2007.06.02 (土)   K2Couple No.0168 

日光白根山
にっこうしらねさん(群馬県・栃木県)
2,578m
春まだ浅い残雪の森を歩く

コース最大標高差 : 630
コース累積標高差(+) : 665
コース累積標高差(−) : 665
コース距離 : 6.2 km
行動時間 : 6'10"
* 距離と累積標高差はKASHMIR 3Dによる概算値です
* 距離は地図上のもので、実際の登山道の長さではありません
 ゴンドラ山頂駅から日光白根山の雄姿
  5:55 = 高崎IC/関越道/沼田IC = 7:40 丸沼高原ゴンドラ山麓駅P(センターハウス)《ゴンドラ》 山頂駅

 ゴンドラ山頂駅 8:30 ... 8:50 血の池地獄分岐 ... 9:15 七色平 ... 9:30 地獄薙 ... 10:45 【L1】 11:00 ... 11:20 日光白根山 11:40 ...

 12:20 【L2】 12:55 ... 13:10 座禅山十字路 ... 13:20 座禅山噴火口 ... 14:40 ゴンドラ山頂駅 【散策】

 山頂駅 《ゴンドラ》 山麓駅 15:15 =15:20 座禅温泉シャレー丸沼 16:05 = 沼田IC/関越道/高崎IC = 17:55


  日光白根山の場所
 この地図は、国土地理院発行の地形図を使用したものである (経緯度線は20秒間隔)

座禅温泉 シャレー丸沼 (¥750)


 白根山は日光火山群の主峰で座禅山、五色山、前白根山、白根隠山の外輪山を持つ二重式活火山であり、標高2577.6bは関東以北、東北、
 北海道を含めて最高峰の高さを誇っています。
 有史以来多くの火山活動があり、最近では昭和27年に噴煙を上げ、地震活動をしています。
 白根山は別名二荒山(ふたあらさん)と言われ中禅寺湖畔の男体山と共に荒れ山であったと言われています。
 この両山の火山活動によって、片品側には菅沼・丸沼、日光側には中禅寺湖、湯ノ湖などの多くの湖沼、滝が生まれ、また麓では丸沼、白
 根、湯元等の豊富な温泉に恵まれています。
 白根山は昔から山岳信仰の山とされ、村人は毎年6月17日(旧暦)に水垢離(みずごり)をし、装束小屋(七色平避難小屋)で身支度をし、
 六尺木綿で鉢巻、頂上拝場で梵天を立てて礼拝する行事を行っていました。
 現在では7月31日、お籠をして夜間山頂を目指し登拝し、山が荒れ降灰による農作物被害のないように祈られています。
 登山道には「六地蔵」「大日如来」「不動明王」など山岳信仰に係る文化財も残されています。

                                     片品村教育委員会『白根山登山道の標識』より




 前日の夜、おいちゃんから「明日行くところを決めといて・・・」と言われたけど決まりません。
 夜11時頃になって、やっぱり石裂山にする?とメールしたところ、即却下された。
 おいちゃんは日光白根に行きたいとのこと。
 もうっ、決めてるんなら相談しないでよ

 ネットで調べると、残雪が結構あるみたいなのでアイゼン、ピッケルを用意し、セーターまで車に積み込む。
 おいちゃんは張り切っているけど、お腹の調子が悪いようで薬を飲みに途中でUターンします。

                                  ▲ ゴンドラ山頂駅からの展望                      ↑ ゴンドラ

丸沼高原の駐車場からは、上州武尊山がきれいに見渡せるまずまずの天気です。

残雪の様子や気温を考えて、ピッケルやセーターは車に置いて行く。
菅沼からは二回登っているので、今回は丸沼高原側から登る。
ゴンドラ利用と言っても、菅沼コースと比較して、それほど楽な訳ではない。

ゴンドラチケット売り場で登山届けを投函する。
温泉付きゴンドラ券がお徳なのだが、ここの温泉には露天風呂がない。
私たちは露天風呂が希望なので、温泉はシャレー丸沼に決める。
と言うことで、ゴンドラ券だけ購入です。

 ゴンドラに乗って

山頂駅から、白根山がかっこよく見えます。
二荒山神社に参拝し、鹿除けの扉を開けて散策コースに入った。

 二荒山神社で安全祈願


散策コースを離れて白根コースに入り、反時計周りに周回することにする。

日当たりのよい場所は夏道が出ているが、針葉樹の原生林にはまだまだ沢山の雪が残っていました。

 樹林越しに白根山が ・・・
 樹林帯の中はいきなりの残             ▲ 大日如来石像



七色平に足を伸ばし、装束小屋に寄って弥陀ヶ池に続く木道で遊ぶ。

  
  


 雪解けの斜面には、コバイケイソウの
 新芽が、にょきにょきと鬼の角のように
 突き出していた。

 七色平避難小屋(装束小屋)

血の池地獄の分岐を過ぎた辺りから、完全な雪道になった。

徐々に高度を上げながら、白根山の西面を巻いていく。
沢の崩壊地は、それ程危険な状態ではなかった。
見上げる岩の重なりが迫力満点です。

 針葉樹林帯も終わりに近い

そして、森林限界線を突破。
立ち枯れの枝越しに、白根火山を仰ぎます。
ここからは完璧な夏道を行く。

南には錫ヶ岳が大きい。
そのうしろに皇海山や鋸山。
そして、その奥に先日登った袈裟丸山が見えた。

 森林限界を突破

一本立てて、おむすびを食べる、う〜んうまいもういっこ。
山頂斜面を見上げると、雄大な眺めが広がっている。
白根山の大きさを、身体で感じる登りです。
北斜面の岩場と違って、細かい砂礫の道は案外登りにくいですよ。

雪田の上に、ゴツゴツとした山頂の一角がでぇ〜んと聳えていた。
日差しを受けると暑いが、翳った途端に寒くなります。
空気は冷たい。

 山頂をめざして砂礫の道を登る
             ▲ 至仏と燧ヶ岳、そしてその間に広がる尾瀬ヶ原に思いを馳せる
 皇海山、錫ヶ岳方面

 山頂直下の雪田を登るおいちゃん              ▲ よそのカップルさん

旧火口のUFO基地( 旧火口の砂地 )を過ぎ、神社のある南峰を一旦下り、本峰の急登に取り付く。
登山道でも、ぼちぼち人との出会いはあったけれど、山頂付近には人が多い。

 いよいよ山頂です

狭い山頂には登って来る人、下っていく人、それぞれの思いをめぐらせて行き交っていた。

山頂から、今度は北の山々が見えます。
上州武尊山の右に至仏山、平ヶ岳、燧ヶ岳、会津駒ヶ岳など。
深田百名山のオンパレードでした。

岩の間から、五色沼が遥か下方に見えた。
あそこまで下るんだね。

 山頂付近から五色沼を覗く

三人パーティーのおっさんに、シャッターをお願いします。
久々のツーショットながら、狭い山頂なので全体は納まりません。

登山中に広がっていた青空も、すっかり雲に覆われてしまい時々ガスが流れる寒い山頂になってしまいました。

 久々のツーショットです
                              ▲ 山頂から会津駒ヶ岳

前回は白根避難小屋から五色沼に下ったので、五色沼はパスして直接弥陀ヶ池に下る事に変更。

山頂を離れれば、再び静かな時間に包まれる。
雲の下には白い峰々が遠望される。
不安定な足元に注意を払いながら、休んでは山を眺めた。

 下降途中から山頂を振り返る
                               ▲ ここから岩と雪の下りが待っていた
                             ▲ どうよここ ・・・ いいでしょ
 わずかに雪が残っている登山道            ▲ 弥陀ヶ池と座禅山

この下りをとる人も何組かいたし、登ってくる人にもボチボチ出会います。

弥陀ヶ池畔で休んでいる人、五色沼から弥陀ヶ池に向けて歩いているパーティーなどが良く見える。

 白根山上空はすっかり曇ってしまった

斜面一面にシャクナゲの木が群生しており、これだけ広く密集している規模は珍しかった。
花の時期に見てみたいです〜。

余りに気持ちがいいので、シャクナゲの群生地に陣取り、遥かな山並みを眺めながらランチ休憩にした。

「素晴らしいお花見ですね〜」と言って通り過ぎる単独女性。
あのう、花は咲いてないんですけど ・・・。

 ランチ場所見っけ
 ランチ休憩した場所から北の山並み

座禅山とのコル手前は、かなりの雪の壁になっていた。

おいちゃんは踵を蹴りこんでスタスタと下っていく。
私は怖くておっちらよっちら。
おっとっと。

 弥陀ヶ池に至る最後の雪田

弥陀が池には数人休んでいるようだったが、私達は直進して座禅山へ。
おいちゃんが座禅山の噴火口を見たいというのだ。

ここで、今日唯一登山道で咲いていた花、ショウジョウバカマを発見です。
お前は偉い!と敬意を表してパチリ。
茎が寸足らずで可愛い。

 茎が極端に短いショウジョウバカマ

殆んどの人は、コルから直接ゴンドラ駅に下っているようです。

座禅山経由のトレースは薄い。
余り気が進まないけど ・・・

 座禅山から見た白根山

小さな座禅山の丸い山の中に、噴火口があるなんて想像できなかった。

でも、本当にありました。
小さいながらも立派な噴火口が。
下りる道がありましたがパス。

 座禅山噴火口

ここからゴンドラ駅までが長かったよ。
ほとんどが雪の上。
展望は全くなく、ただひたすらに森の中の雪道を下ります。
森林浴と思えばこれも良し。

先行者がいたようで、そのトレースと木の赤ペンマーキングを確認しながらルートを外さないように下ります。
物好きな人が他にもいました。
パワフルな単独男性が追い越して行きます。
ちょっと分けてよ!そのパワー。

 座禅山からゴンドラまでずっと雪の上

雪を踏み抜いてドボッ、アイスバーンで滑ってワッ。
スパッツも付けなかったので、ズボンの裾はびしょびしょになった。
アイゼンは背負ったまま装着するまでもなく、無駄なお荷物に。
ペースの落ちた私にかまわず、はらっぱはどんどん行ってしまいます。

2.5万図で確認すると、ゴンドラ山頂駅とは一本尾根違いです。
等高線のない観光マップでコース取りしたツケを払わされる。
当然のことながら、最後に登り返しが待っていた。

 下っても下っても同じ

ようやく朝の散策コースに合流し、ゴンドラ駅に到着です。

ロックガーデンにはシラネアオイとコマクサの苗。
コマクサは赤ちゃん状態、朝蕾だった植生保護のシラネアオイの花はたくさん開いていた。

                  ▲▲ ゴンドラ山頂駅のロックガーデンに咲いていたシラネアオイ三題

広場には年配者や子連れの親子、カップルさんなど観光客が散策中。
白根山をバックに記念写真を撮って。
そろそろ下ろうか。

ゴンドラの窓から眺めるカラマツ林の新芽が清々しかった。

 あ〜疲れたびい 

 シャレー丸沼では団体客があるからと日帰り入浴を断っていたが、私たちはチケット売り場でOKを貰っていたのでパス。
 お陰で岩の露天風呂を一人占めでした。

 R120沿いにはアカシヤ、ヤマフジ、桐の花などが咲いていた。
 出発時刻も、帰着時刻も555のぞろ目、よく遊んだ12時間。