2000.08.26 (土)   K2Couple No.0027 

至仏山
しぶつさん(群馬県)
2,228m
静かな山から静かな尾瀬ヶ原へ

コース最大標高差 : 820
コース累積標高差(+) : 915
コース累積標高差(−) : 915
コース沿面距離 : 12.5 km
行動時間 : 8'00"
* 距離と累積標高差は GARMIN GPS data です  尾瀬の貴婦人、至仏山

  3:30 = 前橋IC/関越道/沼田IC = 5:00 戸倉並木P5:15 《TAXI》 5:35 鳩待峠

 鳩待峠 5:40 ... 7:00 オヤマ沢出合 ... 7:15 笠ヶ岳分岐 【BF】 7:35 ... 8:05 小至仏山 ... 9:00 至仏山 【L1】 9:40 ... 高天ヶ原 ...
 11:50 尾瀬ヶ原 ... 12:00 山ノ鼻至仏山荘ビジターセンター 【L2】 12:35 ... 13:05 水場 13:15 ... 13:40 鳩待峠
 鳩待峠 14:10 《乗合バス\900》 14:30 戸倉並木P14:35 = 15:00 花咲温泉 16:20 = 沼田IC/関越道/高崎IC = 17:45

至仏山の場所
 この地図は、国土地理院発行の地形図を使用したものである (経緯度線は20秒間隔)

花咲温泉 花咲の湯 (¥500)


 尾瀬沼を引き立てるものが燧岳とすれば、尾瀬ヶ原のそれは至仏山であろう。
 まだ尾瀬が近年のように繁昌しない戦前のある六月、原の一端にある桧枝岐小屋に泊まって、そこから見た至仏山が忘れられない。
 広漠とした湿原の彼方に遠く白樺の混った立木が並んで、その上に、悠揚迫らずといった感じで至仏山が立っていた。
 そしてその山肌の残雪が、小屋の前に散在した池塘に明るい影を落としていた。
                                                   深田久弥『日本百名山』より抜粋



 尾瀬ケ原の西端に位置し、東の燧ケ岳とともに尾瀬を代表する名山である。
 ミズバショウのバックに残雪の至仏山がそびえる写真はよく目にすることだろう。
 至仏山は、温和で女性的な山容や素晴らしい眺望、高山植物の豊富さなどで登山者の人気を集めている。
 山頂からは眼下に尾瀬ケ原を、西には奥利根・谷川の山並を望み、足元にはホソバヒナウスユキソウ、オゼソウ、シブツアサツキなどの貴重
 な植物、珍しい植物が美しいお花畑をつくっている。
 前半は樹林帯の道、後半は森林限界を抜け出た稜線上を登る。
 小至仏から頂上にかけての岩の多い尾根道を除けばそれほど急な登りもない。
 ただし上部の稜線など6月になっても残雪があり、特に悪天候の時などコースを見失わないよう気をつけたい。
 残雪期には登山禁止となるので注意。
                                                 上毛新聞社『群馬の山歩き130選』より



 盆休みに広島に行ったりしたので、約一ヶ月ぶりの山行です。
 腹が壊れて体調不良の日々が続いていたけれど、思い切って 「花と展望の山」 尾瀬至仏山に出かけることにした。


今日は鳩待峠マイカー規制日なので、戸倉並木駐車場に車を置き、乗り合いタクシーで鳩待峠へ。

鳩待峠で登山届を出し、深い笹とブナ林帯の広い尾根を進むと1時間程で右手に尾瀬ヶ原の全貌が開ける。

 鳩待峠

至仏山域は高山植物の宝庫として有名だが、花のピーク時期は過ぎているので、心なしか花も少ないようだった。
それでも今まで見られなかった珍しい種類も含めてちょこちょこ咲いており、気合を入れて写真を撮ります。

オヤマ沢田代で写真を撮りながら、何か変だなと思ったらフィルムが入っていなかった。
ぎゃぁ〜そんなバカな
昨夜、入れたような気がするのに、バカバカ。

 オヤマ沢田代ベンチから小至仏山

リュウキンカ、イワショウブ、ウメバチソウ、ツリガネニンジン、キンコウカ、オゼミズギク、アキノキリンソウ、ホソバヒナウスユキソウの枯花株、クルマユリ、コゴメグサ、ハクサンフウロ、ミヤマシャジン、アヤメetc。

笠ヶ岳への道を左に分けると、いよいよ森林限界だ。
女性的な山容も、実際登ってみると岩が多い。
至仏山特有の蛇紋岩は植物が育ちにくく、従って森林限界も他の山に比べるとかなり低いのだそうだ。

 小至仏山の登り
 ミネウスユキソウ ▲ キンロバイ  ツリガネカズラ

小至仏、至仏のなだらかな、しかし岩礫の折り重なったような山頂部が迫力をもって登る者を迎える。

燧ヶ岳は、朝より若干輪郭が見えるようになったが、これでは大展望を誇る山も形無しだよ。
白沢山や平ヶ岳が、はるか北方に鎮座している。


学生時代の頃、山頂標識は木製だった。
昔と変わって御影石のような石塔になっており、ちょっと風情なく墓石のようでいやだった。
TUWV4年夏合宿後に、湯の小屋から笠を経由してみんなで登ったのを思い出します。

山頂で北の景色を楽しみながら、二度目の軽食をとる。 
我が隊は食べてばっかり。

 小至仏山頂、backは至仏山
 ミヤマコゴメグサ ▲ ウメバチソウ  キンコウカ  ヒメシャジンの群落

花の種類の豊富さはこの時期でも名残があり、初夏の高天ヶ原周辺には屈指のお花畑が出現することだろう。

階段混じりに下る。
蛇紋岩の表面はツルツルでとにかく滑り易く、岩盤の大きいところにはクサリが付けてあった。

 至仏山頂直下       ▲ 山の鼻に下る階段から至仏を振り返る


 標高差も800m超あり、高天ヶ原を過ぎると尾瀬ヶ原がくっきりと眼下に。
 湿原、池塘、木道が神様の創作箱庭のように、自然にしかも何故か整然と見えるのが不思議だった。

 樹林帯にもぐると突然スイッチが入り、気が狂ったようにバタバタ下った

 オゼミズギク ▲ サワギキョウ  イワショウブ  イブキジャコウソウ

膝の関節をガタガタにしながら湿原の一角に降り立つと、そこはまさに高層湿原が限りなく広がる別天地だ。

 たくさんのワレモコウが夏の終わりを告げていた

とりわけ、池糖を埋め尽くさんばかりに浮かぶヒツジグサの、可憐な花に心を打たれる。

ビジターセンターで尾瀬の勉強をして、鳩待峠に最後の登りをかけます。
汗だくで峠に到着し、かき氷に速攻とびついた。
うま過ぎ。

                          池塘を埋め尽くすヒツジグサ三題

川場村の花咲温泉で疲れをおとす。
人気のある温泉らしく客が多かったが、白濁っぽい露天風呂はまあまあ満足です。

久しぶりの山行疲れと睡眠不足で、家に帰るとたちまち眠りに落ちた。

翌日はらっぱのカメラを開けたら、何とフィルムが入っていなかった
おまえもか、バカバカバカ。
どじを地で行くK2Cです

 戸倉駐車場整理券