2009.10.24 (土)   K2Couple No.0249 

皇海山 鋸山
すかいさん のこぎりやま(群馬県・栃木県)
2,144m クリックで拡大
        皇海山 2144m 鋸山 1998m
栗原川林道の紅葉ドライブが最高

コース最大標高差 : 790
コース累積標高差(+) : 935
コース累積標高差(-) : 935
コース距離 : 7.0 km
行動時間 : 6'35"
* 距離と累積標高差はKASHMIR 3Dによる概算値です
* 距離は地図上のもので、実際の登山道の長さではありません
 峻険な11峰の鋸山(不動沢のコル付近から)
  5:50 = 大間々 = 根利 = 8:20 皇海橋P
 皇海橋8:35 ... 【L1】 ... 10:15 不動沢のコル 10:20 ... 11:05 鋸山 11:15 ... 11:45 不動沢のコル 11:50 ...
 12:50 皇海山 【L2】 13:25 ... 15:10 皇海橋P
 皇海橋15:20 = 16:35 南郷温泉 17:00 = 大間々 = 18:50

  皇海山の場所
 この地図は、国土地理院発行の地形図を使用したものである (経緯度線は20秒間隔)

南郷温泉 しゃくなげの湯 (¥550)


 皇海山と奇妙な読み方をする山を初めて知ったのは、まだ私の学生時代で、木暮理太郎さんの「東京から見える山」の写生からであった。
 それは赤城山と男体山との間に、錯綜した前山の奥に、牛の背のようなドッシリした山容を覗かせていた。
 (中略)
 東京からの見取図では横背の長い山であったが、初めて近くから眺めた時、その横がつまって、颯爽と峰頭をもたげ、一気に下の沢まで落ち
 ている姿は、思わず脱帽したいほどの気品をそなえていた。
 (中略)
 皇海山は、南は六林班峠を経て袈裟丸山に続き、北は三俣山を経て宿堂坊山、錫ヶ岳、白根山へ伸びている。
 この長い山稜も道が開かれているのは一部で、あとは藪と戦わねばならない。
 それだけにまだ原始的自然美を保っている山域であって、埋もれた山を探し求める人たちにとって、これから興味の多い舞台になるだろう。

                                   深田久弥『日本百名山』より抜粋



 皇海山は群馬、栃木県境稜上の雄峰である。
 この山への登山はかつて、日帰りでは時間的にも手ごわく、前衛峰である庚申山、鋸岳を越えての1泊2日のコースで登られるのが一般的で
 あった。
 この栗原川林道のコースが紹介され、車を利用すれば往復5時間ほどで行ってこられるようになった。
 登山口となる皇海橋から不動沢のコルまでは、登山道のないほぼ沢通しの道となるため地形図をある程度読める人向きのコースである。
 皇海(すかい)の山名のいわれについては、かつてこの山は笄山(こうがいさん)と呼ばれていたが後にそれが誤読され「こうかいさん」と
 なり、皇海の字があてられたといわれている。
 ちなみに笄とは髪を留めるカンザシのことをいい、皇海山の山容が笄ほどに鋭いことによると思われる。
 関越道沼田ICより国道120号で沼田市追貝まで20㎞。
 追貝旧道の利根町振興局前より、栗原川林道で皇海橋まで23㎞。
 関越道沼田ICより県道沼田大間々線で沼田市利根町の根利地区まで21㎞。
 根利地区より栗原川林道で皇海橋まで22㎞。
 栗原川林道は未舗装で車1台が通行できる程度。
 対向車が来た場合退避するのに苦労する。
 林道山中での車のトラブルは奥に入るほど帰還が困難になる。
                                  
上毛新聞社『群馬の山歩き130選』より



 紅葉にはチョッと遅いかも知れないけど、何年も行きそびれていた山に行くことになった。
 なかなか起きてこないおいちゃんを5時過ぎに起こしたら「何でもっと早く・・・」 と機嫌が悪い。
知るか
 1時間遅れの出発になってしまったので、現地着が9時過ぎたら中止と言い出す始末。
 それでは林道の偵察を兼ねて紅葉ドライブしようよとなだめすかすも、運転に気合が入らないらしい。

大間々、根利経由で栗原川林道を走ることにします。
紅葉を楽しんで追貝に抜ければいいじゃん。
追貝?バカ そんなリスク負えるか。
今日は林道が悪路というので私の車で来ました。

桐生沼田線(県道62号)は思ったよりも快適な道でした。
道路沿いの紅葉が素晴しく、綺麗、きれい ・・・ と何度言ったかな。

 県道沿いの山景色

根利から林道に入り暫らく行くとゲートが閉まっていて引き返す車も ・・・
役場に確認しなかったのですが今日は通行禁止なのかとギコギコUターンしていたら、ちょうど建設会社の車が来て、鹿よけの柵なので開けて入るのだと教わった。

な~んだ。
またまたギコギコUターンして前車に続きます。

 栗原川根利林道に入る
                              ▲ 紅葉が真っ盛りやね~

林道の紅葉は最盛期を迎えて、カラフルビューティフルワンダフル!
1時間弱の長いダートですが、飽きるどころか延々と続く秋に感動です。
テンションメーター 振り切れそうです。

それにしてもガタガタ道ですよ。
ペットボトルが飛んでった。

 崖に生えるツツジが赤い

前方に皇海山が見えてきた。
深田百名山です。

 皇海山が見えてきたけど、まだ遠い
 
                                         ▲ 林道の紅葉

ダートを40分くらい走って、登山口の皇海橋に着いた。

橋の両側に駐車スペースがあり、既に車がいっぱい停まっています。
手前の空きスペースに停める。

 皇海山登山口駐車場(皇海橋)

橋を渡ってトイレに行くと、中に登山者名簿があったので記入します。
下見のつもりで来たけど、何気に登山モードに切り替わっていました(^^

 皇海山公衆トイレ(水洗)

11人の団体さんと共にスタートしました。

 皇海橋から登山口へ

林道支線から不動沢沿いの道に入り、すぐに飛び石伝いに渡渉。
踏み跡を行ったら怪しくなったので、沢の道に戻る。
その時においちゃんが浮石に乗って軽くこけます
団体にバッチリ見られた ・・・ カッコ悪りい。

紅葉を見ながら、だらだらと登る。
しばらく右岸の笹原を進んで、最初の二俣で沢に下ります。
渡渉を繰り返しながら、沢にからんで登る。

 最初の渡渉点
                              ▲ カラマツの黄葉林にうっとり

赤や黄の自然林からカラマツに植生が変わります。
カラマツの針のような枯葉がハラハラと舞い落ちています。
感傷の秋やね ・・・

足元の道も石もカラマツの葉で黄色くなっています。

 涸れ沢は歩きにくい

不動沢から離れず登って行くと、ガレた涸れ沢になり歩き辛いです。
いよいよ源流の詰めですよ。
踏み跡を辿って急斜面を登り上げると道が消えました
そのまま笹藪を登れば沢の上部に出られそうだけど、戻ることにする。
この失敗をまた団体さんに見つかってしまいました(^^;

トップがちゃんと確認して歩けよ
だって付いて来てるじゃん ・・・ だったら自分が先に行きなよ
プチバトル勃発。

 道がないじょ~

トップを代ったおいちゃんは、どんどん行ってしまいます。
が、渋滞してました。

ロープの張られた急斜面で団体さんが手間取っています。
なんとも歩き辛い道です。
木の枝や根っこをつかんで登りました。

 最後の急登で渋滞です

やっと不動沢のコルに着くと、鋸山が目の前で手招きして待っています。
とんがってます。
今日は鋸山がメインで、深田百名山の皇海山はおまけです。
おまけじゃ百名山に失礼じゃん。

コルで一息入れて、鋸山をめざす。
ザック? 簡単なピストンだから置いてこ。

 不動沢のコルから鋸山

笹原を進むと、日光連山が姿を見せます。

 日光の山々

笹のアップダウンを三回繰り返して、鋸の基部に到着。
とんがってて急やね~。

ここからはロープや木を頼りに岩場です。
最初の岩に立つと展望抜群。
登ってきたカラマツの林が真っ黄黄に見えました。
皇海山もでっかくて重厚です。
皇海山は登る山というよりも見る山かな。

 鋸山を見上げる

                             ▲ 最初の岩場を乗り越える

ロープの助けを借りながら順調に高度を上げる。
山頂直下の壁には長いロープが下がっていますが、ちょっと古そうなロープなので補助的に使いました。
遠くから見ると尖がっているので心配でしたが、思ったより簡単に山頂に立てましたね。

 山頂直下の長いロープを登りきるはらっぱ

改めて目の前に大きな皇海山、そして少し霞んでいますが360度の素晴しい眺めです。
袈裟丸、赤城、子持山、上州武尊、日光白根、太郎山、男体山。
西は群馬県で東は栃木県。

 鋸山頂で
                                         ▲ 鋸山頂からの眺め

山頂では一組のカップルさんが食事中です。
絶景展望をおかずにできて羨ましいなあ。
山頂付近には石楠花の木がいっぱいありました。

ここでランチにしたかったけど、ザックを置いてきてしまったのだ。
大失敗の巻。

一通り眺めて、空きっ腹を抱えて下る。

 ちょっとちょっと、足が届かないでしゅ

コルで少し休憩して、皇海山にも登りましょう。
こんなとこでランチにしたくないので、山頂まで我慢です。

ここからも結構急で、登り辛い山でした。
おいちゃんがシャリバテ気味で徐々に遅れ始めます。
落ちている枯れ枝がうどんに見えるって。

 シャリバテおいちゃん

途中の開けた場所でダウン休憩。
気を取り直してファイト、山頂をめざします。

登山道に木が横倒しになっていて、乗り越える場所が数箇所ありました。
しかもぶっとい木ばっかりです。
またぐのが無理なとこは、上に上がったり下りたり、くぐったりします。
シャリバテ度倍増!!

 おいおい!やめてよ

 鋸山と袈裟丸山          ▲ 青銅の剣(庚申二柱大神)

山頂は60人位で混雑しているとの情報でしたが、私達が着いた時は団体さん等が下った後で静かに食事できました。

家で刻んできた野菜入りのけんちんうどんが暖かくて美味です。
寒くなると、ラーメンよりうどんの方が美味しい気がします。

 百名山の山頂ですよ

鋸山でお会いした栃木(佐野)カップルの隣に座ります。
手作りという背当て付きのザックを見せていただきました。
具合良さそう。

ランチが済んだら後は下るだけです。

 手作りの背当てを付けたザック
 
 
 
                                           下山風景

チンタラチンタラしたり、ダッシュしたり
展望は全く望めない沢筋の下りですが、紅葉黄葉が綺麗です。
ただ足元が危ないので、気を使いながら慎重に下りました。

登山口に着いた時には、ほとんどの車がなくなっていた。
それでもトイレ側に5台、登山口側に3台ありました。
遅い下山です。

 帰り支度ですよん

またまた長い林道を、紅葉を眺めながら帰ります。

マウンテンバイクで走っている若者を追い越します。
こんな悪路なので明るい内に町に着くのかチョッと心配になりました。
少し行くと、仲間数人が空き地で伸びていましたよ。

有名だけど行ったことのない南郷温泉までわざわざ足を伸ばします。
すっごく立派な施設で、大勢の人で賑わっていました。

 帰りの方が紅葉は奇麗だった