2006.06.29 (木)   K2Couple No.0153 

硫黄岳 横岳
いおうだけ よこだけ(長野県)
2,829m
         硫黄岳 2760m 横岳 2829m
念願の横岳、花三昧、展望の縦走路

コース最大標高差 : 947
コース累積標高差(+) : 1,285
コース累積標高差(−) : 1,285
コース距離 : 13.3 km
行動時間 : 10'00"
* 距離と累積標高差はKASHMIR 3Dによる概算値です
* 距離は地図上のもので、実際の登山道の長さではありません
 横岳主峰を前に、気持ちを引き締めます

  22:30 = 藤岡IC/上信越道/佐久IC = 白樺湖 = 0:50 三井の森駐車場(仮眠)4:20 = 4:40 桜平登山口P

 桜平登山口P 5:00 ... 5:30 夏沢鉱泉 5:35 ... 6:30 オーレン小屋 6:35 ... 7:00 夏沢峠 7:10 ... 8:20 硫黄岳 【L1】 8:35 ...
 8:55 硫黄岳山荘 9:05 ... 10:10 横岳 10:20 ... 10:50 三叉峰 10:55 ... 11:15 横岳 ... 11:50 硫黄岳山荘 【L2】 12:20 ...
 12:45 硫黄岳 ... 13:00 赤岩ノ頭 13:10 ... 13:50 オーレン小屋 14:00 ... 14:30 夏沢鉱泉 14:35 ... 15:00 桜平登山口P
 桜平P15:05 = 15:30 尖石温泉 16:15 = 白樺湖 = 佐久IC/上信越道/藤岡IC = 18:40


 この地図は、国土地理院発行の地形図を使用したものである (経緯度線は20秒間隔)

硫黄岳・横岳の場所

尖石温泉 縄文の湯 (¥400)

佐久ICを下りると、ナビは左折しろと言う。
どのルートをとるのか気になったが、無視して右折、いつもの道を行く。
芹ヶ沢交差点手前で道を間違い、結局ナビのお世話になって三井の森へ。

桜平までの悪路が未知数だったため、今回はPAJEROだった。
不安な夜道を敬遠して、今日のところは三井の森駐車場で仮眠します。

3時間ほどの睡眠をとって、4時に起き出し腹ごしらえする。
CAPELLAでも何とか入れそうな林道。
林道のあちこちに、レンゲツツジが最盛期を迎え綺麗に咲いていた。
桜平駐車場には、千葉ナンバーの先客が一台あった。

 桜平登山口駐車場

ゲートから少し下り、渡渉点にトイレの設備あり。

夏沢鉱泉までは、苔むした沢沿いの気持ちの良い林道です。
ときどき硫黄の匂いが風に乗って届きます。
林道としては傾斜がきつかったが、今日のはらっぱは快調だ。

小さな滝が幾つもあって、沢の音が心地いい。
羽衣の滝。
蒸し暑い梅雨の中休み、天気は上々だった。
樹林帯の上を通る風は少し強いようだった。

 硫黄臭が漂う夏沢のたたずまい

夏沢鉱泉からオーレン小屋までは、下草花が賑やかに迎えてくれる癒しの登山道が続く。
シロバナヘビイチゴの群生、マイヅルソウ、オサバグサ、キバナノコマノツメ、ズダヤクシュ、ゴゼンタチバナ等、次々と花の登場です。

夏沢鉱泉もオーレン小屋も、綺麗な建物だった。
どちらも日帰り入浴が可能だ。
オーレン小屋の前には美味しい湧き水と高山植物の植生地があり、囲いの中にはコマクサやイワベンケイが咲いていた。

 オーレン小屋に至る花街道

  前方が明るく開けてくれば夏沢峠。

  峠の二軒の山小屋は閉じたまま。
  硫黄岳の爆裂火口壁が、朝日を浴びて
  迫力満点です。

  ここからのコースは二度目なので、2年
  前の記憶が蘇ってきます。

 夏沢峠のやまびこ荘、硫黄岳爆裂火口壁を見上げます

硫黄岳に取り付き、高度を上げるにつれて天狗岳やニュウ、蓼科山が少しずつ頭から姿を見せ始めた。

夏沢峠やオーレン小屋も見える。

 硫黄岳中腹から天狗岳を振り返る

一昨年はミヤマダイコンソウ花盛りの時期だったが、今日はイワウメのオンパレードです。
可憐な花が風に耐えて、あちこちに群落を形成している。
こじんまりとまとまった端正な花です。

 硫黄岳の北斜面はイワウメの大群落

先行の女性五人のパーティー(埼玉)が山頂のすぐ下まで達していた。
日射は強かったが、風のおかげで暑くはない。
半袖では寒いくらいなので、上着を羽織って登る。

山頂に近づくと風が強くなる。
火口の大空間には、たくさんのイワツバメが気流に乗って滑空している姿が見られる。

 風が強いのでウィンドブレーカーを着よっと
                           爆裂火口にはイワツバメがスイスイ

 硫黄岳山頂に着いたとたんに開ける南八ツの大展望にバンザ〜イ 

硫黄岳に登ったのは今回が三度目。
最初は美濃戸から、二度目は本沢温泉からだった。

そして今回初めて、晴れた南八ツの連なりが目の前に広がっている。
まさしく三度目の正直です。
南アルプスや中央アルプスが見える。
絶景を目の前に、ミニランチタイム。

大ダルミの硫黄岳山荘に下り、トイレ休憩(¥100)。
キバナシャクナゲは、盛りをちょっと過ぎていた。

 硫黄岳山頂で

硫黄岳で有名なのはコマクサだが、ほとんど蕾がついたばかりだった。
ウルップソウやハクサンイチゲは綺麗に開花していた。

横岳の肩、台座ノ頭までは、広いザレた道にも競って咲いている。
さて、念願の横岳に突入です。

 硫黄岳山荘を出て、横岳に向かう
                              横岳(左から三叉峰、大権現、奥の院)と阿弥陀岳

横岳の稜線は両側が切れ落ちている(クサリや梯子が多い)から危険ということになっているので、どの程度なのかとワクワクしながら進む。

花の横岳、岩の横岳。
私の好きなものが揃っている最高のsituationです。
もちろん、おいちゃんも同じ気分。

 大輪をつけたハクサンイチゲ
                 ▲ 後続のメッチェンparty                                 ハクサンイチゲと阿弥陀岳
                ▲ オヤマノエンドウと硫黄岳                               チョウノスケソウと阿弥陀岳

にこやかにすれ違ったご夫婦に、ツクモグサはどうでしたかと訊ねます。
赤岳寄りの二十三夜峰辺りにあったが、もう終わりに近くあまり元気ではなかったとのこと。
今月初めからツクモグサ・ツクモグサと言いながら、登山機会がなかった。
やっぱり遅かったよ、しかしこれも想定範囲内。

カニのヨコバイを過ぎ、稜線の東から西にクロスしてクサリ場に出る。
茅野側で、おいちゃんがすっとんきょうな声で騒ぎます。
あった〜。
まだ若い咲き始めたばかりの初々しい可愛いツクモグサが・・・。
ひとつ、ふたつ、みっつも花が咲いていた。
予期せぬ感動!とりあえず目的達成です。

 両側が切れ落ちた横岳主峰、奥の院
 ウルップソウ         奇跡的に咲き残っていたツクモグサ 
 
       稜線をクロスする                      ▲▲ 横岳主峰(奥の院)直下、最後の登りをかけるはらっぱ 
            うれぴ〜。横岳-赤岳-阿弥陀岳稜線、その奥には権現岳と編笠山、更に奥には南ア

横岳山頂から、またしても360゜の素晴らしい眺め。
富士山もうっすらと影を浮かべています。

例の女性五人が登ってきて、シャッター係りを頼まれる。
そのお返しが、左のツーショット。

ツクモグサはゲットしたし、あとは空身で行ける所まで行こう。
11時をタイムリミットに設定し、花と展望の身軽な散策が始まる。

 山頂でツーショット
 岩に張り付くクモマナズナと赤岳と       オネエサンはもう帰らなくちゃいけないの
 オヤマノエンドウ        ▲ 花も葉っぱも可愛いチョウノスケソウ
                              岩に張り付くクモマナズナと赤岳と

次々と現れる花・花・・・花。
写真撮りまくり大会で忙しい。

クモマナズナ チョウノスケソウ ミヤマシオガマ
ウルップソウ ハクサンイチゲ オヤマノエンドウ
ミネズオウ チシマアマナ ミヤマキンバイ
ツガザクラ ウラシマツツジ
 花三昧で時間を忘れるひととき

なだらかな大権現を越える。
ここが横岳の最高点2,829m。
三叉峰に着くと、杣添尾根からカップルが登ってきた。
横岳に登る最短ルートだが、頂上付近まで展望に恵まれない尾根だ。

深い沢筋に僅かな雪が残っているものの、八ヶ岳はすでに夏山モードです。

ここから石尊峰、鉾岳、日ノ出岳、二十三夜峰と岩場の楽しいピークを4つ残して、三叉峰でタイムリミット。
縦走の楽しみを残したまま、引き返すことにします。
いつまで見てても飽きない素晴らしい眺め。

 ウルップソウと中岳、阿弥陀岳(小同心で)
ウラシマツツジ チシマアマナ ミヤマキンバイ イワベンケイ ヒメイチゲ
コマクサ コメバツガザクラ ミツバオウレン ツガザクラ ミネズオウ
キバナシャクナゲ クモマナズナ ツクモグサ ミヤマカタバミ キバナノコマノツメ
チョウノスケソウ ミヤマシオガマ チシマアマナ コイワカガミ イワウメ オサバグサ

風はおさまり、日差しも強くなっていた。
稜線を渡る微風が気持ちいいです。

鉄梯子を二つ登って、横岳奥の院に戻ります。
あまり怖い岩場はなかったね。
大ダルミまで下って、お昼と言うことにしよう。

 三叉峰から戻り奥の院に登り返すはらっぱ
 鉄梯子も何箇所かあったっけ        岩好きのはらっぱは余裕のポーズです

帰りに大同心方面に足を伸ばす。
終わりかけのツクモグサがたくさんあった。

下から仰ぐ大同心、小同心は赤岳登山のときにしっかり眼に焼き付けたが、近くから見るとこうなんだ〜と感心しながら、ゆるゆる下ります。

 大同心の岩壁

大ダルミは風が強いので、硫黄岳山荘に入れてもらう。
背負子で入った若い女性はここのアルバイトのようだった。
許可を得て、お湯を沸かしラーメンに舌鼓を打つ。

いつ来ても硫黄岳や大ダルミは風が強い。
風の通り道みたい。

ゆっくりする間もなく、硫黄岳の登り返し。
何故か、帰り道は花にも眼をくれず黙々と進みます。

 緩やかな硫黄岳でも帰りはつらいよ

硫黄岳から夏沢峠ではなく、赤岩ノ頭に下り、今日辿った稜線をなぞって感慨に更ける二人だった。
前回来た時オコジョに出会ったのは、この場所だ。
今日は挨拶なし。

南八ツの稜線を見納めて、オーレン小屋に急ぎます。

 ミヤマシオガマと遥かに西天狗岳

まだ、ミネザクラが咲いていた。
ヒメイチゲ、ミヤマカタバミ、クロマメノキなどの下草。

黒いカモシカに遭遇、ここの主らしい。

おっさんと若い女性が登山道の整備をしています。
メッチェンが石を運んで、おっさんは監督していた。

オーレン小屋からはらっぱの膝が痛くなる。
根性はらっぱは、スピードも落とさず頑張ります。
ヨレヨレになって、夏沢鉱泉そして桜平駐車場に辿り着いた。
久しぶりのロングトレールだった。

 オーレン小屋に下る前に硫黄岳を