2000.09.29〜30 (金土)   K2Couple No.0030 

爺ヶ岳
じいがたけ(長野県・富山県)
2,670m
シーズンオフの山こそ本来の山

コース最大標高差 : 1,340
コース累積標高差(+) : 1,755
コース累積標高差(−) : 1,755
コース距離 : 17.2 km
行動時間 : 15'20"
* 距離と累積標高差はKASHMIR 3Dによる概算値です
* 距離は地図上のもので、実際の登山道の長さではありません
▲ 爺の肩から見た立山
  4:45 = 藤岡IC/上信越道/更埴IC = 7:00 中条 = 7:30 大町市 = 7:50 扇沢P
 扇沢P8:00 ... 8:45 八ツ見ベンチ ... 10:45 石畳 ... 12:15 種池山荘 12:50 ... 13:50 爺ヶ岳南峰 14:00 ...
 14:25 中央峰 14:35 ... 16:10 種池山荘 【泊】
 種池山荘 6:00 ... 7:30 爺ヶ岳北峰 7:55 ... 8:45 中央峰 9:20 ... 10:30 種池山荘 ... 11:40 【L】 12:00 ... 12:35 八ツ見B ... 13:10 扇沢P
 扇沢13:25 = 13:40 大町温泉郷薬師の湯 15:00 = 長野IC/上信越道/藤岡IC = 18:00

 爺ヶ岳の場所

種池山荘 (\8,600)   大町温泉 薬師の湯 (¥500)

昨日、後立山連峰に初雪の便りがあった。
山岳部は風雪に見舞われたらしい。

雲に覆われてはいるものの、天候が回復した日に扇沢から入山という、願ってもない幸運に恵まれる。

 爺が見えたぞ〜

モミジ坂を越えると、扇沢をはさんで針ノ木岳から赤沢岳、岩小屋沢岳に伸びる稜線が、まるで我々を包み込むかのような配置で聳え立っている。 

ナナカマドは、真っ赤な実をつけているくせに殆ど紅葉していません。
扇沢沿いに爺南峰尾根を巻いて行く柏原新道は、よく整備されていて登りやすかった。
小屋の人達が登山道の整備をしていた。
すべて人力なので、相当な重労働である。

 柏原新道から稜線が見える


 稜線に飛び出した所が、赤い屋根の種池山荘です。
 いきなり展開する対面の山に不意を突かれ、感動が込上げる。
 後立山連峰はこの楽しみがこたえられません。

 小屋で宿泊の手続きをし、空身で爺ヶ岳をピストンすることにした。

 種池山荘(翌日)              ▲ 槍、穂高 幻想
                               ▲ 爺ヶ岳に向かいます

南峰から振り返ると針ノ木岳に伸びる稜線、黒部谷源流の山々。
そして昨日の雪化粧で輝く立山連峰、剱岳、鹿島槍ヶ岳。
それぞれの存在感を主張して広がり、感動的だ。

谷筋から湧き上がっては鞍部に押し寄せるガス。
高い雲に翻弄される光と影が不動の山を時々刻々と変化させる様は、いくら見ていても飽きることがない。

稜線上にぽつんと佇む赤屋根の種池山荘が立山、剱岳を背景にして。
とてもメルヘンチックで可愛らしい。

 爺中腹から針ノ木稜線と立山剱

 癒しの稜線            ▲ 鹿島槍が見えてきた
                                 ▲ 剱岳ドアップ
 剱岳を正面に下る             ▲ 中央峰から鹿島槍


 爺中央峰で槍、穂高の展望を楽しんでいると、尺八お爺さん夫妻が登って来ました。
 腰に尺八をくくりつけていた。
 写真を撮ってあげて仲良しになります。

 二人とも羨ましいくらい元気です。
 昨日は雪のため、冷池山荘で停滞だったとか。
 お手本にしたい(^^

はらっぱは山座同定に余念がない。
鹿島槍の双耳峰を、いつまでも眺めている二人です。

ぐんぐんガスが押しあがってきた。

 爺ヶ岳南峰ピークで                ▲ 鹿島槍ヶ岳

尺八夫婦の跡を追って下山途中、ハイマツ帯で砂浴びをしている五羽の雷鳥家族に出会い、しばらく彼らに付き合う。

小屋前のテーブルで高崎の単独(群大ワンゲルOB)と意気投合。
寒さに震えながら話が弾んだ。 

 冬服に着替え始めた雷鳥

小屋の宿泊者は十人にも満たず、どの組も個室同然の待遇です。
シーズンオフの気楽さか、みんな和やかに山の話に興じる。

種池山荘は便所食堂ロビー全てきれいな感じで、好感度UP。
夕食後ロビーで、日本百名山と後立山空撮ビデオを見る。

 種池山荘より


 外気は零度以下になっており、小屋ではストーブを焚いているのに寒かった。
 明日の予報は晴のち雨。
 外に出て寒さを堪えながら満天の星を眺める
 天の川がやけに濃くて星が近い。
 昼間は見えなかった針ノ木小屋にも灯が入り、はるか彼方の稜線上に頼りなく揺らいでいた。


   一夜明けて

快晴。
雲海の朝焼け。

そして富士山、南ア、八ヶ岳、浅間山、四阿山、頸城の山並、遠くは苗場山まで雲の上に浮かび上がっている。

 朝焼け(種池山荘)

天気予報は下り坂だった。

皆それぞれに俄か気象予報士になり、行動計画を検討していた。
即下山する人達。
空身で爺を往復して下山。
あるいは鹿島槍往復で冷池泊まりの夫婦など。
さまざま。

 爺ヶ岳おはようさん
                            ▲ かわいい種池山荘と立山・剱岳

我が隊は鹿島槍をめざしてフル装備で出発した。( ポーズだけですけど )
もちろん、軟弱隊には無理のようですが。
昨日のうちに、冷池まで入っておくのが正解だったな。

次に来るときはそうしよう。

登山道には、4cm位もある霜柱がきれいに並んで盛り上がっている。

 清々しい爺中央峰と北峰


 鹿島槍が眼前に大きく聳える。
 爺ヶ岳北峰まで登り、頸城山塊を見ながら作戦会議。
 鹿島槍往復は強行軍なので、のんびり歩こうとあっさりUターンを決定。

 中央峰でコーヒーを沸かし、心ゆくまで山の雰囲気を楽しむ。
 我が隊ではよくあるパターン。


 朝の鹿島槍ヶ岳                  これも

 北峰でだらける             ▲ 中央峰でもだらける

紅葉の下山路で写真を撮りながら、ぶらぶらと種池に戻る二人であった。
新雪を冠った山と緑のハイマツ、真っ赤なナナカマドの実とミネカエデの黄葉が静かな山の中で最高のご褒美となる。

この広いエリアに、人が殆んどいない嬉しさ。

 気分は最高
                                     ▲ 初冠雪の立山と剱岳
                             ▲ 種池山荘に帰ってきました

山荘の前には、チングルマの穂がいっぱいあった。
ここは素晴らしいお花畑ですよ、きっと。

種池から下はとばして下る
土曜日なので登って来る人が多い。
孫にエスコートされた老人登山家が、しっかりとした足取りで登ってくる。

 チングルマの穂を撮ってます

ケルンの辺りで雷鳴が響き、とうとう小雨模様となる。
山に残った人達のことを心配してもどうしようもないことだった。
多分山の上も雨だろう。 

登る前日は風雪、下山時は雨。
いいとこ取りした二日間であったことを感謝しながら下った。

ヤマハハコ

大町温泉の薬師の湯で身体をほぐします。

露天風呂から望める筈の山々は濃いガスに呑み込まれて煙っており、影さえも見ることはできなかった。

 小雨の中、扇沢の登山口に到着

 群馬でも霧雨が降っており、夜には本格的な雨になった。

 今回は単純な爺往復と言うことになってしまったが、扇沢から爺経由で冷池小屋に入り、鹿島槍を往復して赤岩尾根を大谷原
 に下るのがいいかもしれない。
 時間的な余裕があれば扇沢から針ノ木雪渓をつめ、蓮華をピストンして針ノ木小屋泊、稜線伝いにのんびり北上し、種池から
 柏原新道を下るコースも魅力的だ。
 口ばっかし (^^;