2010.05.09 (日)   K2Couple No.0271 

妙義 白雲山
みょうぎ はくうんさん(群馬県)
1,104m
表妙義縦走前半戦(大の字〜相馬岳)

コース最大標高差 : 670
コース累積標高差(+) : 890
コース累積標高差(−) : 890
コース距離 : 5.4 km
行動時間 : 7'00"

* 距離と累積標高差はKASHMIR 3Dによる概算値です
* 距離は地図上のもので、実際の登山道の長さではありません

 見晴から榛名山

  7:30 = 藤岡IC/上信越道/松井田妙義IC = 8:05 道の駅みょうぎ

 道の駅 9:10 ... 10:00 大の字 10:10 ... 10:25 辻 ... 10:35 奥の院 10:45 ... 11:25 見晴 11:30 ... 11:45 ビビリ岩 ...

 11:55 玉石 白雲山 【L】 12:25 ... 12:40 大のぞき 12:45 ... スベリ台状30m鎖 ... 13:15 キレット ... 13:25 天狗岩 ... 13:45 タルワキ沢コル ...

 14:00 相馬岳 14:15 ... 14:30 タルワキ沢コル ... 15:15 中間道合流 ... 15:25 第二見晴 15:30 ... 15:50 大の字分岐 ...

 16:00 妙義神社 ... 16:10 道の駅みょうぎ

 道の駅みょうぎ 16:20 = 16:40 磯部温泉かんぽの宿 【泊】



 この地図は、国土地理院発行の地形図を使用したものである (経緯度線は20秒間隔)

白雲山相馬岳の場所     妙義山登山マップ(富岡市観光情報サイト)

磯部温泉 かんぽの宿磯部 (¥9,000)


 
表妙義三山(金鶏山、金洞山、白雲山)の一つ白雲山の中腹に「大」の字が浮かんで見える。
 この大の字のいわれについては「中山道を通る旅人の目印」「山のご神体」「明魏大権現の大」などの説があるが、いずれにしても江戸時代
 、妙義千軒とまでいわれ山岳信仰でにぎわっていた頃を思い出させる。
 この大の字からの展望は素晴らしく、足元には関東平野が広がり、背後には表妙義の岩峰がそそり立っている。
 表妙義自然探勝路は、かつて「中間道」「お中道」と呼ばれていたもので、白雲山麓の妙義神社から金洞山中腹の中の岳神社・石門群までを
 ほぼ水平にからむ。
 春の新緑と秋の紅葉時は特に良い。
 大の字往復のグレードは家族向き。

                              上毛新聞社『群馬の山歩き130選』より


おいちゃんのTUWV時代の親友たっくんから、妙義のバリエーション(星穴)やろうとメールが届いて3ヶ月。
バリエーションルート?ノーノーやめてよ。
いろいろやりとりがあって、結局一般道で落ち着いたらしい。

おいちゃんは楽しみにしていますが、私は不安で不安で ・・・
「絶対落とさないから大丈夫だよ」という甘い言葉に乗ってしまいました。

高速道からいつも眺めている大の字なのに、きょうの大の字はことさら目立って見えますよ。

 白雲山中腹の「大の字」

そして榛名の黒岩でトレーニングして、本番を迎えました。
確かに黒岩以来、岩場に対する心構えが変わったけどね(^^
でも、どうして私はここにいるんだろ?

道の駅みょうぎの真上の登山者用駐車場でたっくんと合流して、早速準備に取り掛かります。
いつもより荷物を減らしてきたけど、ガチャ類が重そう(^^;

 本日の登攀用具一式

妙義神社の鳥居を潜って、階段を登って行きます。
沿道にはシャガの花が見ごろを迎えて奇麗でしたね。

本殿は改修工事中なので参拝できません。
立派な山門を潜る。

 妙義神社山門

用意してきた登山届を投函。
妙義山登山道入口の看板を見て、大の字への階段を登ります。

天気は快晴ですが、少し春霞です。
私の心も。

ヤマブキやヤマツツジ、そしてスミレさんが咲いています。

 登山道に入ります

けっこう急な木立の道を登るので、たちまち汗が出てきますね
やっとクサリ場が出てきて、妙義らしくなりました。
登り上げた突き当りを左に進んで、大の字に寄り道です。

クサリを掴むと怒られますので、二人の目を盗んでこっそり掴んだりして。
コラッ!!やばっ見つかっちゃった。

濡れていると滑るかも知れないけど、きょうはクサリなしでも何とかなりそうですがね。

 大の字はすぐ上です

大の字は思っていたよりずっと小さかったですよ(^^
なるほど、これが大の字ね。
すでに私は感無量。

下界が広がっています。
上毛三山の榛名、赤城も頑張っていました。

 大の字ではしゃぐバカップル
 大の字の裏側も大の字だった                    ▲ 白雲山を見上げる

大の字から少し登れば、辻の分岐です。
左に下れば、第一見晴に出る。
岩に黄ペンで「キケン↑上級コース」と書かれています。
憂鬱な書き込みですねえ。

ここまでは楽勝でしたけど(^^
キケンの手書き文字が、活字の注意看板より臨場感いっぱいな訳で。
すぐ上の奥の院で、密かに私は神に祈りましたよ。
「無事に帰ってこれますように・・・」

 辻の分岐
 奥の院(白雲山は妙義神社の御神体)        ▲ 奥の院には白雲山妙義大神石碑

奥の院のすぐ右手のルンゼにクサリ場があります。
たっくんがビレーするので、クサリは使わずフリーで登ってねとおっしゃる。
ぎょぇ〜。
せっかくクサリがあるんだから、使わせてよ〜。

見本見せるから、同じようにやって!!
と言って、直立30mの岩場をスルスル登る。
さすがクライマーです。

 お師匠たっくんが見本ですよ

クサリの脇を登ると、どうしても掴んじゃいたくなるんだけど、ダメ?
駄目 クサリ掴んだらザイル離すよっ。
また、ご冗談を ・・・



岩が大きくて、蟻ん子みたいですね。
火山性の岩盤のため、ホールドも多彩です。
ついにクサリを掴まないで何とか登れたよ。
強気です

ボコボコの岩なので、黒岩の壁より全然楽です。
掴むところはいっぱいあるし(^^

 最初の岩場

7mの外傾した岩場を越えて、急な斜面をよいしょよいしょと登っていくと展望の良い場所に出ましたよ。
見晴です。

北東方面の展望が広がっています。
浅間の前に裏妙義の岩峰が連なり、眼を凝らして見ると丁須岩も小さな標識のような形に見えます。

 裏妙義の上に浅間山

春霞でも気分は最高!
足下は切れ落ちていて、飛行機になると飛んで行きそうです

 見晴で飛行機
 見晴からの眺め (裏妙義山塊と浅間山)


 浅間や鼻曲山、浅間隠、谷川連峰、榛名、赤城など、まずまずの展望。
 すぐそばには裏妙義で人気の谷急山、烏帽子岩、赤岩、丁須の頭がおしくら饅頭みたいに並んでいます。
 下を走る高速道路も見えます。

 ここで若い男性二人と富山から来たという三人連れ♂♂♀と一緒になり、この後お互い前後しながら歩きました。

外傾した岩を乗り越えて、向こう側に廻り込みます。
それほど難しい岩ではありませんが、高度感に晒されます。
高さゆえの怖さ。

通り過ぎてみたら、ここはビビリ岩だったみたい。
どおりでビビリましたよ。
ザイルで確保してもらってるのに、腰が引けちゃって(笑)

 ビビリ岩に突撃

ビビリ岩上部は比較的(比較的ですよ)傾斜が緩いのですが、しっかりクサリのお世話に。
だって下は崖ですもん。

おいちゃんも、こっそりクサリ掴んでたりして (^^;
だめじゃん。

 ビビリ岩上部

ようやく難所を抜けて、気持ちに余裕が出てきます。
しっかし、高いところですよね。

人一人だけ通るのがやっとの細い道で、両側は切れ落ちたとこはざら。
木が生えているので、感覚的には楽ですけど。

 ザイルの回収作業

所々で展望の開ける場所を通過。
こういうとこは展望(嬉しい)=恐怖(やだ)の二律背反。

右には丁須の頭や赤岩の向こうに浅間山。
左下に見えるのは、もみじの湯と関東平野、西上州の山々。

 眺めているうちにムズムズしてくる

登ったり下ったりを繰り返して、小岩峰を捲くようになっています。
捲かずに直登すると、そこは玉石でした。
玉石は登山道からチョッと外れているので、見逃すかも。

玉石の隣にもピークがあり、白雲山頂と呼ばれている所かもしれません。
あれじゃ見過ごしちゃいますよ絶対!

ここで絶景展望をおかずにランチにしましょ。
腹減ったし。

大のぞきの左には、西上州の鹿岳や四ツ又山が小さく見えます。

 玉石で
 玉石(白雲山)から大のぞきの岩峰 西上州の山が見えます

お腹はほどほど、展望は満喫で腰を上げる。
緊張感で、いつもの食欲がありません。

玉石の大岩を下る時に、おいちゃんがミョウギイワザクラが咲いているのを見つけました。
わ〜ほんとだ〜
険しい岩陰に咲く可憐な花に心打たれますよ。
あんた、どうやってここに来たの?
めんごいねぇ。

全員で写真撮りっこして、ホッとする一時です。

 ミョウギイワザクラ

またまた下っては登り、登っては下り ・・・。
岩稜のアップダウンはどこまでも続きますよ。

高度感で緊張しているので、疲れは全然感じない訳で。
アドレナリン大放出の賜物です。
たまにはピースをしたりして、余裕をアッピールします。

 余裕のピース
                             ▲ 高度感ありますねえ








  かなり岩の感覚が良くなってきたし、時間も
  遅れ気味になってきたので、ノーザイルで
  行動しますね。

  おいちゃんトップ、私はセカンド、たっくんが
  しんがりを務めます。

          ▲ トラバースして                 ▲ クライムダウンして

ゆっくりゆっくり慎重に。

もちろん、みんなクサリと仲良しになってました(^^;
高度感抜群。

 この際、格好はどうでもよろし

天狗岳に着いたのかと思ったら「大のぞき」でした。
大のぞきと言うから低いところかと思っていたのに、てっぺんです。
御嶽三社大神の石碑。
見えているのは浅間山です。

ありゃりゃ、先にはまだまだ岩峰が聳えています。
前途多難だがね。

 大のぞきのピーク















 

 玉石を振り返ると凄い崖の上です。
 あの岩のてっぺんでランチしたね。
 おそろしや〜。
 感慨無量。


 今頃怖がってどうするって感じです。

 大のぞきから玉石(白雲山)       ▲ 大のぞきから天狗岳

                              ▲ 青空が気持ちいいよ

大のぞきを下れば「スベリ台状30m鎖」と地図に書かれている鎖場のはずです。

下っている時はそれとも知らず。
ゴツゴツの岩で、とても滑れるような代物ではありませんから。
言われてみれば30mくらいあるかな。
傾斜は比較的緩いので問題なくクリアー出来そう。

 スベリ台状30m鎖(大のぞき)の上部

一緒に歩いていた人たちも続いて下りる気になっています。
これじゃ、クサリに鈴なりになっちうよ。
切れたらやだからちょっと待ってね〜。

クサリ場終了。
この後のザレた斜面の下りでは、それぞれがズル〜となりました。
「30cmのスベリ台状」とか、「今のは3cmのスベリ台状だった」とか馬鹿なことを言いながらのホッとする下りです。

 スベリ台状30m鎖の下部

キレットに着いてしまったので、やっぱりさっきのが30mスベリ台状岩場だったんだなという結論です。
岩稜の連続なので、どこが何なのか判らなくなりますよ(^^;

キレットからまたまた登り返して行くと、天狗岩の表示がありました。

天狗岩からタルワキ沢コルまでは、ミョウギイワザクラが群生していました。
個体数も花の大きさも玉石周辺の比ではありません。
またまた写真撮りまくり大会です。

 天狗岩(天狗岳?)
      ▲ たっくんもイワザクラお気に入り                      ▲▲ ミョウギイワザクラのオンパレードですよ

健気なお花に酔ってミツバツツジの歓迎をうけて。
急斜面を下れば、タルワキ沢の分岐に出ます。

 ミツバツツジに癒されて

ザックをデポして相馬岳を往復して来よう。
白雲山の最高峰ですから、外すわけにはいきません。

相馬岳への上りは、狭いけど普通の登山道です (^^

 タルワキ沢コル

着いた〜
表妙義の最高点から素晴らしい眺めですよ。

金洞山が真正面に見えます。
その上に荒船山。
更にその上に八ヶ岳連山が赤岳、横岳、硫黄岳そして北八ツに繋がって蓼科山 ・・・ ここから見る八ヶ岳は思いっきり横長です。
ウルウル。

 相馬岳山頂から金洞山全景

明日はあの山を歩くんだよね〜(ドキドキワクワク)

急峻な茨尾根の先には鷹戻しの頭、中之岳に重なって東岳、西岳と星穴岳がゴツゴツに並んで背比べをしているみたいです。

星穴岳の穴もちゃんと見えましたよ。
誰が名付けたかロマンチックな名前ですよね。

 明日が楽しみでしゅ
                           ▲ 茨尾根を挟んで金洞山全景

素晴しい眺めを満喫します。

富山の三人が来ました。
彼らは山慣れているようで、登攀用具はなし。
表妙義稜線は登攀用具装備からハイキング姿までいる、そんな山ですね。

きょうはここまで。
分岐に戻ってタルワキ沢を下山します。

 山頂で交歓会
 相馬岳山頂からのパノラマ

タルワキ沢のエスケープルートも厳しい急降下でした。
V字の谷へ逆落としの迫力。
一歩間違えば転げ落ちて行きそうに見えますけど、特に問題なし。

中間道に下りて一安心です。
妙義神社へ帰ります。
スミレさんやヤマブキ、チゴユリ、ミツバツツジ、ヤマツツジなど。
きょうの疲れを癒してくれます。


 タルワキ沢から天狗岳岩壁           ▲ ヤマツツジに癒されて
ホウチャクソウ キランソウ ツルキンバイ マルバスミレさん
シャガ トガリアミガサタケ ヒメウツギ チゴユリ

通り道なので、第二見晴にも寄り道しよ。
展望いいよ。
そうしよ そうしよ(^^

金鶏山が奇麗に見えていました。

 金鶏山

道すがら、爽やかな新緑に心が洗われる思いです。
秋の紅葉は気分が高揚するのに対して、新緑の季節は希望そのもの。

渡る風が爽やかです。

 爽やかな緑風

妙義山はイワイワなのに、急峻過ぎて保水能力がないのか滝が少ない。
珍しい滝がありましたが、水量はチョロチョロ。
でも何かほっとする。

妙義神社手前から群生するシャガの花を愛でながら、駐車場に帰ってきました。

 大黒の滝の前でたっくんとユルズボンのおいちゃん

きょうは割と楽勝だったので、前哨戦みたいなもの。
明日は核心の金洞山だから、ゆっくり温泉に浸かって鋭気を養おう。
そうしよ そうしよ(^^
K2隊には珍しく温泉泊まりです。

磯部温泉の湯はスベスベツルツルで気持ちいいお湯でした。
「竜馬伝」を見て、もう一回温泉でまったりして、早めの就寝です。
クサリ掴むなよ!身体おこせ!(ムニャムニャ夢の中)

今回は、岩用のアプローチシューズで歩いた。
重登山靴より軽いし、フリクションが効いて滑りにくいので快適。

 5・10 のアプローチシューズ

  ☆ レポ作成に当たり、たっくんから提供された写真をたくさん使用しています。この場を借りてお礼申し上げます