2008.08.03 (日)   K2Couple No.0202 

伊吹山
いぶきやま(滋賀県・岐阜県)
1,377m
百花繚乱、ガスガスそして人人人

コース最大標高差 : 135
コース累積標高差(+) : 260
コース累積標高差(−) : 260
コース距離 : 4.2 km
行動時間 : 4'05"
* 距離と累積標高差はKASHMIR 3Dによる概算値です
* 距離は地図上のもので、実際の登山道の長さではありません
 山頂付近のお花畑
 広島ばあちゃん家 22:30 = 広島西条IC/山陽道・中国道・名神・新名神/甲賀土山IC = 一般道 = 八日市IC/名神/関ヶ原IC =

 伊吹山ドライブウェイ = 5:35 伊吹山頂駐車場

 伊吹山頂駐車場 7:15 ... 西遊歩道 ... 8:25 伊吹山 山頂散策 【BF】 9:15 ... 東遊歩道 ... 9:55 駐車場 ... 中央遊歩道 ...

 10:15 伊吹山 山頂散策 10:40 ... 西遊歩道 ... 11:20 駐車場

 山頂駐車場 11:35 = 12:10 伊吹文化センター 15:05 = 15:20 関ヶ原歴史散策 16:35 =

 関ヶ原IC/名神・東名・中央道 17:50 恵那峡SA 【DNR】 18:30 長野道・上信越道/藤岡IC = 0:15


     伊吹山の場所
 この地図は、国土地理院発行の地形図を使用したものである (経緯度線は20秒間隔)

伊吹薬草の里文化センター薬草湯 (¥400)


 東海道全線中これほど山の近くを走る所はなく、その中で私のいつも見とれるのは伊吹山の姿であった。
 それはボリュームのある山容で、すご目の前に大きくそびえている。
 (中略)
 それほど伊吹山は目立つ山であるから、古くから世に知られて歌や詩に詠まれた。
 「景行記」の中にすでに伝説が現れる。
 日本武尊が東征からの帰途、この山に妖神がいると聞き、それを退治に登ったところ、その化身の大蛇の毒に当てられ、麓の醒ヶ井の水を飲
 んで毒から醒めたが、ついに伊勢で亡くなったという。
 その伝えから頂上に日本武尊の石像が立っているが、尊にお気の毒なくらいみっともない作りであるのは残念である。
 (中略)
 しかし私は薬草採りでないから、草花の詮索よりも、登るに従い展けてくる眺望に心を奪われた。
 真南に大きな頭をもたげているのは霊仙山、その奥に連なっているのは鈴鹿の山々である。
 眼下の近江の平野は菜の花盛りで、モザイクのように青の中に貼られた黄色は、眼が染まるばかり鮮やかであった。
 琵琶湖には春霞が棚引いて、その向こうにボウとかすんで見えるのは比叡比良の峰。
 比良はまだ雪の斑を置いていた。
 平野の眺めはまことにのどかであったが、元亀天正の世にはそのあたり一帯は血腥い戦場であった。
 賎ヶ岳、姉川、関ヶ原など、有名な古戦場が手に取るように望まれた。
 小山が複雑に立っていて、なるほど昔の歩兵戦闘には作戦に好都合だったのであろう。


                                                  
深田久弥『日本百名山』より抜粋


 今回の山行はひょうたんから駒だった。
 広島の法事出席のため、はらっぱだけ数日早く帰省する事になっていた。
 後から来るおいちゃんが 「たまには独りで車で行こうかな・・・」 と口走ったことが始まり。
 「だったら帰りに伊吹山に寄ろうよ」 ・・・ 即決です。

 法事のアルコールが残っているおいちゃんを助手席に乗せて、夜10時半にはらっぱ運転で広島の家を出発します。
 おいちゃんは間もなく、荷物と一緒に後で寝てしまった。

順調に大阪、京都を過ぎ滋賀県に入ってハプニング発生。
時は午前3時、左は名古屋、右は北陸自動車道の標識が目に入り
結果新名神高速に入ってしまった(^^;
私とした事が何という不覚 ・・・ おいちゃ〜ん
「起きてよ、道間違えちゃったよっ」
「んどしたの 今どのへん走ってんの ぎゃ〜

おいちゃんは、寝ぼけ眼ながら善後策を練ります。
信楽ICはスルー、甲賀土山ICを下りて一般道を名神八日市ICに向かおう。

 伊吹山ドライブウェイで夜明けを迎える

予定より遅れたけど、ちゃんと関ヶ原ICに着いたよ。
ドジな前置きが長くなっちゃいましたが、本編に入ります。

伊吹山ドライブウェイ(17Km)は想像以上に長かった。
走っている内に夜が明けました。
途中の展望台に寄ってみますが、雲を赤く染めただけで朝日が昇るのは見られなかった。

 山頂はガスがかかって見えない

山頂駐車場の辺りはガス、ガスで何にも見えません。
それでも、そこそこの車やバスが来ていてびっくりです。
その割りに人が少ないのは、皆さん様子見をしているのでしょうか?

ポチポチ出発して行く人達もいますが、我が隊は車の中でグズグズ。
陽が昇れば少しは良くなるかと待ちますが、好転の兆しはありません。

長袖やカッパを着込んで出かける人が多い中、半袖で颯爽と出発します。

 西遊歩道から登ろうか

駐車場から山頂までは三本のコースがあり、花が一番多いらしい西遊歩道から入ります。
すぐにシモツケ、メタカラコウ、オオバギボウシ、クガイソウなど。
賑々しく出迎えてくれる。

砂利石のちょっと歩き辛い道を、花だけ眺めながら前進です。
人はあまりいませんから、好きなように歩きます。

 道幅は広く傾斜も緩いので足元は心配なし
 クサフジ       時々ガスが取れて姿を見せる山頂方面
                                 ▲ メタカラコウ

山頂近くなると、徐々に小広く草原状になり花の数もやたら多くなりました。
そして山頂まで続くお花畑が広がっています。
一面がピンクのシモツケソウで埋め尽くされている。
これだけたくさん咲いている山は他にはないかも知れません。

景観は高山の高茎草原らしく、高山植物と言うよりも山野草がゴチャゴチャに混ざって咲き競っている感じですね。

 シモツケソウとメタカラコウ

時々ガスがとれると関ヶ原や米原の町がうっすらと見えます。
スキー場からもたくさんの登山者が登って来る。

 一瞬ガスが切れて街だ〜
 花の終ったサラシナショウマとメタカラコウ            陽がさせば綺麗なのに・・・

きょうは楽々チョンボコースにつきザックもなし。
サブの中身は飲み物とおやつしかありません。

山頂には数軒のお店があり、私達は「えびすや」さんで朝食にしよう。
朝は結構涼しかったので、暖かい中華ソバを注文。

その中華ソバが小さくて小さくて、何とも可愛いドンブリなのです
こんなんで大丈夫かいな。

 この食堂で簡単な朝食

再び日本武尊像にお参りをして、お賽銭を奉納。
伊吹山は古くから霊峰とされ、日本武尊が山の神との戦いに敗れ傷を負った地らしいです。
他にもいくつか石像が安置されている。

ガスが切れるのを暫く待ちますが諦めよっかな。
下り専用の東登山道を下ります。

 ガスが晴れますように!!
                                イブキジャコウソウ
  シモツケソウ          ▲ シシウドとシモツケが目立ちます

下山専用にしているのは道が狭いせいかな?
粘土質で滑り易い道でした。
人は殆んどいません。

こっちもシモツケのお花畑が広がっています。
どこへ行っても同じような風景で、頭の中までシモツケソウだらけです。

 霧が優しく包みます

前を行く女性二人が、ハルジオンの花を抜きながら歩いて行く。
んっ 何やってんだ。
堪らずおいちゃんが注意をすると、山の花を守る為に邪魔な花を抜いているのだそうだ。
そういったボランティアの会の呼びかけがあるのだそうです。

抜かれたり折られたりした花が登山道に散らばっているのを見ると。
どんな事情があるのか知りませんけど。
悲しい複雑な気持ちになりますよ。

 東遊歩道を下る

綺麗なアサギマダラがたくさん飛んで、ヒヨドリの花にとまっている。
愛好者がでかい望遠で狙っているので、傍をそっと通る。
「すみません・・・」 通りがかりに何気に謝ってしまう小市民です。

チョッと道から離れた場所には紫の大きな花が数株。
イブキトリカブトのようですが、写真にしたら小さくて小さくてボツ (^^;

 アサギマダラ

駐車場が見えてきましたが、ご覧の通り満杯でした。
凄すぎ (^^;

 
 いつの間にか駐車場は満杯
カワラナデシコ トモエソウ イブキボウフウ ウツボグサ ミツバベンケイソウ
キンミズヒキ ノリウツギ ヤマホタルブクロ キンバイソウ ヨツバヒヨドリ
キオン ミヤマコアザミ コウゾリナ ツルニンジン ダイコンソウ
コオニユリ マルバタケブキ キバナノレンリンソウ イブキジャコウソウ ウバユリ
イブキフウロ オトギリソウ コバノミミナグサ タケシマランの実 ミツバベンケイソウ

暇なので、中央遊歩道からもう一度登ってみる事にします。
ひょっとしたらガスが晴れるかもしれないし。

直線的に登るのでちょっと急ですが、石と丸太で階段が整備されているので、とても歩き易い道です。
汗をかいて駆け上る、ゼ〜ゼ〜。
そして山頂に至るまで、振り返ると常に駐車場が見えるコースです。
少し登るとお花畑が広がり、風も爽やかです。

 中央遊歩道を登る

20分弱で、きょう二度目の山頂GET。

少しは景色が良くなっているかと期待したにもかかわらず、人だけがどんどん増えていました。
小さな子供からお年寄りまで、まるで公園みたいですよ。
うんうん、そうです公園です。

ハクサンフウロは沢山ありましたが、イブキフウロはたった一つだけしか見つかりませんでした。
花びらの先が三つに分かれている。

 またまたピンクのシモツケソウ

最初の登頂(大げさですけど)時に見つからなかった一等三角点にタッチ。

伊吹山は岐阜県と滋賀県の県境にある伊吹山地の主峰です。
深田百名山、花の百名山。
そして三角点が置かれている頂上は、滋賀県米原市。

おやつを食べてのんびり過ごしますが、山頂は相変わらずガスです。
太平洋と日本海にはさまれた地形、そういう場所なんだろ。

 一等三角点にタッチ

やっぱり下りは花の見ごたえのある西遊歩道を選択。
ところが朝登った時の風景は一変し、人の山になってました。

団体さんが次々と登ってきて、道を埋め尽くしています。
近県に住む人たちにとって、馴染みの故郷の山なんでしょうね。

結局きょうは琵琶湖は勿論、若狭湾も伊勢湾も見ることができませんよ。

 お花畑の賑わい
 メタカラコウも目だっています            人がどんどん登ってきます

駐車場は観光バスと車がギッシリ。
そして溢れる人、人、人 ・・・
駐車場に入れない車が、延々と3Km以上も順番待ちして並んでいました。

あの人達は何時になったら山に登れるのでしょう?
3,000円も払ってやってきたのですから、Uターンするのも悔しいしね。

 恋慕観音像から見る西遊歩道
ツリガネニンジン ツリガネニンジン シュロソウ クルマバナ イブキシモツケ オオバギボウシ
イワアカバナ イヌトウバナ ワレモコウ ルリトラノオ クガイソウ イブキトラノオ
クサフジ ハクサンフウロ クルマバナ メタカラコウ コバノギボウシ オオバギボウシ


 出会った花々

      イブキトラノオ、イブキフウロ、イブキジャコウソウ、イブキシモツケ、イブキボウフウ、シモツケソウ、ルリトラノオ、ハクサンフウロ、オトギリソウ、シシウド、
      ギンバイソウ、ヤマホタルブクロ、メタカラコウ、マルバタケブキ、ウマノアシガタ、ワレモコウ、ウツボグサ、サラシナショウマ、コバノギボウシ、キオン、
      ノリウツギ、カワラナデシコ、ツリガネニンジン、ツルニンジン、ヨツバヒヨドリ、オオバギボウシ、キンミズヒキ、ミツバベンケイソウ、ミヤコアザミ、アカン、
      キバナカワラマツバ、キバナノレンリンソウ、トモエソウ、シュロソウ、コオニユリ、クルマバナ、イワアカバナ、クガイソウ、コバノミミナグサ、コウゾリナ、
      タカトウダイ、クサフジ、サラシナショウマ、タンポポ、ヒメジオン、クサボタン


伊吹山ドライブウェイを下って伊吹薬草の湯に行きましたが、ここも山帰りの人でいっぱいでした。
睡眠不足を解消するため雑魚寝の仮眠、3時間も過ごしてしまった。

実はおいちゃん、法事のあとも親戚でお酒をご馳走になり、運転する気がないせいか車のキーを私の実家に忘れてきてしまった。
【ここで問題です】 キーを忘れて、どうやって車で帰れたのでしょうか?

宅急便で送るので、明日の昼には届くって・・・
途中で落としたんじゃなくて良かったね。

 薬草の湯の傍の道から伊吹山

時間があるので、石田三成が陣を構えた笹尾山や関ヶ原合戦の地を訪ねます。

芭蕉が「夏草や兵どもが夢のあと」と詠んだのは奥州のことですが、まさにつわものどもが夢の跡のように静けさに包まれた厳しい暑さの関ヶ原でした。

 笹尾山の石田三成陣跡

関ヶ原歴史資料館を見学して、関ヶ原ICに向かう。

名古屋から中央道に入り、恵那峡SAでしっかり夕食をとります。
ここ2、3日、不規則な生活が続いていたので、定食が美味しかった。
さすがに疲れたな〜。

広島の行き帰りに新幹線の窓から、車の窓から眺めていた伊吹山ですが、こんなに沢山の花が咲いている山だとは想像したことすらなかった。
そして、仕事が待ってるからといつも慌ただしく通りすぎていた山。
やっと登った。

 関ヶ原合戦の地