉に行って、風呂入ろう。

 オーレン小屋
 ゴゼンタチバナ            ▲ しっちゃかめっちゃか
 シロバナヘビイチゴ              ▲ マイヅルソウ

夏沢鉱泉に戻ってきました。

夏沢鉱泉のお風呂は昔ながらの木造りのお風呂で、1枚ずつ開ける蓋が昔懐かしい。
懐古志向の方には、嬉しいお風呂ですね。

二日間の汗を流してさっぱりし、お茶をいただいて帰りました。

登山口の桜平に到着。
昨日とは入れ替わった車もあるようですが、ぎゅうぎゅう詰めした昨日の名残りが駐車姿勢から伺えます。

 夏沢鉱泉の風呂に入って
 数日前まで車が通っていたの信じられる?              ▲ オオヤマフスマ
 エゾノコリンゴ           ▲ 昨日の混雑の名残り

桜平からのアプローチは台風4号の影響でダメージを受けていますが、関係者の努力で仮復旧され、通行できない区間はありません。
詳しくは夏沢鉱泉のhpで確認しましょう。

桜平から唐沢鉱泉の分岐まで腸がねじれるようなダート道ですので、前を走る車は超ノロノロ運転です。
普通乗用車でも案外入れるもんですね。

林道にレンゲツツジが咲いていました。

 レンゲツツジ


後日、たっくんに頼んで写真を送ってもらった
オギャー♪の元気そうな姿を拝見できて嬉しい。

体力にやや不安を感じながらのクライミングだったようですが、長い年月にわたって共に行動したパートナーと久しぶりにザイルを結んで、思い出に残る小同心になったことでしょう。

小同心の頭で握手をする二人の姿が微笑ましい。         (あた)


 小同心クラックルート最終ピッチ               ▲ おぎゃ〜
 山頂のタック&オギャ〜

           ▲ 大同心ルンゼを下る



 この地図は、国土地理院発行の地形図を使用したものである (経緯度線は20秒間隔)

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