2011.05.03 (火)   K2Couple No.0318 

祖母山
そぼさん(大分県・宮崎県)
1,756m
忘れられた名峰の開山祭 (^^ 

コース最大標高差 : 650
コース累積標高差(+) : 795
コース累積標高差(−) : 795
コース沿面距離 : 9.1 km
行動時間 : 6'10"

* 距離と累積標高差は GARMIN GPS data です

 これから開山祭の神事が行われる

 祖母山北谷登山口P 6:15 ... 7:20 P1446 7:30 ...千間平 ... 7:45 三県境 ... 8:05 国観峠 【L1】 8:20 ...

 8:50 九合目小屋 9:05 ... 9:20 祖母山 9:40 ... 10:10 【L2】 10:25 ... 11:00 風穴 ... 12:25 北谷登山口P

 北谷登山口12:30 = 13:50 竹田温泉 14:35 = 14:55 原尻の滝 15:05 = 16:10 長者原P 【車中泊】


   祖母山の場所
 この地図は、国土地理院発行の地形図を使用したものである (経緯度線は20秒間隔)

竹田温泉 花水月 (¥500)


 祖母山は昔は九州第一の高峰として国定教科書にも載ったことがある。
 その後その名誉は九重山に譲ったが、山の由緒は古い。
 日向、豊後、肥後の三国に跨って古来鎮西のの名山と称せられた。
 そこの伝説は『平家物語』や『源平盛衰記』に出てくるし、実証的な記事は橘南鶏の『西遊記』にも見えている。
 日本アルプスの父ウェストンが来朝してまず登ったのは、富士山についで、当時九州第一とされた祖母山であった。
 そんな資格を有しながら、この山が案外世に忘れられているのは、その位置が、直ちに人の眼に触れるような有利を持たないからだろう。
 そして今でこそバスの便宜はあると言うものの、山に近づくまでの遠距離にもよろう。
 それから又、火を噴く阿蘇、高原の美を持つ九重、と鼎立しながら、祖母はあまりにつつましく、前二者のような観光的効果に欠けているか
 らでもあろう。
                                     
深田久弥『日本百名山』より抜粋


ホ〜ホケキョ ケキョケキョ ・・・
ウグイスの声で目覚める北谷駐車場。
夜の間に何台も到着していた。

朝食は玉子スープと夕べのご飯を温め直して、焼き鳥の缶詰や沢庵、お汁粉も。

静かな筈の祖母山ですが、きょうは開山祭の日に当たってしまった。
何気にトイレ周りも賑やかです。

ボチボチと登って行かれるので、私達も出発しますね。

 駐車場の朝

この山は神原コースや尾平コースなど多くの登山道があります。
時間の余裕があれば尾平コースが沢沿いでいいようですが、最短コースの北谷コースを登ることにしました。

きょうの天気予報は曇りのち雨です。
早めに登って、雨が降る前に下山したいな。
だって、この山は粘土質で良く滑るらしいので(^^;

 粘土質の登山道

コースに沿って、新しそうな合目標識が立っている。
約500m間隔で1合ですね。

4合目まで、歩き易くて緩い傾斜の坂道を登って来ました。
コースの等高線を見ても、それほど急な道はなさそうです。
楽勝ですね。

 整備された合目標識

千間平手前からちょっとコースを外れて【P1446】です。
展望が開けているようでしたが、何が見えてるのかさっぱりです。
むしろ、霞んで何も見えないと言うべきか。

ただ前方の尾根に、ピンクのアケボノツツジが咲いているのが見える。
アケボノツツジはコース沿いにはなく、足元にスミレが咲いているだけ。

 【P1446】
 アケボノツツジが見える                ▲ 千間平

また樹林帯に潜り、三県境。
更に尾根上を東へポコポコ、ずっと高い笹に囲まれたつまらない道だった。
北谷コースは失敗だったようだ。

祖母山には、アケボノツツジ、オオヤマレンゲ等の花が咲く。
ブナ、モミ、ツガ、ミズナラ等豊かな自然林が醸し出す黒い森。
ニニホンカモシカ等多くの動物も生息している筈だった。

7合目を過ぎてひょっこり広場に出た所が国観峠です。
ここで初めて祖母山の山頂を目にした。
お地蔵さまが祀られている。

 三県境
 国観峠          ▲ 国観峠から見上げる祖母山

8合目辺りから細くて少し急な道になる。
相変わらず笹薮だらけですが、登山者の数がぐっと増えてきた。

はるばる訪ねた祖母山ですから、9合目の山小屋にも寄ってみましょう。
ソーラーシステム完備の綺麗な小屋で、きょうは管理人もいるようです。

ここから掘れた道をひと登りすると、笹もなくなって山頂です。
マンサクの黄色い花が咲いていた。

 9合目の小屋に向かいます
 小屋前のかわいい標識          ▲ 9合目小屋あけぼの山荘
 植生が変わった              ▲ 山頂のマンサク

生憎の曇り空なので、近くの尾根は見えますが展望はイマイチ。
広島のTさん(おいちゃんの元同僚)が歩いたという超ロングコースが見えていました。

障子岩は遠目にも険しさが見て取れる。
Tさんは、障子尾根を辿って祖母山に至り、傾山に向けて歩いたのだ。
すげ〜。

 一等三角点
 障子尾根の先は障子岩             ▲ 傾山に続く縦走路

山頂では山開きの神事が催されるらしく、次々と登山者が集結する。
神事までには2時間もあるので、失礼して下山することにします。
事情を話せば、記念品の祖母山バンダナを貰えるらしかったけど、控えめなK2隊はそっとその場を離れるのでした。

雨になったらピストンの予定でしたが、何とかもちそうなので風穴コースを下ることにしますね。
せめてもの周回です。

 そっと山頂をあとにする

実は下調べをした時に ・・・
この風穴コースは、去年の秋34歳の男性が行方不明になり未だに見つかっていない危険なコースと書かれていたのです。

登って来た人が、「このコースを下りに使うのは危ないよ」 と不安な私に追い討ちをかけるようなことを言いました。
チョッと嫌な気分になったよ。
おいちゃんは知ってか知らずか、ドンドン下りていってしまいます。

自分で決めたコースなので、今更止めるとは言えない訳で
重い気持ちを引きずって、仕方なくおいちゃんに続きます。

 風穴コースへ

 古祖母山でしょうかね              ▲ 下山開始です

なるほど急な尾根で左は絶壁です。
転ぶ時は絶対右側 と心に誓うはらっぱです。

根っこの急下りをこなして、ロープや梯子が出てきました。
這いずり回って下るので、ズボンが泥だらけになってしまいます(^^;
でも、そんなことを気にしてはいられません。

 ロープの下がった岩場

途中の岩の上でランチにします。
展望はありません。

ランチをしている間にも登って来る人がいます。
開山祭の時間にはちょうどいいかもね。

 ランチタイム
       ▲ 確かに登る方が楽だよね                 またロープだ             この梯子は小さい脚立を伸ばしている
 ここは長い            ▲ ほっと一息スミレさん

半分くらい下ったところで、やっと少しだけ咲いたアケボノツツジを発見。
おいちゃんが笹を掻き分けて入ったけど、綺麗に撮れなかった。

更に下って風穴に到着。
今頃は、開山祭の祝詞あげてるよね、きっと。
ここからも、まだまだ急な道は続きますよ。

 風穴            ▲ 何処だったか忘れた
 岩下りが終わったら再び高い笹道             ▲ もうすぐ沢です

沢の音が近づいてくると、ホッとしますね。
登山口も近いということ。

花にはまだ時期が早かったようでした。
シコクスミレでしょうか?白いスミレが咲いています。
沢沿いには、ネコノメソウが大合唱で咲いているだけでした。

小さい沢を二本渡って、最後に北谷を渡れば歩き易い道です。
チンタラ歩いて駐車場に到着。

 シコクスミレ
 ハナネコノメ           ▲ やっとこさ安らぎの笑顔
 北谷渡渉             ▲ たぶん下山一号

竹田温泉で汗を流して、原尻の滝に行ってみましょう。
ナイアガラの滝ですってば(^^

竹田市や豊後大野市からは、祖母山がカッコよく見えるらしい。
残念ながら、きょうは雨 ・・・ 何にも見えませんね。
菊地@前橋さん(ここの出身)から、素晴らしい祖母山の写真を頂きました。

祖母山の北谷コースはつまらなかった
天気も悪かったし。
深田久弥も北側(大分)から登ってるし、きょうもそっちが多かったみたい。
調査不足と言うか、駆け足登山のツケが返ってきた感じです。

 美しい祖母山 (presented by 菊地@前橋)

気持ちを立て直して、原尻の滝で楽しもう。

原尻の滝は、東洋のナイアガラと言われるだけあって見事
滝見の吊橋を行列で渡りますが、横にゆらゆら揺れて酔いそうだった。

近くにはチューリップ畑もあり、観光客で賑わっていた。
山で賑わうのは余り好きではありませんが、観光地は我慢できるよ。
傘をさして一周しますね。

 原尻の滝
 滝見の吊橋             ▲ チューリップ畑
                                 ▲ ナイアガラの滝

さあ急ごう!
ミーコさん♪が首を長くして待っている長者原へまっしぐら。

岡城の近くを走っていたら、道路から「荒城の月」のメロディーが流れる。
作曲家・滝廉太郎が少年時代をこの竹田で過ごしたみたいです。

熊本にある通潤橋によく似た橋を見かけた。
石組みによる用水路橋だが、この地方に多いのだろうか?

 帰り道で

だんだんと雨脚が強くなってきました。
やまなみハイウェイを疾走する高崎NoのFORESTER

長者原駐車場に着くと、すぐにミーコ車が見つかりました (^^
場所確保して晩御飯の準備をして待っていてくれる優しいお二人。
初めてお会いするのに、旧知の仲みたい。

ありがとう。
はじめまして〜

 雨のやまなみハイウェイ

ワンボックス車にタープを掛けて、寛ぎの居住空間。
雨が溜まって垂れ下がるので、時々えいやって払い落とす騒ぎです。

特等席の椅子を提供されて、家を出てから不足気味だった野菜が美味。
しかもミーコさんの自然派生活無農薬純野菜だから超旨い。
野菜たっぷり、鍋のうどんで温まり、ビールで温まり、ワインで温もる。

もちろん、お話は尽きず楽しい夕食でした。
ごちそうさま。

 長者原

最後に、ケーキにコーヒーもいただきました。
みんな美味しかったね。

食べ終わる頃には雨も止み、周りの山々が顔を見せ始めます。
さすがミーコさんが選んだ待ち合わせ場所は、最高の眺めでした。
雨上がりの空気も清々しい。

 ガスが晴れ始めた三俣山

暗くなる前に、幸せの黄色いスミレの咲く場所に案内して頂きました。
でも、雨に打たれてしょぼくれてたね。
野焼きの面影も残っています。

明日は今回の山旅のクライマックスそしてファイナルです。
ミーコさんご夫妻に案内してもらうの。
天気が回復することを祈って、深い眠りに就きました。

夜中に目を覚ましたら、満天の☆ 九重の星☆☆☆☆☆☆☆☆☆

 食後のお散歩