2011.11.05 (土)   K2Couple No.0339 

裏妙義縦走 丁須ノ頭
ちょうすのかしら(群馬県)
1,057m
薄曇りでも最高の眺め、素晴らしい紅葉

コース最大標高差 : 630
コース累積標高差(+) : 1,060
コース累積標高差(−) : 1,060
コース沿面距離 : 8.5 km
行動時間 : 7'00"

* 距離と累積標高差は GARMIN GPS data です

 籠沢コル直下スラブの黄葉

  7:35 = 藤岡IC/上信越道/松井田妙義IC = 8:20 国民宿舎裏妙義P

 国民宿舎P 8:45 ... 9:30 木戸 9:40 ... 10:55 御岳分岐 ... 11:10 丁須ノ頭 【L1】 11:30 ... 11:40 無名岩峰 ... 11:45 チムニー 11:55 ...
 12:20 赤岩標識(基部)... 13:00 烏帽子岩トラバース ... 13:30 風穴尾根ノ頭 【L2】 13:50 ... 14:00 三方境 ... 15:20 中木川出合 ...
 15:30 中木沢渡渉 ... 15:45 国民宿舎妙義P
 国民宿舎16:30 = 松井田妙義IC/上信越道/藤岡IC = 17:20


 この地図は、国土地理院発行の地形図を使用したものである (経緯度線は20秒間隔)
                                  丁須ノ頭の場所

国民宿舎 裏妙義 (¥400)



 【裏妙義縦走】
 奇岩の妙義山塊の中でも、この縦走コースは妙義の岩稜縦走の代表的なもの。
 頭上を圧する丁須岩からさらに奇峰を連ね、赤岩、烏帽子岩へと続き、主稜はさらに最高峰の谷急山へと続いている。
 コースはその中の核心部である丁須岩から三方境までを歩くもので、スリルに富んだ裏妙義のメーンルートとなっている。

 縦走は国民宿舎側からと、三方境側からのコースが考えられるが、篭沢の景観を楽しみ、後半に三方境の長い下りをとった方が コース的
 に楽しい。
 また、三方境から入山方面に下ることもできる。
 コース中にはクサリなどが危険個所に設置され、整備も行き届いているが、十分な注意が要求される。
 山麓には国民宿舎もあり、秋の紅葉シーズンなど数多くの登山者でにぎわう。

    
 【丁須岩】
 「峨々たる巌連なりて、虚空にそばだつ妙義山・・」と歌われ、群馬の人々に親しまれている妙義山は上毛三山の西の雄である。
 この詩のとおり、丁須岩はその岩峰を突き上げて、裏妙義山塊を代表するシンボル的存在と言える。
 その名称の由来も、岩の形が「丁」の字に似ているからとか、山麓の中木地区は、岩の形の「中」からつけられたなどと伝えられており、
 想像をたくましくしてみるのも楽しい。
 登路は一般登山道のほかに、沢登りのコースで登ってくる人もおり、いろいろとバラエティに富んでいる。
 丁須岩下にはクサリ場があり、子ども連れの場合など要注意。

                                              
上毛新聞社『群馬の山歩き130選』より


紅葉の時季に行こうと決めていた裏妙義。
紅葉情報では色づき始めなので、稜線は良いかなと期待を込めて。

洗濯しながら海苔巻きを作って、おいちゃんが起きてくるのを待ちます。
予定より30分遅れの出発。

高速道路は行楽の車でしょうか、激混みですが順調に走る。

 松井田妙義ICで降ります

魚釣りで賑わう妙義湖から、丁須ノ頭のトンカチがチラ見えします。
空は期待通りの青さ。

国民宿舎裏妙義に1時間足らずで着きました。
上毛三山の赤城、榛名、妙義まで大体同じ時間ですね。
近くに山があるって嬉しい。

 木々の間に丁須ノ頭が

駐車許可をいただきにフロントに行ったら、東屋の前に置いてねって。
そこがいっぱいの時は、テニスコートに停めるらしい。
東屋のそばには水洗トイレもありました。

準備をしてると隣に習志野bフ単独女性がやってきて、話が弾む。
山の様子を訊かれましたが、私たちも初めてな訳で。

駐車場には、なにわbフ大型バス(登山ツアー)が停まっていた。
関西からですか〜。

 国民宿舎裏妙義

国民宿舎前の林道を進むとすぐに、登山者カードの箱があります。
記入しますね。
川では砂防ダムの工事で、作業音が響いています。

程なくして、右の登山道に入ります。
道端の草は、夜露でびっしょり濡れている。

小さなお子さん連れの若い家族が、山を眺めて楽しそう。
野鳥を探しにきたそうで、三脚にビデオカメラをセットしていましたよ。
こんな楽しみ方もあるんですね(^^)

 林道の登山届けbox
 丁須岩登山道入口            ▲ 岩山に穴があいてる

穴の開いた岩山が見えました。
妙義の山は、何故か穴だらけなんですね。

だんだんと黄葉が出てきて、ワクワク感が高まります。
籠沢を辿る道は徐々に大きな岩ゴロになっていきますが、道標や黄ペンが頻繁にあり踏み跡はしっかりしているので迷うことはありません。

 黄葉が色づき初めです(籠沢)

亀足K2隊ですから、若い4人party♂1♀3に先行してもらいます。
どうぞ・・・と道を譲って振り返えったら、木戸と彫られた板があった。
早速休憩です。

夏でもないのに、異様な蒸し暑さに辟易。
余り汗をかかないおいちゃんも、頭から汗を流していました


 稜線岩峰が見えてきた               炭焼き釜

だんだんと跨げないような大きな岩岩が出てきました。
跨げないから攀じ登るんですね、クサリ付です。

でも、周り中が綺麗な黄葉なので励みになります。


 先行の若者4人                キレ〜
 岩の間を行くと嵌るよ ▲ 暑いぜよ  は〜い写真撮るよ(紅葉と対話)
 赤青黄、信号かいな ▲ こりゃ撮らずにいられない  で〜、たまには登りますね

写真を撮りながら、エッチラオッチラ登る。
けっこう急ですがね。
彩やかな紅葉を見上げては、何だらかんだら足を止めますね。
赤信号みたいなもん。

沢幅が狭まってルンゼ状になれば、稜線が近い雰囲気です。

 籠沢源頭部        ▲ 紅葉に映える妙義山(上毛カルタ)

稜線上で、横川からの道(御岳コース)と合流します。
御岳は、紅葉真っ盛りの三角山に見えました。

ここからは稜線をまたぐ形で、乗り越えて下って行きます。
つまり、やや下り気味に丁須ノ頭を北側に捲いて行くんですね。
草付きっぽい斜面もあるので、要注意。

 籠沢のコル

チョッと道が崩れた場所があり、木に掴まって慎重にトラバースします。
妙義の沢は深く切れ込んでいるので、油断できません。

捲き続けて進むと、直角に真上に登る道になります。
ここからは正面に浅間山その下に高速道路、振り返って後ろには榛名山などが見えました。

更にクサリを直上して、嫌らしいトラバースです。
少し進むと、人の声。

 御岳の後ろに薄っすらと榛名山
 展望良し ▲ 登ってトラバース  嫌らしいトラバースですよ

丁須岩の基部です。
クサリを意識して一段目に上がりました。
一段目までは緩いゴツゴツのスラブなので、クサリフリーでもOKです。

おいちゃんは、そのままもう一段上の肩まで登っています。
私にも来いよと言うので登ってみたけど、狭くて狭くて落ち着きません。
あたし、帰る
あたし、すぐに下っちゃったの。

 丁須岩の一段目から肩を見上げる
 肩に立つおいちゃん ▲ 思案中  あたし帰るよ

おいちゃんは肩で思案中 ・・ してましたが、ビレイヤーがいない訳で。

傍にいた東京からの三人party♂2♀1が登ると言うではありませんか。
渡りに船とばかり、急いでハーネスを着ける。
「混ぜて」と喉まで出ましたが、ぐっと飲み込んじゃいました
知らない人には命を預けにくいしね。

 肩から見下ろすと

 丁須岩の基部にあったアブラツツジの紅葉とナナカマドの実

                          これから向かう縦走路 ( 赤岩と烏帽子岩 )

ここからの展望は素晴らしく、荒船山の右奥に八ヶ岳、赤岩烏帽子岩をはさんで浅間山、鼻曲山、浅間隠山がズラ〜っと。
南方は、表妙義のギザギザに手が届きそう。
その後ろには奥秩父の山並みが並んでいます。

去年は、たっくんのお陰で表妙義を縦走したよね。
白雲山の見晴らしから、点のような丁須岩を興味深く眺めたっけ。

ちょっと山影が薄かったけど、まあまあ満足の展望です。

 表妙義のギザギザ   山名詳細
 荒船山の右奥に八ヶ岳

              ▲ 浅間山


人が増えてきたので、簡単にパンを食べて下りましょう。
クサリを頼りに基部まで下りて縦走路へ進みます。

クサリにビレーを取って、クライマーを眺めて写真を撮るおいちゃん。
隣の無名峰から振り返ると、若い女性がトップロープでちょうど天辺に立ったとこでした。

転落事故があるそうですが、ここは確保なしで登る岩ではありません。
ハーネス姿を見た人に 『 丁須岩登ったんですか 』 と訊かれた。
『 えっ はい 』 
← 嘘ばっかし

 写真を撮るおいちゃん
 はらっぱ丁須岩をあとにする           ▲ 登りたかったような ・・・
 楽しいね〜               ▲ リンドウ

丁須岩から一旦下って登り返した無名岩峰は、南側の捲き道が閉鎖されていました。

僅かに進んだ場所が、垂直20mのチムニー下りになりますね。
非力なはらっぱの事を考えて、懸垂下降します。
やはり鎖で下るより安全だし、超楽チンです。

20mと言っても、上半分が垂直のチムニーで、下半分は傾斜の落ちた開けたスラブです。
誰もいなかったので、ゆっくり楽しんで下りました(^^

 下が見えないチムニー
 おいちゃんが先 ▲ はらっぱ  ノープロブレム

ここからは小さな峰を登ったり下りたり、切り立った崖の上だったり。
道なりに進むのみ。

稜線から見下ろす斜面は、今が盛りの紅葉の海じゃありませんか
素晴らしい彩りです。
綺麗!美しい!素晴らしい!と何回も口走るはらっぱ。
おいちゃんも (^^

 赤岩に近付く
▲▲▲ 何処を見ても美しい

                                うっとり

赤岩の手前切り開きから、またまた美しい浅間山。

赤岩絶壁のトラバースを思い描いて歩いていたら、樹間に桟橋が見えます。
あそこまでどうやって行くのだろ、と思ったらいきなり急下りの鎖場よ。

そして岩場のトラバースの始まりです。
延々とね。
桟橋を渡ってもまた岩場のトラバース ・・・
よくこんな道を作ったものだと感心しまくり。

 スタスタ
 トラバース祭りの始まりだよ
 小広いところもあれば           ス〜ス〜する所もあるよ
 ▲▲▲ 桟橋は安心感があっていい

                            途中から壊れてるし 。。。

そして烏帽子岩のトラバースは、ハングが庇になっていて下が広い。
展望も開けて、そこそこいける。
ホッと一息つきまして、私のお腹もハングリー ・・・ 食べよっか。
おいちゃんは風穴ノ頭でランチ予定らしく、無視して行っちゃいました
頑固なまっしぐら 作戦に出たようです。

もう1時半だし。
腹へって死んでも知らないよ〜。

 腹ペコにつき、パワー不足
 若干飽きてきた          ▲ 風流人には紅葉がご馳走
 うわっすごっ

             飽きてきたかも

                        幻想的な浅間山と上信越道(松井田町入山)

 きれ〜             やっぱり飽きてきた
 紅葉鑑賞、感傷の秋に浸る間もなく、急下り始まる  トんカチが見えたよ

 樹林越しの谷急山             ムラサキシキブの実

やっとおいちゃんの目的地、風穴尾根ノ頭に辿り着いた。
で、ランチにありついたのでありました。

岩の上に立つと、歩いてきた稜線がちゃんと並んで見えます。
ちっちゃくなった丁須岩、赤岩、烏帽子岩 ・・・ よく歩いたよね。
水も飲まず、ご飯も食べずに。

 お手製の海苔巻きとパン

                    ▲ 裏妙義の代表三選手が並んでる (風穴尾根ノ頭より)


ここからは、落ち葉に隠れた滑り道をガンガンズルズル下って行きます。
紅葉は、まあまあかな。

西には紅葉の向こうに谷急山がぼやけています。
谷急山、遠くて行く気しね。
絶対無理だね、行かないだろうな。

ぐんぐん下って三方境でした。

 三方境


左に曲がって国民宿舎へ巡視路を帰りましょう。
始めのうちは、綺麗な黄葉を楽しみながら下ったのですが。
まだまだこれから、今は紅葉の「こ」くらいです。

風穴尾根を捲く同じ様な道が延々と続くので、飽きてきました。
飽きっぽいK2隊。

ザレた道でズルっと滑りながら、まだかまだかと歩きます。
若者♂三人が、特急でズルズル滑って笑いこけながら走り下りて行く。
いいなあ、あの若さ、超軽装備だし。

 この辺りでも、きれいな所がありました

いい加減にしろって思う頃、やっと沢の音が聞こえてきました。
中木川を渡れば林道をあとわずか ・・・ のはずだったの。

沢で休憩していた例の三人が沢を渡らず山道を行きます。
ん?下山道はこっちだよって言うと、国民宿舎への近道ですよと ・・・
私達も真似っこしてみました。

薄い踏み跡で大丈夫なの?

 河原で寛ぐ若者♂3

あれ?三人が引き返して来ちゃったよ、工事中で行けないって ・・・。
仕方ないので、私達は中木川を渡渉して林道に上がります。
進入禁止の工事札に出てきました。
(進入じゃないよ脱出だよ)

国民宿舎へ帰ってくると ・・・ あれっ、若者に先を越されたの。
沢から藪を漕いで林道に出たんだって。
怖いもの知らずも若者の特権。

 この先危険につき進入禁止


車に帰って靴を脱いでいたら、朝話した隣の車の女性がお風呂から出てきて、またまた山話に興じる。
大キレットやジャンダルムを話題にする超ベテランの彼女でした。

貸切で気持ち良くお風呂に入ってさっぱりする。
帰途につく頃には、山間の道は薄暗くなっていました。

裏妙義の山はスリルあるし、きょうは紅葉も素晴らしく達成感の山でした。

 国民宿舎に戻りました