2006.04.22 (土)   K2Couple No.0148 

鳴神山
なるかみやま(群馬県)
980m
二週連続、低山ハイクで春の予感

コース最大標高差 : 590
コース累積標高差(+) : 590
コース累積標高差(−) : 590
コース距離 : 6.2 km
行動時間 : 3'55"
* 距離と累積標高差はKASHMIR 3Dによる概算値です
* 距離は地図上のもので、実際の登山道の長さではありません
 アカヤシオの彼方に真白な日光白根山と男体山
  6:50 = 8:15 桐生駒形登山口P
 駒形登山口P 8:30 ... 9:50 【L】 10:05 ... 10:10 肩の広場 ... 10:20 桐生岳(鳴神山)10:30 ... 10:35 仁田山岳 ...
 10:55 椚田峠 ... 11:35 赤柴林道出合 ... 12:25 駒形登山口P
 桐生駒形登山口P12:35 = 13:00 桐生国際ホテル 13:55 = 15:25

    鳴神山の場所
 この地図は、国土地理院発行の地形図を使用したものである (経緯度線は20秒間隔)

きのこの森 桐生国際ホテル (¥800)


 鳴神山は桐生市北部の梅田町と川内町を分ける鳴神山脈の主峰。
 その昔、雷神上人が住んでいたのが、山名の由来と伝えられている。
 この鳴神山周辺には豊かな自然環境が残されており、山頂を中心とした地域は、群馬県の「鳴神山自然環境保全地域」に指定されている。
 この地域は、地質学的には、秩父古生層のチャートを主とした堅い岩石からなり、植生はクヌギ、コナラ群集などの天然林から成っている。
 植物地理分布上の特異性があり、標高1000m以下なのに、コキンレイカ、ヒメイワカガミ、イワキンバイ、ホツツジなど亜高山帯の植物や、
 カッコソウ、ナルガミスミレ、ヒトツバスミレなどの貴重な植物が分布し、すぐれた自然環境を形成している。

                                                 
上毛新聞社『群馬の山歩き130選』より


駒形登山口までは、おいちゃんが仕事で通る道なので、極めて順調。
道すがら見える山の斜面は、どこも新緑と山桜でとても綺麗だった。
秋の紅葉に勝るとも劣らない緑の競演です。
一年を通して一番、躍動的な季節だ。

先客5台あり。
更に奥の空き地まで乗り入れようと試みたが、狭い上に路面が荒れているのです。
さすがのおいちゃんもついにギブ、延々とバックで戻る。
戻ってみれば、ボディーの両サイドは傷だらけ。
おいちゃん、思いっきりへこんでいた。

 徐々に沢の水が細くなる

駐車場では路肩に突っ込み過ぎて、動きがとれなくなる。
もう、やだぁ〜。

桃や山吹の花が咲く登山道に入ります。
へこんだ気持ちを沢のせせらぎで切り替え、気持ちよく登る。

杉の植林帯は、ニリンソウのオンパレードです。
ニリンソウの花びらは、5枚だったり6枚だったり。

 ニリンソウ群落が続く登山道

沢沿いにずっと高度を上げていきます。
杉林から自然林へ、沢が枯れるようになると傾斜もきつくなる。
落ち葉を踏みしめて、カタクリの群落を行く。

次々とスミレ、ネコノメソウ、ハルトラノオの花が迎えてくれる。
見上げる山の斜面には、お待ちかねのアカヤシオがポツポツ咲いているじゃあリませんか。
鳴神山の頂上付近は、アカヤシオでピンク色に染まっている筈だ。

登山者も多く、同年輩の人達が次々と登ってくる。
稜線下のちょっと気に入った場所で、赤城山を見ながら腹ごしらえする。

 エイザンスミレ
ニリンソウ 痩せカタクリ カタクリ アズマイチゲ

ジグザグを切って、少し登ると肩の広場。
木品から登ってくる道と、縦走路との十字路だ。
鳥居があり、神社のような廃屋が建っている。
肩の広場から山頂まではすぐだった。

アカヤシオの開花には未だ早かったようで、まさにこれから咲きそうな蕾が多かった、残念。
来週くらいが最盛期だろう。

 山頂のアカヤシオ

山頂は2峰に分かれていて、桐生岳が鳴神山本峰ということらしい。
仁田山岳は眼と鼻の先、ものの5分だ。

この時期にしては珍しく空気が澄んでいて、気持ちが良い。
桐生岳からの展望は秀逸。
富士山、筑波山、男体山、日光白根、皇海山、武尊山、浅間山、八ヶ岳など360゜の展望が得られた。

男体山と太郎山、女峰山はそこそこ雪。
日光白根山、上州武尊山、浅間山はたっぷり雪だ。

 左から太郎山、男体山、女峰山

団体さんがどかどかとやって来て、山座同定はでたらめ。
会話と言えば、日常的な下品な話題で、おまけに笑い声もでかい。
静かなはずの山の上なのに、言葉の氾濫に閉口です。
もう、やめてよ。
静かな山を返せ〜。

団体さんが引き上げた山頂は、ようやく落着きを取り戻した。
展望写真を撮る。
改めて空間の広がりに身を委ねます。

 団体が去って静けさを取り戻した山頂で
                                 ▲ 仁田山岳眺望台から赤城山と新制みどり市
ハルトラノオ イワボタン ワチガイソウ
ユリワサビの花 トウゴクサバノオ ヒトリシズカ

仁田山岳の方は展望がありません。
社の跡地だろうか防風壁のような石垣があり、カップルさんが食事中です。
山頂には、別のカップルさんが休んでいた。

我が隊は通過。
岩の突き出た眺望台があり、赤城山の全景をチェック。

椚田峠までの下山路は、特記するべき物はなし。

 早々と山頂から退散
タチツボスミレ ヒトツバエゾスミレ ナガバノスミレサイシン アカネスミレ ヒゴスミレ
フイリフモトスミレ ヒカゲスミレ マルバスミレ エイザンスミレ

峠から赤柴コースを下り、車に戻ります。
下り始めてすぐに、糸葉のヒゴスミレを知る。
若い花の写真家に教えてもらったのでした。

ナルガミスミレは、見られなかった。
ヒトツバエゾスミレは駒形コースでも見かけたし、赤柴コースでも見かけた。

沢に下ると落ち葉で埋め尽くされ、岩ゴロの沢道は歩きにくかった。
花を探しながら、得意技のだらだら下り。

 落ち葉に埋もれる登山道

林道に出て、一日を振り返ります。
何となく登って、何となく下ってしまった山だった。
行動時間も少なかった。
恒例のラーメンも食べずに終わった。

赤柴登山口の近くで、放置された二つのザックを発見。
持ち主の夫婦が沢に下りて、葉っぱを洗っていた。
覗き込むと、旦那さんが気付いて「セリです」って。

 コガネネコノメソウ

傷だらけになった可愛そうな車に、ザックを放り込む。
登山口から下の道路脇には、たくさんの車が数珠繋ぎに駐車していた。
五月連休は凄そう。

桐生の街をマミナビで走る。
目的地は、丘の上の国際ホテル。

きのこの森は、ヤマツツジと八重桜が満開だった。
山の上より山らしい雰囲気です。

 桐生国際ホテルのアプローチ

国際ホテルの風呂は、温泉ではないが岩盤浴の代表的な石、天寿石の風呂だった。
ホテルの風呂は、設備や備品が垢抜けている。
完全な貸切状態で、ゆっくり気兼ねなく贅沢気分を味わいます。

明るく開けた桐生の山は、新緑と山桜で美しい時期だ。
露天風呂の周りも熊笹の中に飾り小径がつき、ツツジが咲いて桜花がはらはらと舞う。
湯船に流れ落ちるお湯の音だけ。

ナルガミスミレは何処へ行っちゃったのかな。

 桐生の山を眺望する露天風呂