2009.06.12 (金)   K2Couple No.0233 

庚申山
こうしんざん(栃木県)
1,892m
楽しいお山巡りと岩壁のコウシンソウ

コース最大標高差 : 1,050
コース累積標高差(+) : 1,670
コース累積標高差(−) : 1,670
コース距離 : 14.8 km
行動時間 : 10'20"

* 距離と累積標高差はKASHMIR 3Dによる概算値です
* 距離は地図上のもので、実際の登山道の長さではありません

 絶滅危惧種の天然記念物、コウシンソウ
  3:40 = 伊勢崎 = 5:15 足尾銀山平登山口P

 登山口P 5:25 ... 6:30 一の鳥居 6:45 ... 7:20 鏡岩 7:25 ... 8:00 旧猿田彦神社跡お山巡り分岐 【BF】 8:20 ... 8:50 笹尾根出合 ...

 9:00 庚申草群生地 9:50 ... 10:20 分岐 ... 10:40 庚申草群生地 11:05 ... 11:30 庚申山 見晴台 【L】 12:05 ... 12:35 分岐 ...

 13:15 庚申山荘 ... 13:20 猿田彦神社跡 13:25 ... 13:50 鏡岩 ... 14:15 庚申七滝 14:50 ... 15:45 登山口P

 登山口15:55 = 15:55 かじか荘 16:45 = 伊勢崎 = 18:40


  庚申山の場所

この地図は、国土地理院発行の地形図を使用したものである (経緯度線20秒間隔) 

足尾温泉 国民宿舎かじか荘 庚申の湯  (¥600)


 庚申山は群馬・栃木両県にまたがる足尾山塊の中でも特に人気の高い山である。
 その山頂は旧栃木県足尾町(現日光市)の西部、群馬・栃木県境の栃木県側にある。
 古くからの信仰の山で、今から1200年前に勝道上人によって開山されたと伝えられている。
 また、特別天然記念物のコウシンソウの自生地としても知られている。
 山頂部は緩やかだが、その前衛には奇岩や岩壁が立ちはだかっている。
 山頂下の庚申山荘までは歩きやすく快適な道だが、山荘から山頂までは鎖場やハシゴなどのあるスリルある登山路になっている。
 例年では11月初旬に初雪を見る。
 5月の連休の頃には尾根筋の雪もほとんど消える。

                                   上毛新聞社『群馬の山歩き130選』より



 何年も前から夢見ていたコウシンソウにやっと会ってきました。

 夕べ11時のこと「土日はダメそうだけど明日の天気は良さそうだよ」「だったらコウシンソウ見に行こうよ」 ・・・ で決まり。
 急いで地図をプリントアウトして、忙しく「気まま」さんや石塚隊、sanae隊の記録をチェックします、フムフム。
 いつもながら慌ただしい山行前夜です(^^;


登山口の車止めに駐車スペースがありますが、戻って広い駐車場に停めましょう。
ここにも既に3台、もう出発しています。

何やら肌寒く、気温は8℃でした。
先週の志賀は14℃だったので驚きです。
曇り空。

 銀山平登山口のゲート前

さあ長い林道を歩いて行きましょう。
コアジサイはまだ咲き始め、ヒメウツギは咲いています。
ニシキウツギは終わりかけ。

庚申川の沢音や滝の音を聞きながらの歩きです。
歩き始めは肌寒かったけど、少しずつエンジンがかかってきます
舗装路が少し続いてその先は砂利道です。
いきなりマウンテンバイクが追い越して行きました。

 深まる緑の林道を行く

トラック道歩きは膝にこたえ、おいちゃんにおいてかれます(^^;
途中で膝サポーターをつける。

天狗の投げ石を過ぎた所に、さっきの自転車が置いてあった。
ちょっと見に自転車は楽そうだけど、私達には無理、この道では持て余しそうです。
緩い登りのうえ、路面はガタガタ。

えっ、天狗様が石を投げるの?

 天狗の投石

小一時間歩いて一の鳥居に到着、休憩します。
若いカップルさんと白髭の男性と一緒です。
暫く世間話。

 一の鳥居

ここからは沢沿いの山道ですが、周りは広々として公園のように美しい。
木の橋を何度か渡り返す。
単独の釣り人発見。
花を開き始めたクワガタソウが賑やかです。

鏡岩のベンチに腰掛けて水分補給です。
傍らに悲しい逸話が掲示してありました。

 鏡岩
 沢の風景 クワガタソウ ミヤマキンバイ ショウキラン

夫婦蛙岩や仁王門など変わった大岩があった。

谷間に日が射し始める頃、春蝉と蛙の合唱が始まります。
静けさを強調するかのような賑やかさですよ。
ブッポウソウのホホッホホッっという声が絶妙なリズムを刻んでいます。

明るい谷筋。
心和む登山道です。

 明るくて開放的な沢

飾りつけたようにヤマツツジが綺麗に咲いている先は、旧猿田彦神社跡。
庚申山開山の師勝道上人によって、この地に猿田彦の神霊天津祖庚申猿田彦大神を祀ったのだそうです。
神社はおいちゃんが生まれた年に焼失したとありました。

お山巡りコースの分起点です。
クリンソウがいっぱい。

花を眺めて写真を撮ったり、案内板を読んで一息入れます。

 旧猿田彦神社跡を飾るヤマツツジ
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 旧猿田彦神社跡地             お山巡りコースのガイド
 奉納された刀剣?  クリンソウ  同アップ

分岐を右の「お山巡り」コースに進みます。
大岩壁をトラバースする楽しい道です。
クマザサの登りやすい道ですが結構急で、グングン高くなっていく。
標高が上がると南東が開けてくるが、どこの何山なのかさっぱり。
大きい山はありません。

天気が良ければ筑波山が見えるんだそうですよ。

 登ってきた笹尾根

尾根の上部ではシロヤシオがまだ咲いていました。
ヤシオツツジのシーズンも終了間際ですね。

 シロヤシオ
 南の山並み  満開のシロヤシオ  トラバース気味に

岩壁をへつったり、階段を登ったり、下が崖だったり、上も崖だったり ・・・
怖さはないけど道は細くて気が抜けません。
ちらほらとユキワリソウの花が出てきます。

髭の男性がザックを置いて岩壁に張り付いています。
そこにはコウシンソウとユキワリソウがいっぱい咲いていましたね。
足場が悪く順番待ちです。

 そろそろユキワリソウの出番

見上げると岩の上の方に沢山咲いていました。

言われなければ気がつかないほど小さくて可愛い花です。
しかし侮るなかれ ・・・
コウシンソウは我が国固有のムシトリスミレ類の食虫植物ですよ。
葉の粘液で虫を捕らえる。
庚申山・男体山・女峰山などの日光山塊に分布していて、三好さんと言う偉い学者によって明治23年(1890)に庚申山で発見されたんだそうです。
絶滅危惧II類の特別天然記念物。

 上のほうにもいっぱい咲いてる

湿った岩壁に生えている。
しかも岩から垂直に茎を伸ばしている。

いくら虫を捕まえるためといっても、この姿勢は疲れるだろな。
でもサボってる奴は見当たらない。
生きるって大変なんだよ。

でも夜はだら〜んと垂れ下がってだらけてんかな?
まさか、あんたじゃあるまいし ・・・
見てみたい。

 岩壁に張り付いてる

コウシンソウの自生地の先の大岩には、ユキワリソウが岩を埋め尽くす勢いで咲いています。
こちらはおとなしい性格なので安心して見れる。

分岐から前後して歩いてきた茨木県の男性二人も合流。
5人で寄ってたかってコウシンソウとユキワリソウの撮りまくり大会です。
時間を忘れて ・・・ 忘れた時間が長過ぎました
 撮りまくる二人
ユキワリソウ コウシンソウ ハクサンハタザオ 岩壁に咲く  岩場の様子
コウシンソウ ユキワリソウ(サクラソウ属) これはいかにも虫食べそう

コウシンソウの群生地周辺には撮影目的の踏み跡が多い。
道は下なのに真直ぐ登ってしまいます。
そこには鹿の死骸があり毛が散乱、かなり異臭がしていた。
そして行き止まり。

戻って下を見たら橋あるじゃん。
橋まで急降下します。

 群生地から急降下
 吊橋を渡って ・・・           ▲ 梯子風階段を下りて ・・・
 よっこらしょっと口癖        ▲ 痩せた赤ザレ(馬の背)を渡って
           ▲ 手すり付き階段(鬼の髭ずり)を下りて ・・・                  縄梯子風鉄梯子を下る
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鎖や階段、梯子のアップダウンを繰り返します。
分岐の案内板には、それぞれ岩や橋に名前が付いていましたが、めまぐるしく変わる状況にどこが何やらさっぱり分からん。

で、めがね岩に到着。
ここだけは私でもわかりますよ。(つまり他の画像説明はデタラメ?)

更に同じ様な道を進んで、やっと庚申山荘からの道と合流する。
距離は短いけど面白かったね。

 めがね岩
 折り重なる岩壁        ▲ 雨降ったら行くなって書いてあった
 おっとっとおばさんはらっぱさん            ▲ 好奇心旺盛な年頃
 岩庇の中にあった石祠          ▲ 陽光を浴びて元気いっぱい
 潜れるかな              ▲ またこれかい
ミヤマキンバイ 普通のタチツボスミレ フデリンドウ ウツギ蕾 濃い雪割草

分岐から山頂をめざします。

急な道をゼ〜ゼ〜登ると、ありゃ〜
右の岩場で、また茨木県の二人♂が写真を撮っていますよ。
ここもコウシンソウの自生地だって。
教えてもらわなければ見過ごすねきっと。

 山頂まで急登ですよ

小っちゃな小っちゃな花でしかも細いので、上手く撮れません。
ピントが合ってるのかどうか、はっきり見えない老眼の悲しさ。

茨木の人は凄いマクロレンズで写しています。
私達のコンデジは ・・・ 撃っても撃っても当たりませんよ。
これだけ撮りゃ大丈夫だろ、数で勝負です(^^;

 何とか撮れてました♪
                              ▲ じっくり見れば怖そうな花
 ユキワリソウ           ▲ シロヤシオ(ゴヨウツツジ)

山頂に着きましたが、ここには誰もいません。
不遇なピークです。

周辺にはシャクナゲが咲き残っていました。
私達も少し先の展望台に行きましょう。

 山頂(帰りに)

歩いていると、すれ違った人に「あたさん?」と声をかけられます。
本当ははらっぱですが 「はい」と答えると、リンクしているtomoさんの親戚の方と知人のお二人でした。
私達のHPを見て下さっているとのことで、声をかけてくださり嬉しかった。

共に「気まま」さんのレポを見て来たのでした。
おいちゃんこんなことも知らずに、どんどん先に行ってしまった訳で ・・・

 山頂付近に咲いていたシャクナゲ
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展望台からは素晴らしい眺めです。
目の前の皇海山をはじめ、日光白根山、男体山、太郎山。
遠くは浅間連山、四阿山、草津白根山、その手前に子持山と十二ヶ岳。
至仏山と笠ヶ岳も。

充分展望を堪能したのでお昼にしましょ。
きょうはコンビニの冷やし中華とおにぎりですよ。
スポーツドリンクを凍らせてきたのは正解。
暑い昼下がりには冷たい飲み物が美味しかった。

 鋸山と深田百名山皇海山
 山頂展望台からのパノラマ風景

山頂から下山していると、登ってきた女性に「コウシンソウは咲いていましたか?」と尋ねられました。
えっ、もう群生地過ぎてるがね。
確かに人がいなければ素通りしてしまいますよね(^^

帰りに見られるように場所を説明して別れます。
ゆっくり楽しんでね〜。

分岐から真っすぐ山荘方面に下ります。

 上の分岐

ブリッジになった岩は、振り返ると「一の門」と書いてありました。
ここもまっすぐ進んだら崖になり行き止まり。
戻ると真下に向かって道があった。

こちらも鎖や梯子が連続します。
大きな岩壁にはユキワリソウがいっぱい咲いていますね。

水が滲み出して上からポタポタと落ちています。
霧雨のような滝のようになったとこもあります。(裏見の滝かも)

 一の門
 木を伝って下りる  岩場を下る  上から水が落ちてきます


 山荘が見えてくるとクリンソウがビッシリはえている広場に出ます。
 そばには鳥居や水場もありました。

 クリンソウだらけ            ▲ 鮮やかな色彩です

一応山荘を見て帰りましょう。
小屋の前では、男性二人が作業をしてました。

庚申山荘は後ろに切り立った庚申山の岩壁が屏風のように聳えていて、何だか大自然の懐に守られているように見えます。

ここから六林班峠に道が伸びている。

 庚申山荘
ニシキウツギ コアジサイ ズダヤクシュ ムラサキゴケ  ヒメウツギ

山荘からの下りで、登ってくるグループとすれ違いました。
今夜は山荘かテン泊ですねきっと。

朝の分岐に戻って休憩します。
まだ先は長いな。
また春蝉の歓迎です。

一の鳥居手前から庚申七滝へ寄り道しよう。
チョッとの距離だし。

 庚申七滝の上部

帰ろうとしたら、山頂下でお声かけいただいたまきまきさん隊が再登場。
素敵なお二人と今度はおいちゃんも交えて歓談。
記念写真を撮ってお別れしました。

またまた長い林道を戻らなければなりません。
クネクネした道をグレグレ歩いて帰ります。
ようやく駐車場に着くと、まだ何台も車が停まっていましたよ。

 まきまきさん&友人と共に

足尾温泉庚申の湯は露天風呂を独占してのんびり。
新緑も鮮やかだし、お湯も気持ちよかった。

明日は土曜日。
大勢の方がこの山に登るでしょう。

 庚申の湯(露天風呂)

 おまけ 【 おいちゃんの身に起こったどうでもいいハプニング 】 
  階段を下っているときに、おいちゃんの靴紐をかける金具に階段の針金が食い込み動けなくなってしまったのです。
  ズボンを挟んだまま木の階段と靴がくっついて、無理するとズボンがびりびりになりそうでビクともしません。
  知恵の輪状態です。
  靴を脱いで足を抜いても、ズボンが噛んでるのではずれません。
  登りの登山者も通行止めになり、ことの成り行きをじっと見守っています
  ズボンも脱げば  ばかっ
  変な姿勢で足の筋肉もピクピク。
  あれこれやっているうちに、絡まった針金がようやく外れました (^^
  でもズボンに、でっかい穴があいてしまいましたとさ。
  長い人生には、理解を越えたこんな馬鹿なことが起きるんですね、あ〜やだやだ