2007.10.06 (土)                        K2Couple No.0176

焼岳
やけだけ(長野県・富山県)
2,393m
紅葉と噴煙の焼岳から北ア大展望

コース最大標高差 : 803
コース累積標高差(+) : 965
コース累積標高差(−) : 965
コース距離 : 7.1 km
行動時間 : 6'25"

* 距離と累積標高差はKASHMIR 3Dによる概算値です
* 距離は地図上のもので、実際の登山道の長さではありません

 南峰と北峰のコル付近から吹き上げる水蒸気

  22:00 = 藤岡IC(上信越道)更埴JCT(長野道)松本IC = 1:15 新中の湯登山口p車中泊

 新中の湯登山口p 6:20 - 7:15 ベンチ 7:25 - 7:50 二千米ポイント - 8:00 釜トンネルコース出合 - 9:20 南北峰コル -
 9:30 焼岳北峰(L) 10:15 - 11:20 トンネル分岐 11:30 - 12:45 登山口p
 新中の湯登山口p 12:55 = 13:00 新中の湯 14:05 = 松本IC(長野道)更埴JCT(上信越道)藤岡IC = 17:10







 島々からバスで上高地に入ろうとする時、釜トンネルを抜けると不意に
 眼の前に、あたかもこれから展開する山岳大伽藍の衛兵のように、突っ
 立っているのが焼岳である。
 よく知っている風景とは承知しながらも、いつも私はここで、初めての景
 色に出会うような新鮮な驚きを感じるのは、どうしたわけであろうか。

 焼岳は微妙な色彩のニュアンスを持っている。
 濃緑の樹林と、鮮やかな緑の笹原と、茶褐色の泥流の押し出しと ・・・
 そういう色が混ざりあって美しいモザイクをなしている。
 しかも四季の推移によって、そのモザイクも一様ではない。

 ある秋の晴れた日、焼岳はまるで五色の着物を着たようにみごとだった。
 あの形なども簡単に見過ごすとただのコブにすぎないが、よく見つめると、
 岩や亀裂の具合が複雑な山容を作っている。
 学問の方では鐘状火山といって、類の少ない火山だそうである。
 こぢんまりしていて、足元からてっぺんまで山全体を一目で見得ることも、
 北アルプスでは珍しい。

 焼岳は付近の群雄に比べたら、取るに足らぬ小兵かも知れぬ。
 だがこの小兵は他に見られぬ独自性を持っている。
 まず、日本アルプスを通じて唯一の活火山である。
 頂上から煙が上がっている山はほかにない。

                                         
                               深田久弥 『日本百名山』 より抜粋




          
焼岳の場所
  この地図は、国土地理院発行の地形図を使用したものである (経緯度線は20秒間隔)

中の湯温泉 (¥700)

 世の中は三連休ですが、おいちゃんは休みなし。
 天気予報で台風の近づいている九州以外は快晴マークと聞いて、はらっぱは落ち着きません。
 都合をつけて、土曜日だけ仕事を休むことにした。

 短時間で登れて ・・・ 展望が良くて ・・・ 秋の気配が感じられて ・・・ 相当欲張り?
 と言うことで、上高地の焼岳に決定です。

またまたREIREIにお婆ちゃんを頼んで、夜のうちに家を出る。
1時過ぎに安房峠
(厳密には峠手前10号カーブです)駐車場に到着。
下弦の月が明るい。
駐車予約でもしていたかのように、一台分だけスペースがあった。

安曇野の夜空は☆☆☆(^^ 満天の星です。
こんなにたくさんの星を見るのは、6月の横岳以来。
車窓から星を見ながら眠りに就く

 中の湯登山口(安房峠)の駐車場の朝

放射冷却現象で、夏用のシュラフだけでは寒くて何度も目が覚める。
今朝は全国的に冷え込んだようです。
各地で初霜の便りもあった。
富士山初冠雪。

徐々に空が白んで、車の正面に前穂・奥穂の吊尾根が見える。
空が紅く染まったところで、はらっぱ撮影隊の出番です。

私達の後に来た人たちが、既に路上駐車を始めている。

 穂高岳(駐車場から)

他の車の人達が次々に出発して行くので、私達も続きます。
初めは車道沿いに平坦路で歩き易い。
新中の湯からのルートは焼岳の最短コースだと思いますが、結構急勾配でその上根っこの張り出しや段差の大きい岩ゴロ道で登りにくかった。

昨日恵那山に登ったという神戸のご夫婦と話しながら暫く登ります。
最初のベンチで一本、ここで神戸Coupleと別れた。

昨日雨が降ったのか、登山道がぬかっていて気を使う。

 ヌカルミの多かった登山道

二千米ポイントに近づくにつれ、山頂が木々の間に垣間見えます。
嬉し〜い

そして、秋の冷たい爽やかな風が吹き抜けて、気持ちいいですよ。
ここからは山頂と紅葉を見ながらのルンルン登りです。
ブナやナナカマドそして周りの木々達も、紅や黄色に色付き始めている。

 紅葉の間に山が見えてきた

二千米ポイントを過ぎ、釜トンネルからのコースを合わせると間もなく下ノ掘沢右岸に出て、展望が開ける。
いきなり前穂と明神岳が正面に見えて感動ものです。

ここからは森林限界も越えて眺めがいい。

 お天気はいいし
 下ノ堀沢に出て、穂高岳と霞沢岳の展望が開けます
オンタデ ヤマハハコ クロマメノキ アカモノ

登山道脇にはシラタマノキ、クロマメノキ、アカモノ等の実が沢山。
特にシラタマノキは、下から山頂まで他では見られないほどの大群落を形成していた。
下ノ堀沢出合から上は、熊笹の緑とオンタデの黄葉、ナナカマドの紅葉のコントラストが見事ですよ。

 ピンク色に染まったシラタマノキ

丸太の階段が何ヶ所もあったが、しっかりしていて歩き易い。
危険な所も全くなく、子供連れもチラホラ見かけます。

 丸太の階段もあります

しかし登るにつれて山頂がかげってしまい、期待の展望が心配になります。
そのうち青空が戻るよと、超楽観的なおいちゃんはマイペース。

上高地から見る焼岳は一つの山頂のどっしりした山に見えるが、ここから見ると南峰と北峰に分かれていて全く形が違いますよ。

 潅木帯から見上げる山頂部

山頂からモクモクと吹き上げる白い蒸気は風にたなびいている。
振り向けば、乗鞍岳や中央アルプスが見えた。

 振り向けば乗鞍岳

露岩帯を遊びながら、ゆるゆると登る。
そして岩の上に陣取り下方を見下ろして、またもや休憩タイムに突入です。

 空は晴れたり曇ったり

神戸Coupleはコル下で食事中。
もう山頂に行ってきたとのこと、早〜。

山頂は風が強かったらしい。

 もう少し

火山特有のザラザラした砂礫混じりの斜面を登りきると、南峰と北峰との鞍部に着きます。

最高峰(2,455m)の南峰が間近に聳えているが、崩落の危険があるため立ち入り禁止になっている。

 コルに着きました

                               山頂の火口湖と噴火口
 南峰と北峰のコル  南峰の方が62m高い  北峰をめざして硫黄臭の中を登ります

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                           ▲ 上部コルから北峰をめざす人たち

コルからは火口湖と火口壁が深く落ち込んでいて、荒々しい。
噴気孔のある北峰直下を廻り込んで、北峰一角の上部コルに出ます。
焼岳小屋(中尾峠)からの道もここに登ってきている。
あちこちから火山性ガス(水蒸気)が立ちのぼっている。

期待の青空には恵まれなかったが、北アの大展望です。

▲ 山頂へ

さて、いよいよ山頂へ。
シュ〜シュ〜と音を立てて蒸気を吹き上げている岩峰を攀じ登る。

噴気孔は硫黄が付着して黄色くなっていた。
大好きな硫黄温泉の匂いそのまま。

焼岳は、飛騨山脈の中では最も活動の激しい活火山である。焼岳の溶岩は、粘性が強いた
め溶岩ドームを形成し、火山の熱源は、麓に多くの温泉を湧出させている。1911年に年間22
回の小爆発を記録、1915年(大正4年)には大爆発を起こし、泥流が梓川を堰き止めて大正
池をつくった。最後の噴火は昭和36年だが、現在でも山頂付近には噴気口が活動中である。

 火山性ガスを噴出す噴気孔

大パノラマが展開する焼岳山頂、日本百名山です。
奥飛騨の名峰笠ヶ岳、鷲羽岳、西鎌尾根を経て槍ヶ岳、伸びやかな吊尾根の穂高連峰、蝶ヶ岳、中央アルプス、乗鞍岳 ・・・
先週の五龍岳とは逆方向から槍を見る嬉しさ。

山頂は大勢の人たちで賑わっていた。
風も収まり、穏やかな至福の時間を過ごす。
おいちゃんのお気に入りの山に登録されました。

 槍ヶ岳をbackに久々のツーショットです

                                焼岳北峰からの大展望
クリックで拡大
                         ▲ 山頂直下から穂高の吊尾根

西穂の新穂高ロープウェーが昇っていくのが見える。
もちろん西穂小屋も、焼岳小屋、中尾温泉も。
東に目を移せば上高地が望まれ、泊まったことのある上高地温泉ホテルや帝国ホテルの赤い屋根が・・・
西に目をやれば白山や飛騨高山の町も見えた。

中尾峠から単独で登って来られた大垣市の68歳男性と話す。
焼岳小屋分岐(コル)に下って、槍、穂高を見ながらランチ休憩です。

 眼下に上高地

さすが三連休、次々と登ってくる人が見える。
雲が流れていたので青空を待ちたかったが、下ることにしよう。

下のコルに下る途中で噴気孔の近くまで登って、野次馬根性を発揮する。
岩が生温かい。
硫黄の匂いが強烈です。

 吹き上げる水蒸気

 北峰下りから南峰と乗鞍岳遠望            ▲ 山頂は秋の青空

名残惜しいけど、いよいよ本当の下山だ。
まだまだ沢山の人が登って来る。

私達が下っている頃になって、山頂上空には青空が広がっていた。
下ノ掘沢から離れる潅木帯の入り口のところまで下って、素晴らしい眺めの見納めです。

ここからぬかるんだ道を黙々と下って、無事に駐車場に戻った。
強い日差しを覚悟していたのに、高曇りの登山日和でした。

 草付きの露岩を下る

                          ▲▲ 名残を惜しんで山を下りる

下山後の温泉は、もちろん中の湯です。
釜トンネルから移転して10年経っているとお聞きしたが、まるで新築の様。

安房トンネル工事が原因の水蒸気爆発により、安房峠途中の現在地へ移転を余儀なくされ
る。移転後の現在地からは穂高連峰が遠望できるため、部屋やロビー、男性用露天風呂か
らの眺望には定評がある。

女湯は贅沢三昧の独り風呂。
ロビーに設置された望遠鏡を覗くと、奥穂山頂の人がちっちゃく見えた。

 中の湯温泉旅館全景 中の湯hpより


 おいちゃんは、風呂上りに名物の手打ち蕎麦を戴く。
 帰りには女将さんが玄関まで見送ってくださいました。
 日帰り入浴にもかかわらず、丁重な接待に気を良くして帰途につきます。
 お薦めの温泉宿です。

 沢渡の駐車場はどこも車で満杯。
 そして釜トンネルから新島々までの間、上高地行きのバスが次々と登ってきます。
 今日の上高地は沢山の観光客で賑わっていることでしょう。

 松本から高速で帰る途中、白馬連峰から五龍、鹿島槍、蓮華、蝶ヶ岳まで綺麗に見えた。
 時間調整のため松井田横川SAに寄り、久しぶりにおぎのやの釜飯を買って明るいうちに家に着きました。