2004.09.11 (土)                         K2Couple No.0124

熊野岳
ざおう くまのだけ(宮城県・山形県)
1,965m
学生時代にタイムスリップ

コース最大標高差 : 855
コース累積標高差(+) : 900
コース累積標高差(−) : 405
コース距離 : 9.4 km
行動時間 : 6'00"
* 距離と累積標高差はKASHMIR 3Dによる概算値です
* 距離は地図上のもので、実際の登山道の長さではありません
▲▲ 馬の背から御釜
 仙台駅 13:30 = 15:30 遠刈田温泉 = 16:00 三治郎 18:00 = 18:15 食事処 19:10 = 19:40 賽ノ磧駐車場(車中泊)
 賽ノ磧p 5:30 - 6:25 濁川出合 - 6:50 かもしか温泉跡 6:55 - 8:15 追分(L1) 8:40 - 9:50 (P1772) - 10:10 稜線 -
 10:20 熊野岳 10:35 - 馬の背・御釜 - 11:30 刈田岳レストハウス
 刈田岳レストハウス 12:03[BUS]12:30 賽ノ磧p(車回収) 12:35 = 13:05 遠刈田温泉大忠 13:50 = 白石IC(東北道)佐野藤岡IC = 18:30

  この地図は、国土地理院発行の地形図を使用したものである (経緯度線は20秒間隔)

地図表示 熊野岳の場所

遠刈田温泉 旅館三治郎 かっぱの湯 (¥800)   旅館大忠 (¥500)

 同じ東北の山でも、蔵王には、鳥海や岩手のような独立孤高の姿勢がない。
 群雄並立といった感じで、その群雄を圧してそびえ立つ盟主がない。
 山形から見ても、仙台から見ても、一脈の山が長々と連なっているだけで、その中に取り立てて眼を惹くような、抜きん出た高峰がない。
 それは地図を見てもわかる。
 どの峰も稜線上の鞍部からせいぜい二百米位の登りしかない。
 だから我々が蔵王と呼ぶ時には、この一連の山脈を指して言う。
 この長大な尾根は、東北人特有の牛のような鈍重さをもって、ドッシリと根を張っている。
 もし最高点を盟主とするならば、それは熊野岳であって、その細長い頂の一端に、斉藤茂吉の歌碑が立っている。
 (中略)
 お釜と称する山上湖は蔵王の宝玉とも言うべき存在で、そのために馬ノ背の逍遥は一段と精彩を加える。
 直径三百六十米、ほぼ円形の湖水で、そのふちの東半分は、削り取ったように断崖になっていて、その崖に横縞に入っている色彩が、何とも言えぬ
 微妙な美しさを呈している。
 鉄錆色とでも言うか、それを主調に、いろいろの色が混っているので、一名五色沼の称がある。
 お釜の水は妖しく濃い緑色で、噴火口特有の一種凄惨な趣がある。

                                                                                              深田久弥 『日本百名山』 より抜粋


二日間の仙台出張に絡めて、蔵王に遠征する隠密計画。
松島大観荘に泊まる。

仕事のない人は、のんびり松島観光をして仙台駅へ。
仕事を抱えている人は、半日仕事をやっつけてから仙台駅へ。

 松島観光

と言うことで駅ではらっぱをピックアップして、遠刈田温泉に直行です。

温泉街を流れる川沿いには、一対の大きなこけしが建っている。
なるほど遠刈田温泉のシンボルか。

 遠刈田温泉

旅館三冶郎の露天風呂からは南蔵王の山並みがで〜んと構えていた。
かっこいい〜。

 露天風呂から見る南蔵王の山並み

温泉と夕食を済ませ、暗いスカイラインを走る。
誰もいない賽ノ磧の駐車場は、快適でちょっと孤独な車中泊。

広〜い駐車場には私達の車だけ。
おいちゃんは速攻夢の中です。
夜中に2台車が上がって来たが、素通りして行ってしまった。


遠刈田温泉の灯りが点々と見えます。 

 お目覚めの蔵王に心躍る


目を覚ますと、明けきらない空が燃える様な赤に染まります。

闇夜の到着だったので昨夜は気がつかなかったが、朝日に浮かび上がる蔵王の山並みが新鮮で感動ものです。

朝焼けに見送られて濁川に下り、ロバの耳の岩峰や濁川本流の不帰ノ滝、振子沢に懸かる二段の振子滝を見ながら谷底を行く。


山形側からは想像もつかない荒々しい山容を持つ蔵王の二面性は磐梯山のそれに似ていた。

 濁川に下って熊野岳へ
ズミ シラタマ コケモモ ウメバチソウ ガンコウラン

ヤマハハコ、イブキトラノオ、アキノキリンソウ、トモエシオガマ、エゾリンドウ、キンミズヒキなど沢山の花。
オオカメノキやナナカマドなどの実や、ススキの穂がいかにも秋の風情で目を楽しませてくれます。

 ヤマハハコ

不帰滝 (落差97b) を見ながら、かもしか温泉跡をめざして進みます。
かもしか温泉は、鈴羊温泉と書きます。

 静かな山懐(正面に不帰滝)

山腹の噴気口から吹き上げる蒸気音を聞きながら、かもしか温泉跡でゆっくり休む。
建屋の土台が残っていたが、こじんまりした感じだった。

追分に登り返す頃には、ガスが急激に押し上げてきた。

 かもしか温泉の噴気

追分から自然園を登る時間帯はガスで何も見えなくなり、ちょっと焦る。
絶対晴れるよと信じて、御釜の展望に期待をかける二人です。

岩のごろごろした自然園を歩いて行くと、遭難碑が建っていた。
そして今日始めて、下山してくる登山者とすれ違う。

熊野岳稜線に辿り着けばガスの塊を抜けて、待ちに待った青空が気持良く広がります。

 押し上げるガスと競争だ

コマクサは殆んど枯れていたが、所々の生き残りを眺めながら熊野岳をめざして緩斜面を登って行く。

この上はまだ山頂ではなく、円やかな頂稜を10分位西に行った所に神社と山頂の標識があった。

時々隣の地蔵岳から鐘の音が響いてくる。
そこは山形県側からロープウェーで上がってこれるらしい。

 なだらかな熊野岳頂稜

平坦な熊野岳山頂までのんびり歩き、馬の背に戻ってエメラルドグリーンに輝く御釜が眼下に見えた時の感動 ・・・。
実に大学卒業以来35年ぶりの展望に、懐かしさがじわじわと胸に迫って立ち尽くすシーンです。



静かだった登山道から御釜の展望台まで来ると、バスやマイカーで登って来た観光客に混ざって、場違いな雰囲気です。
皆さん、綺麗な格好をしている。
歓声をあげている観光客のそばを、お釜なんか珍しくないよという涼しい顔で通り過ぎる。
いやな性格。

 念願が叶った瞬間

蔵王のハイライトシーンにじっくり時間を費やし、下界はガスだし時間の余裕もなくなったので刈田岳RHからバスで下ることにします。

刈田峠から下は霧雨になっており、大黒天、駒草平を経て賽ノ磧までバスは気楽だった。
車を回収して、そこから視界のないエコーラインを遠刈田まで下ります。
懸け流しの極上天然温泉に入る。

行く先々でガスが晴れ、私達のためにあるような最高の蔵王だった。
4号線に出た交差点で、自転車のおばさんが車に撥ね飛ばされた瞬間を目撃してしまったのが、後味を悪くした。

 ガスっても御釜だけ見える幸運