2007.03.24 (土)   K2Couple No.0165 

湯の丸山
ゆのまるやま(群馬県・長野県)
2,101m
春山スキーで無体力と未熟さを痛感

コース最大標高差 : 370
コース累積標高差(+) : 285
コース累積標高差(−) : 380
コース距離 : 3.9 km
行動時間 : 4'35"

* 距離と累積標高差はKASHMIR 3Dによる概算値です
* 距離は地図上のもので、実際の登山道の長さではありません

 遭難防止の鐘と湯の丸山南峰
  8:00 = 藤岡IC/上信越道/小諸IC = 9:20 地蔵峠P
 地蔵峠P 9:55 ... 10:05 《ロマンスリフト》 10:15 top ... 10:35 あずまや 【BF】 10:50 ... 12:20 湯の丸山南峰 12:35 ... 14:00 つつじ平 ...
 14:30 リフトtop ... 14:50 地蔵峠P

 地蔵峠P15:00 = 15:25 布引温泉 16:40 = 小諸IC/上信越道/藤岡IC = 18:00


     湯の丸山の場所
 この地図は、国土地理院発行の地形図を使用したものである (経緯度線は20秒間隔)

布引温泉 御牧乃湯 (¥400)


 おいちゃんの腰痛のこともあり、今年になって本格的な山登りをしていないので、雪のあるうちに何処か行きたいな。
 池の平じゃ物足りないので、久しぶりに湯の丸山にしようとメールがあった。

 高速を下りて浅間連山を眺めると、南側には雪がないじゃないですか。
 湯の丸スキー場には最後のスキーを楽しむ人達がそこそこ集まっていますが、湯の丸山に雪はあるのだろうか。
 スキーで行こうかツボ足にしようか迷いつつ、不安と期待が交錯する中でスキーで行く事に決定。

湯の丸に登る時はキャンプ場からアプローチすることが多いのだが、今日は横着を決め込んでリフトを利用する。
チケット売り場で一回券を買い求めたら、「山登りですか?」
「そうです」と答えると、登山者届けを書いて下さいと言われた。

500円のチケットを買って、リフトに乗り込む。

 リフトを降りて湯の丸をめざします

つつじ平の東屋で遅い朝食を食べながら湯の丸山を見上げると、中間辺りに先行者二名、いいなあ〜。

私たちも遭難防止の鐘を通り過ぎ、いよいよ斜面に取り付きます。


 つつじ平の鐘       ▲ 最初の急登を抜けて(backは籠ノ登)
                                  ▲ つつじ平からの湯の丸山展望

中間点まで達した時、牧柵内をボーゲンで降りていく人がいた。
その時は、私たちも同じ感じでスイスイ滑って降りれると思ってたのに・・・。
そんなに甘くありませんでした (^^;

一年ぶりの雪山、一年ぶりのスキー。
しかもいきなりです。

 風が気になる頃(下方は臼窪湿原)

シール登高ギリギリ限界の急斜面に突入。
ジグザグをきって登りますが、板をフラットに置かなければずり落ちる。
両手両足に思いっきり力が入り、普段使わない筋肉総動員です。

高度に比例して風が強くなってくる。
おいちゃんは雪を踏み抜いて板ごと埋没し、必死に自力で脱出です。
南にルートをとると、雪の下は岩場になっているのだ。

 山頂直下から北峰と角間山と遥かに四阿山

風の吹き付けが厳しく、油断すると風に押し倒されてしまう。
倒れれば、起き上がるのに残り少ない体力の消耗戦です。

それでも、スキーを履いたままなんとか山頂にたどり着く。
北アの展望はもちろんないが、烏帽子がくっきりと見えた。


 強風に晒されながら         ▲ どうにかこうにか板を履いたまま
 山頂まで頑張りました      烏帽子岳をbackに別々のワンショットを撮る

腹はペコペコ、とにかく風の弱いところまで下ろう。
どこかゆっくり食事できるところがあるでしょう。
朝からおにぎりいっこだったことも、敗因のひとつになった。

南峰から北峰コル下部に向かって滑り込む。
が・・ガシガシのアイスバーンでスケート状態、安藤美姫ちゃんの世界です。
我が隊の技術ではうまく滑れない。

何とか沢筋に入り込みますが、今度は雪が重く柔らか過ぎて板をコントロールできません。
このまま下ったら鹿沢方面、大きく南に軌道修正です。

 南峰から北峰下部に滑り込むはらっぱ

南下するにつれて、今度はシャクナゲのブッシュ帯に突入です。
転べば雪深く沈没して、ザックをはずし板をはずさなければ起き上がれない。
かと言って板を着けなければ、股まで潜る。

何でもないところで転ぶようになり、疲れて足が踏ん張れなくなっちゃった。
夏道を求めて深い雪のトラバースが続く。

天気はだんだんと悪くなりつつあり、風音が一段と強くなる。
前線の接近で、天気は下り坂と分かっていた。

 ブッシュ帯で悪戦苦闘

夏道に出て、おいちゃんがラーメン休憩をしようと準備を始める。
ブッシュの中でお湯を沸かそうとするが、冷たい強風に煽られてなかなかお湯が沸きません。

湯の丸山の上空はすっかり黒い雲に覆われ、悪天候が近づいている。
ラーメンは諦めて少しでも早く下りよう、雨にでも降られたら最悪だ。

夏道の狭い急斜面は滑れる筈もないが、普通に歩けるのがありがたい。
スキー板を担いだり引きずったりしながらの下山に、こんな筈じゃなかった。
無様な姿を、誰にも見られなかったのが、せめてもの救いだよね。

 最後は少し滑れた

おいちゃんは相当疲れたらしく、腰痛持ちにはちょっときつかったみたい。
スキー場に着いても、もう止めた〜と言ってリフトで降りて行っちゃった。
はらっぱ足もガクガク、限界です。

地元の子供達が上手に滑って行く横を、恥ずかしいほどボロボロの滑りでやっと登山口に下りて来ます。

チケット売り場で無事下山した事を告げて、温泉へ走る。
地蔵峠を下る頃からポツポツと雨が落ちてきます。

 おいちゃんは、リフトに乗って下山

 布引温泉でガスる浅間連山を眺めながら露天風呂に浸かり、お腹いっぱい食事をして帰途についた。
 典型的なヘナチョコ山行・失敗山行だったが、それなりに楽しく反省点も大いにあった。
 上信越道の両脇は、白木蓮とこぶしの花が満開で綺麗です。