2005.08.10 (水)   K2Couple No.0137 

乗鞍岳
のりくらだけ(長野県・岐阜県)
3,026m
風に吹かれて、観光の山はしょぼい

コース最大標高差 : 320
コース累積標高差(+) : 405
コース累積標高差(−) : 405
コース距離 : 5.5 km
行動時間 : 2'45"
* 距離と累積標高差はKASHMIR 3Dによる概算値です
* 距離は地図上のもので、実際の登山道の長さではありません
 しょぼい剣ヶ峰山頂
  6:45 = 藤岡IC/上信越道・長野道/松本IC = 10:30 沢渡 = 11:00 平湯駐車場 11:20 《濃飛バス》 12:20 畳平
 畳平 12:25 ... 12:55 肩の小屋 ... 13:30 蚕玉岳 ... 13:40 頂上小屋跡 ... 13:50 乗鞍岳 13:55 ...
 14:25 肩の小屋 【L】 14:45 ... 15:10 畳平
 畳平 15:30 《濃飛バス》 16:30 平湯駐車場 16:40 = 17:20 ペンションラポール 【泊】

     乗鞍岳の場所
 この地図は、国土地理院発行の地形図を使用したものである (経緯度線は20秒間隔)

新穂高温泉 ペンション ラ・ポール (¥10,000)


 位ヶ原まで登って、初めて真正面に、遮るもののない乗鞍岳それ自身に接する。
 ここからの眺めを、私は日本で最もすぐれた山岳風景の一つに数えている。
 まずその姿がいい。
 雄大で、しかも単調ではない。
 ゆったりと三つの頭を並べたその左端が主峰である。
 その主峰の右肩の巨大な岩が、間延びを引締めるアクセサリーになっている。
 それから前景の豊な拡がりがいい。
 胸の透くように伸びてコセコセしたところがない。
 乗鞍は北アルプスに入れられているが、遠くから眺めると、北アルプスの連嶺とは独立した形で、御嶽と並んで立っている。
 そして御嶽の重厚に対して、乗鞍には颯爽とした感じがある。

                                        深田久弥『日本百名山』より抜粋



 今年の盆休みは、久しぶりに広島の婆ちゃんを訪問する。

 松本から安房トンネルを抜けて、行きがけに平湯をベースに乗鞍岳と西穂高をやる。
 しかし今年の気圧配置は本格的な夏型にはならず、各地でぐずついていた。
 はっきりしない天気にもかかわらず、沢渡の駐車場は上高地行きの車で大賑わいだ。

平湯バスターミナルに着くと、大雨が降ったとかで山もガスっていた。

畳平行きのシャトルバスに乗り込み、とにかく上の様子を見て行動しよう。
乗客は5、6人だったので、これはラッキーと思った。

しかし、朴の木平という無料駐車場に寄り道して、そこで補助席まで満杯に客を乗せるのには参った。
こんな悪い日に一般の観光客が押し寄せること自体が理解できないし。

満員のエコバスはガスの乗鞍スカイラインをヨレヨレ登ります。

 エコバスに乗り込みます(濃飛HPより)

畳平のお花畑を過ぎて、しばらく登るとコロナ観測所や肩の小屋への車道に出て、小屋まで殆ど平坦道です。

飛騨側の道はもろに風を受けるので、耳が千切れるように痛い。
肩の小屋には寄らずに通過します。

登山道を飾るのはウサギギクやコバイケイソウ。
ガスの中で生き生きしている。

 畳平のお花畑

三人のメッチェンパーティーがまとまりなくバラバラに登っている。
装備はしっかりしているが、登りたい人と引き返したい人がいるようだった。
追い越す。

雨はそれほどでもないがガスの吹きつけが強くなり、雨具を装着します。
視界は悪くなる一方、でもここまで来たら行くしかない。

 なんでこんなのさ             ▲ 山頂じゃなかった

山頂だぁと思ったら、蚕玉岳の標識にがっくり。
まだ上があるみたいです。

視界はなくても道はある。

 なんだ、蚕玉岳だってさ

雨が岩の上で飛び跳ねているよ。
なんだこりゃ、氷の雨玉だ、あられかな。

「雨雨降れ降れもおっと降れえ 」 ついにおいちゃん壊れる。

濡れてぐちゃぐちゃの地図を見て、多分もうすぐ山頂だとおいちゃんが言う。
ほんとかいな。

廃屋のようになっている山頂小屋の横を通る。
ペンキマークを頼りに大岩の間をシコシコ登ります。

 花がきれいな乗鞍岳登山道

ようやく山頂の気配が漂い、剣ヶ峰乗鞍本宮が突然ガスの中から現れた。
今度こそ山頂だ。

参拝をして裏手にまわると三角点がありますが、最近どこでも見かける立派な標識はなかった。
有名な山にしては地味な山頂です。

三角点にタッチして、速攻引きあげる二人だった。

 剣ヶ峰三角点にタッチです

コマクサの写真を撮ったりして往路を戻る。
例の三人組は諦めたらしく、登ってこなかった。

 コマクサ
 雨の中の下山              ウサギギク群落

肩の小屋に入ると、その三人が小屋から出るところだった。
こんな所で休んでいたのか、でも正解かも。

暖房が効いた小屋で暖を取る。
アルバイトのおばさんかな、山はもう秋ですよとおっしゃる。
ご馳走さま、温かいうどんがうまかったよ。

 肩の小屋で一息ついて、うどんで温まる

ここまで天気が悪いと、展望がなかったことを残念とも思わないから不思議です。
完全に諦めの境地です。

観光客のみなさんも、せっかく来たのに残念ですね。
子供さんが可哀想。

 諦めの境地                 畳平

バスに揺られて平湯に戻り、新穂高温泉に向けて車を走らせます。
明日は西穂高だ、お天道様お願いしますよ。

新穂高ロープウェイを下見してペンション入りです。

 帰りのバスを待つ

貸しきり露天風呂が売りのペンションはまあまあ及第点です。
家族貸切で入れる温泉は滑らかだし、懸け流しの湯量も豊富。
食事もおいしかった。

ツインベットの部屋や朝の弁当はイマイチうけなかったけど (^^;

 ペンションの貸切露天風呂
ウメバチソウ ウサギギク イワギキョウ ハクサンイチゲ ミヤマダイコンソウ チングルマの穂