2012.05.01 (火)   K2Couple No.0362 

荒島岳
あらしまだけ(福井県)
1,524m
まさかの晴れに恵まれて白山展望

コース最大標高差 : 1195
コース累積標高差(+) : 1225
コース累積標高差(−) : 1225
コース沿面距離 : 9.5 km
行動時間 : 8'35"

* 距離と累積標高差は GARMIN GPS data です

 前荒島から荒島岳

 

 道の駅「九頭竜」 5:05 = 5:30 勝原スキー場P
 勝原スキー場P 6:15 ... 7:15 登山道入口 ... 7:50 トトロの木 7:55 ... 8:20 白山ベンチ 【L1】 8:35 ... 9:30 シャクナゲ平 9:35 ...
 10:30 前荒島岳 ... 11:00 荒島岳 【L2】 11:40 ... 11:55 前荒島岳 ... 12:35 シャクナゲ平 12:45 ... 13:30 ブナの森 【L3】 13:50 ...
 14:20 荒島岳登山口 ... 14:50 スキー場P
 勝原スキー場15:45 = 16:05 国民宿舎パークホテル九頭竜 16:55 =
 白鳥IC/東海北陸道・東海環状道 18:15 美濃加茂SA 【食事&仮眠】 20:30 中央道・長野道・上信越道/藤岡IC = 24:15

荒島岳の場所

国民宿舎 パークホテル九頭竜 (¥300)


 頂上から第一の眺めは白山だった。
 まだたっぷり雪をおいて、神々しいほどの美しさで東北の空に立っていた。
 その手前には、法恩寺山、経ヶ岳、赤兎山、願教寺山などの連なりが見えた。
 いずれも福井山岳会の活躍の舞台である。
 仏教にちなんだ山名の多いのは、泰澄大師が古刹平泉寺から白山に初登頂したときのルートに当たっているからである。
 能郷白山もよく見えたが、山の気品のある点では、荒島岳が上だった。
 頂の小さな堂の中には幾体も地蔵尊があって、その一つには元冶元年(一八六四年)と刻されていたから、やはり昔から崇められて、
 多くの人々に登拝された山であることが肯けた。

                                    深田久弥『日本百名山』より抜粋


夜中の3時に、車の屋根を叩く雨音で目が覚めた。
うっそ〜 雨降っとるよ
昨夜寝るときには星が輝いていたのに。
ここでジタバタしても仕方ないので、夜明けを待つことにする。
それから考えようよ。

おいちゃんは再びグ〜グ〜寝ちゃいましたが、はらっぱはもう眠れません。
早く明るくなあれ〜と思いながら、シュラフの中でぐずぐずします。

朝には雨も上がり、薄雲状態になってきましたよ

 道の駅「九頭竜」
 庭に恐竜がいたりして         ▲ 恐竜街道から荒島岳が見えています

登山口に着く頃には、すっかりいい天気になってきました
まだ車は5台しか停まっていない。

 勝原スキー場の登山口駐車場

廃業したスキー場なのでしょうか、何気にさびれちっくです。
ゲレンデの中のコンクリ道を登って、石だらけのガレ道を登ってようやく登山口です。

一本調子の登り坂で、はらっぱはガックリ疲れてしまいます。
寝不足で食欲がなく、折角 sachi さんに頂いた美味しいお寿司も喉を通らない状態なのよ。
おいちゃんがパクパク食べてた。
飲み物ならOKなので、ウイダーを飲んで歩きます。

 スキー場の坂道がキツイ
 桜と経ヶ岳           ▲ 1時間登って登山口かい

トクワカソウ(イワウチワと変わらん)がボチボチ出てきて元気付けてくれます。
実はこの花が、荒島岳の目的の一つでもあったのです。

盛りは過ぎてたので、綺麗に咲いてるのは少ない。
でもまだ残ってて良かったよ。

 トクワカソウ

ここから更に急斜面になります。
急登の連続だとは知っていましたが、急登過ぎ、連続過ぎでしょうよ。
おばちゃんは体調不良なので、少しは加減して欲しいものです。

ブナの新緑が眩しいです。
胸騒ぎの紅葉も良いが、心落ち着く新緑も捨てがたい。

 ブナの林      ▲ ブナの林には平坦な道が似合うはずなのに

トトロの木があった。
由来は知りませんが、真ん中にでっかい穴が開いている。
もう少し登ると、ゴリラの様なコブの木です。
新芽の緑を深呼吸しながら、えっちらおっちら登っていきます。

ついに、はらっぱはバテて休憩です。
おいちゃん、悪いけど休ませて。

 トトロの木            ▲ 上から覗いてみたら

ますます道が急になるじゃありませんか。
石の段だったり根っこの階段だったり。
振り返ると雪を抱いた峰が見えるが、何処の何山だかサッパリ。

程なく白山ベンチなる休憩ポイントに着く。
少し雲が広がって白けてるのが残念ですが、綺麗な山ですね。
霊峰白山見えてよかった (^^

 見えたよ♪
                                     ▲ すんばらすぃ〜

ゆるゆる登りますよ。

ブナの細木を透かして、荒島岳が見えています。
あんな遠くまで行けるかなあと思いつつ、私が言い出した山なので撤退の二文字は口から出せない。

どうしちゃったんだろ私

 前荒島岳

きつい丸太の階段を登ると雪が現れます。
これは想定内。
横切って更に登ると、やっとこさシャクナゲ平ですね。


 嬉しい初下り            雪道を歩いて急登する

シャクナゲ平は雪で埋め尽くされていました。
石楠花の葉っぱが沢山あったので、ハクサンシャクナゲが咲くのでしょう。
そのシーズンも狙い目かもしれません。

富士山、御嶽山とともに日本三大霊峰に数えられる白山。
その霊峰白山をバックに写真を撮りますが、冴えない写真になっちゃった。
忘れられない思い出にはなりますけど (^^;

 シャクナゲ平標柱
                             ▲ 未だ雪をいただく霊峰白山

シャクナゲ平から雪解け水の登山道を少し下って、佐開コースからの道を合わせる。
さて、いよいよ前荒島への気違い登りになります。

登山道脇にはショウジョウバカマが点々と咲いていて可憐。
しかし、朝からウイダーとポカリしか飲んでいないはらっぱには、充分きつ過ぎる登りですよ。
気力で登るしかない。

 色彩やかなショウジョウバカマ
 雪は柔らかい            ▲ 落ちる心配もないし
           ▲ 気合だ〜                    前荒島通過                      残雪多い
                           ▲ 前荒島から荒島本峰を見上げて

悪いなりにペースをつかんで登って行くと、下山者から一言。
この先は雪道なので気を付けてくださいねって、有難いお言葉。
は〜い。

「この先滑落事故多し」の看板もありました。
でもここは標高が低いし今は雪が緩んでいるので、もっと寒いときの話だろうと、おいちゃん一蹴。
確かに、アイゼンなしでも問題なく登れるしね (^^

それでも注意するのに越したことはない。

 雪田を快調に登る
           ▲ 滑落注意                    ▲ 後見人役                    ▲ 雪の造形

雪の斜面は先行者のトレースを辿れば、難なく登れましたよ。
おいちゃんは、どこでも登ってるけど。

右も左も雪の斜面で転べは奈落の底へ ・・・ ちょっとオーバーかな。
嫌なことは考えずに登ろう。
転んだら即伏せて、両手で止めろっておいちゃんのアドバイス。
仰向けのままだったら、滑り台と同じだろってさ。
確かに!

 でっかい滑り台だな
 山頂が見えてきましたぜ        ▲ 白山眺めてる場合じゃないだろ

山頂には、素晴らしい景色が用意されていました。
ここは白山の秀逸な展望台。

360°雪を抱いた山々が並んでいるけど、悲しいかな分かるのは白山と反対側の能郷白山だけ。
白山に慰霊登山してから10年も経ったんだよね、懐かしいでしゅ。

多分あれが、あの時下った観光新道の尾根かな ・・・
などど適当な会話を楽しむ。

 また見てるし(親友のこと思い出してんのかな)
 決めました v          ▲ 写真を頼まれやすい人だよ

 感慨深い三角点タッチ          ▲ 山頂に咲いてたカタクリさん

下に見えるダム湖は九頭竜湖なのかな?
目を移すと田園風景が広がっている。

お隣りに腰掛けたご夫婦は、相前後して登ってきた香川県カップルさん。
きつかったよね〜と言葉は一緒。
明日は雨予報なので、白川郷の観光だそうです。

前方に座っていたご夫婦から、カタクリが咲いてるよって教えてもらう。
何処からですか?
遠いよ〜埼玉(深谷)だよ。
え〜うち群馬高崎。 ・・・ これだけで意気投合

 山頂の語らい
                            ▲▲ こんな感じの広い山頂でした

素晴らしい眺めなので、ずっと居たいけど下山するね。

はらっぱは雪面の下りが苦手なので、念のため軽アイゼンをつけました。
おいちゃんはスタスタと下って行きます。

雪の心配が無くなったところで、アイゼンを外して岩下りに備える。
それにしても急な道で、モチガ壁(意味不明)と言うらしい。
「滑落死亡事故が多発しています」という注意書きは、無雪期のこの壁の話じゃないかなと、悟ったようにおいちゃんが言う。
確かに!

 下山開始
                                 ▲ 岩場の急下り(モチガカベ)

シャクナゲ平まで下りてしまえば、急ではあるが危険というほどではないので、転倒だけ気を付けて慎重を期すのだ。

下るに連れて暑いこと暑いこと。
暑さにも負けて、はらっぱはヨレヨレです。
朝からウイダー2本 スポーツドリンク2本 牛乳、野菜ジュースの水物だけで登ってきました。

 シャクナゲ平に下って
                                     ▲ 朝と同じ道
ツルシキミ ミヤマカタバミ ミヤマキケマン ミツババイカオウレン
スミレサイシン アオキの実 アオキの花 ヤマブキ
                              ▲ ブナ林、生き返るわ

お腹が空いてるのに、食べ物が喉を通らないなんて最悪だわ。
スキー場まで帰ってくれば安心なのですが、不揃いな石をバラ撒いたような道の歩き辛いこと。

一緒に下りてきた人たちも、口々に文句タラタラ垂れ流す。
登りより下りの方が時間の掛かるこの道は何だ〜。

でも、無事に帰って来ましたよ (^^

 駐車場だ〜

スキー場topから一足先に下ったおいちゃん。
重大な使命を帯びて ・・・

「車の中、整理整頓しといて!」
へ〜イ。

私が着いたときには、すっかり綺麗に片付いていましたね。
さんきゅ〜。

 何じゃこりゃ〜

明日は何処も雨予報なので白川郷に寄りたいと話していたのだが、観光もやめて家に帰ることにした。

登山口案内板の温泉は全て火曜休みって書いてあったので、国民宿舎にして直行する。
国民宿舎は安かったけど、温泉ではなかった。
でも、ハーブの湯でほんのり優しい香りがしたし、しかも貸切でしたよ。

 国民宿舎 「パークホテル九頭竜」

道の駅に寄ったが蕎麦屋は戸締りされていた。
白鳥ICから東海北陸道を走り、東海環状道に入って美濃加茂SAへ。

おいちゃんはカツカレー、はらっぱはきつねうどんと牛串。
何とか食事したものの気分が優れない。
そのあと食べた物を全部吐き出す羽目になった。
おいちゃんは、食事をしたら眠くなってきたらしい。

2時間ほど仮眠をとって、一路群馬へ。
私が寝ている間に、上信越道の見慣れた場所まで帰っていた。
おいちゃん、往復の運転ご苦労様。

はらっぱは、家に着くなり何もしないでダウンでした。
一日遅れておいちゃんも発症し、嘔吐下痢発熱で夜間救急病院へ。

その後の連絡で、御在所クライミング組全員ダウン
山の水はよく確かめて(?)不用意に飲まないようにしましょう。
御在所の沢は最悪、上に公園があるんだもの。

今回も色々あって、内容の濃い山旅でした。

この地図は、国土地理院発行の地形図を使用したものである
(経緯度線は20秒間隔)
       ▲ 東海環状・美濃加茂SAで仮眠