2004.06.26〜27 (土日)   K2Couple No.0115 

苗場山
なえばさん(長野県・新潟県)
2,145m
梅雨明け前の苗場山は雲上の楽園

コース最大標高差 : 830
コース累積標高差(+) : 840
コース累積標高差(−) : 840
コース距離 : 9.0 km
行動時間 : 7'45"
* 距離と累積標高差はKASHMIR 3Dによる概算値です
* 距離は地図上のもので、実際の登山道の長さではありません

 小赤沢から登って坪場に飛び出す

  14:00 = 高崎IC/関越道/塩沢石打IC = 津南 = 17:10 上ノ原温泉 17:45 = 18:10 小赤沢民宿丸山荘 【泊】
 小赤沢民宿丸山荘 5:10 = 5:30 三合目P
 三合目P5:40 ... 6:50 五合目 ... 7:50 七合目 ... 8:30 坪場 ... 9:20 苗場山 ... 9:45 【L】 10:30 ... 11:10 坪場 ...
 12:25 五合目 12:35 ... 13:25 三合目P
 三合目P13:35 = 14:20 切明温泉 15:00 = 15:50 奥志賀 = 16:45 草津温泉 17:00 = 19:10


 この地図は、国土地理院発行の地形図を使用したものである (経緯度線は20秒間隔)

地図表示 苗場山の場所

秋山郷 上ノ原温泉 のよさの里(¥300)  小赤沢 丸山荘(¥4,500)  切明温泉 雄川閣(¥300)



 山岳展望に興味を持つ人なら、白馬岳から、八ヶ岳から、赤城山から、その他方々の頂上から、この独自の姿を持った山をすぐ見分けるだ
 ろう。
 それはゆるく傾いた長い稜線を持った山である。
 いわゆる山らしい山のたくさん重なっているあいだに、苗場だけはまるで鯨の背のようにその厖大な図体を横たえている。


                                                   
深田久弥『日本百名山』より抜粋

 
この絶頂は周り一里といふ。
 莽々たる平蕪、高低の所を見ず。
 山の名に呼ぶ苗場といふ所、ここかしこにあり。
 そのさま人の作りたる田の如き中に、人の植ゑたる様に、苗に似たる草生ひたり。
 苗代を半ば取残したる様なる所もあり。
                           鈴木牧之『北越雪譜』より



3年前には新潟側(祓川ルート)から登った苗場山に、長野の秘境秋山郷(小赤沢ルート)から梅雨空を押して出かける。

関越道塩沢石打IC経由で入った秋山郷は霧雨そぼ降り。
平家の落人伝説そのままの佇まいで、別世界の感があった。

 天気は期待できないみたい

先ずは上ノ原温泉に浸かったのはいいが食事処が見つからず。
手持ちの食料と車中泊のセットではいじけそうになったので。
とりあえず電話帳で民宿を探して駆け込みます。

営業日ではなかったのかも知れませんが、快く受け入れていただいた上に思いがけず家庭料理のカレーetcをご馳走になりました。
ご夫妻と四人きりで囲炉裏を囲んで楽しい時間を過ごします。

 丸山荘の囲炉裏端


朝早い出発にもかかわらず、宿の奥さんは手作りのカスピ海ヨーグルトとコーヒーを入れて送り出してくれた。
このおもてなしで素泊まり料金だなんて ・・・。
彼女の心遣いに感激して大ファンになってしまいました。

宿から三合目登山口まではすぐそば。
きょうは三合目からチョンボ山行にしますね。

 三合目の登山口駐車場は広い


   いつもぬかるんでいる登山道らしいが。
   昨日の雨が追い討ちをかけて足元はグチャグチャになった。

   本来なら六合目を過ぎて振り返ると鳥甲山が見えるはずですが、この日は雲の中です。
   男性二人が追いかけてきます。
   六合目を過ぎて、根曲がり竹を採りに斜面の中に消えて行った。

クサリ場は多いが特に危険な箇所はありません。
あっけなく山頂湿原の一端、坪場に飛び出した。

天気が良ければすばらしい遠望が得られるのだろうが、生憎今日は遠くの展望はありません。

 あまり必要なさそうなクサリもあります              ▲ 坪場に出ました

広がる湿原に流れるガス。
点在する池塘 ・・・

誰もがこの開放感と感動を求めて山道を登って来るのだろう。

 湿原を闊歩する

今年は季節の移ろいが早いので、チングルマやイワイチョウは既に終りかかっていた。

坪場から更にシラビソの樹林帯を駆け登れば、記憶に新しい苗場山頂の広大な高層湿原が目の前に現れる。

 木道は延々と続く
          チングルマ                  タテヤマリンドウ

湿原の木道をぶらぶら散策していると、前方の高いところに苗場山頂ヒュッテが見えてくる。

現在は苗場山自然体験交流センターという名前に変えています。
いかにもお役所的な名前ですね。

 丘の上に見える山頂ヒュッテ

苗場山の山頂は分かりにくい。
遊仙閣の裏庭みたいなところに三角点と山頂標識がある。
二度目なので探す事もなく、すんなり山頂に立ち寄り写真を撮ります。
展望も何もないので、すぐに小屋の前に移動。


小屋下のテラスに陣取って、超のんびりモードの時間が流れていきます。
靴を脱いで寝転がる。
だらけている時間が勿体ないような、贅沢なような・・・。
ビールがうまいですよ。

 やっぱり撮ってしまいます
ムラサキヤシオ サンカヨウ キヌガサソウ
ゴゼンタチバナ イワハゼ(アカモノ) コバイケイソウ ウラジロヨウラク
ズダヤクシュ ヤマガラシ オオバミゾホウズキ イワイチョウ タテヤマリンドウ

前回来たのは7月だった。
その時と同じ場所に同じ量の雪が残っています。

草紅葉の頃にも来てみたい。
それはそれは素晴らしいそうです。

 山上に残る唯一の雪田

そろそろ帰りましょうか。
往路をそのまま戻ることになります。

相変わらずガスがしつこくまとい付き、上天気と言うわけにはいきません。

 帰りは何故か寂しそう

ガスの流れに振り返ったり、花の写真を撮ったり・・・。
山上の穏やかな時間がゆっくり流れています。

木道沿いのワタスゲは、水気をたっぷり含んで頭の綿帽子が重そうです。

 ワタスゲがいっぱい
 お花さん、帰るよ          ▲ 名残が尽きない山頂湿原

前に来た時は和田小屋側からも、秋山郷側からも大勢の登山者があり賑やかだったが、今日は人が少なく静かでのんびりと心安らぐ山行だった。

 木道沿いのワタスゲの穂

粘土質の登山道は濡れて滑りやすく。
いつものようにハイペースという訳にはいきません。
おっとっと。
滑りながらも転倒することなく、無事に三合目登山口に到着します。

七合目辺りで、女性二人が根曲がり竹を採っていた。
彼女たちは竹の子採取のプロだ。
収穫はどこかに卸して換金するらしい。

 下山道で

切明温泉の正真正銘川原の露天風呂に入る。
風呂に寝そべってのんびりしているうちに、雨も本降りになったのだった。

川原に穴を掘って、湧き出す温泉に浸かっている人達もいる。

さっぱりした二人は、狭い林道をコネコネ走り志賀高原をめざします。
土砂崩れがないことを祈りながら。
片側切れ落ちた秋山林道をひた走り。
奥志賀の広い道路に出たときはホッとした。


霧雨の志賀高原道路を越え、草津温泉に投宿中の娘達を呼び出して、一緒に湯畑で足湯をしてから別れを告げる。

 切明温泉、河原の露天風呂