1999.10.01〜02 (金土)   K2Couple No.0009 

八方尾根
はっぽうおね(長野県)
2,600m

初めて登る北アルプスの大きさに感動


コース最大標高差 : 780
コース累積標高差(+) : 850
コース累積標高差(−) : 850
コース距離 : 9.3 km
行動時間 : 10'20"

* 距離と累積標高差はKASHMIR 3Dによる概算値です
* 距離は地図上のもので、実際の登山道の長さではありません

 モルゲンロートの五龍と鹿島槍

  9:00 = 藤岡IC/上信越道/更埴IC = 11:20 道の駅中条 【L】 11:45 = 12:30 白馬村ゴンドラ駅P 八方アルペンライン》 12:50 八方池山荘

 八方池山荘 13:30 ... 14:40 八方池 15:10 ... 16:00 八方池山荘 【泊】

 八方池山荘 4:30 ... 5:00 ベンチ 【BF】 5:30 ... 5:40 第2ケルン(日の出)... 6:10 八方池 6:30 ... 8:50 扇雪渓 9:00 ... 9:30 丸山 ...

 10:40 唐松岳山頂小屋 10:50 ... 11:20 丸山 【L】 12:00 ... 12:35 扇雪渓 ... 13:30 八方池 13:40 ... 14:50 八方池山荘
 八方池山荘 15:05 《八方アルペンライン》 15:30 白馬村ゴンドラ駅P15:40 = 更埴IC/上信越道/藤岡IC = 18:30

 この地図は、国土地理院発行の地形図を使用したものである (経緯度線は20秒間隔)
                              地図表示 八方尾根の場所

八方池山荘 (¥8,500)

お約束の北アデビューです。
初心者らしく、八方尾根から唐松岳ピストンです。

朝、MK夫婦が我が家に合流した頃は、しょぼい雨が降っていた。
信州に入ると雲が重くのしかかっているが、道は乾いている。

最強はらっぱナビで白馬村に着き、ゴンドラ 「アダム」 に乗って兎平へ。
濃いガスに包まれて辺り一面真っ白になっており、何も見えません。

兎平から黒菱平までリフト。
修学旅行の女子高生が 「真っ白です〜」 と言いながら、リフトのスライドで次々と下りてくる。
ガスの中に、若い娘の歓声だけが響き渡ります。

黒菱平では、八方池山荘もぼおっと霞んでいた。

 八方池山荘

山荘は金曜日なので空いていた。
登山基地としての需要も少なそうだから、今日に限らずいつものことなのかも知れない。
ウィンタースポーツの基地なんだろうね。

お好きな部屋をどうぞ。
そう言われると廊下を行ったり来たり迷った挙句、二段ベッドの16人用の部屋 「唐松」 に陣取る。

 八方池に登る湿原コース

一服して八方池まで出掛けてみても、山は全然見えない。 
ガックリ肩を落とす四人であった。
言葉少なく、みえみえの落胆ムードが広がります。

たまにガスの切れた高みに崇高な稜線が少しだけのぞく。
高あ〜。
ガスに煙る山際は、とてつもなく高く見えるのだった。

 ガスっててもピース

風がなく、静かなたたずまいの八方池を散策する。
飯森神社奥ノ院でお天気頼みをして山荘に戻り、部屋で速攻酒盛り。
6時からのごはんも寂しい限りです。
中年女性の四人が唯一の話し相手。

9時に就寝。

 飯森神社にてお天気頼み

なんとなく浅い眠りに漂いながら、漠然と明日の山行をイメージしていた。
ウトウト中、「星が見えるよ」 と はらっぱに起こされる。
なんと満天の星。
オリオンがひときわ輝き、下弦の月が眩しいくらい明るい。

薄明の空に白馬三山のシルエットが神々しく聳え立っています。
早く行きた〜い。
興奮して殆ど眠れなかった。
深層に眠っていた山想魂が騒いでいるのだ。

 オリオン星座

  そして翌日

4時に起き出して、頼んでおいたしゃけ弁朝飯とお湯をあわただしくザックに詰め込んだ。

ヘッ電で足元を照らしながら、4時半に小屋を出発します。
夜明け前の登山道は、身体が引き締まる。

見事な雲海が広がっていた。
雲の下には未だ明けきらない白馬村がある。

 薄明の登山道と雲海

月明かりに少しずつ目が慣れて、徐々に歩きやすくなる。

夜明けを迎える瞬間が待ち遠しい。
トイレの屋根さえ美しく見える。

 夜明け前

暗い山肌と薄明りの空を分ける形は山のシルエットそのものであり、あたかも天地創造の一場面のような光景だった。

途中のベンチで朝食をとり、第2ケルンで荘厳な日の出を迎えた。
一日の始まりに無言で佇む。

 ご来光
 第2ケルンで                 ▲ 雲海

右奥にはでっかい白馬三山、左は五竜、鹿島槍その奥は爺ヶ岳へと続く後立山の稜線が延びている。

私達の他には誰もいない静けさの中で迎える最高の日の出だ。
不帰のキレットや五龍岳のモルゲンロートが絶景です。

八方池畔で幸せに浸りながら、至福印のコーヒーを入れる。
澄みきった空気の中で、素晴らしい展望を眺めながらのコーヒー。
おいし〜い。

 鹿島槍&五龍をbackにマブシイ
                          ▲ 昨日は想像もできなかった景色
                              ▲ 丸山から白馬三山(白馬鑓、杓子、白馬)と小蓮華 

調子よく登って行ったが、下ノ樺の直角カーブでルートを見逃して尾根道に入ってしまった。
こんなしっかりした道で間違うヤツいるかあ。
1時間以上のロス。
ごめんごめん。 

この辺りがやっと紅葉って感じかな。
鹿島槍、五竜がますます大きく眼前に迫ってきます。

 下ノ樺の紅葉

扇雪渓を通り過ぎ、丸山の急登にかかった。
ガラガラした急な砂礫道。

大展望の丸山ケルンに到着。
頚城の山も全て見えた。
壊れたminoruさんとザックを丸山にデポして、三人で上をめざします。

大きなザックを背負って大学のメッチェンPだろうか、声を掛け合いながら登って行くのが何とも懐かしく微笑ましく感じられた。

 紅葉っぽくなってきた
 稜線をめざす途中から五龍岳            ▲ 唐松岳も射程内に
                           けっこう登ったぜ もう少しで稜線だ
                                        ▲ 頚城のやまなみ

途中で睦っちゃんも置いて、二人だけでも唐松岳まで行きたい。

頂上山荘に着くと正面に雄大な剱岳、立山連峰の勇姿がうれしいっ。
稜線に辿り着いた瞬間に開ける大展望。
感動もひとしきり大きなものになります。

八方尾根の無風快晴と違い、稜線上はやや風強し。

ここから唐松岳のピストンにはたっぷり30分はかかる。
迷った末に、山を諦め友人をとります。

 八方尾根上部捲道を行くはらっぱ
 大黒岳方面、牛首と五龍岳            これが北アルプスかあ
                                   眺望満点
                    自力で初めて登った北ア稜線。頂上山荘から唐松岳を望む(次回は白馬から縦走しよ) 

後ろ髪を引かれる思いで下ります。
急いでMK夫婦さんの待っている丸山まで戻る。
minoruさんは日向ぼっこしながら寝ていた。

稜線からの絶景を一生懸命説明します。

 稜線からの景色、最高だったよ

白馬三山をおかずにお昼の弁当を広げて、のんびりと思う存分秋山を堪能したのであった。

さすが北アルプスだ。
聳え立つ山、切れ込む谷のスケールが大きいよ。

きょうは下山するまで、ずうっと富士山まで見える快晴だった。

 丸山でうれしいランチタイム
          ▲ 青空が気持ちいいぞ〜

第2ケルンの辺りでminoruさんの足が壊れて、杖のおじさんになる。
亀足ペースの下山です。

パラグライダーが気持ちよさそうに浮いていた。

山荘からクワッドリフトを乗り継いで、気持ちよく降りる。
この辺りは、長野冬季オリンピックのアルペンスキー会場だった。


帰りの道の駅 「中条」 でキリンビールのW林さんと偶然出会う。
会社の行事で栂池に行った帰りだって。
キリンビールも高崎工場の閉鎖が決まって、社員は気の毒です。

今回はいろんなことがあったが、期待通りの山行ができて良かったね。
山はいいよね、MKさん。
初めての北アで快晴に恵まれるなんて、最高の幸せ者だぞ。
また登ろうよ。

 いよっ、若い?カップルさん(兎平駅)