2011.04.30 (土)   K2Couple No.0316 

石鎚山
いしづちさん(愛媛県)
1,974m
西の最高峰を登ったあと、あっと  

コース最大標高差 : 485
コース累積標高差(+) : 745
コース累積標高差(−) : 745
コース沿面距離 : 9.0 km
行動時間 : 6'30"

* 距離と積標高差は GARMIN GPS data です

 二ノ鎖を登る

 石鎚スカイライン専用p 7:00 = 7:25 土小屋P

 土小屋P7:40 ... 石鎚神社 ... 8:40 第二ベンチ 8:50 ... 9:45 二ノ鎖元小屋 9:55 ... 二ノ鎖場 ... 10:50 石鎚山弥山 11:10 ...
 11:25 三ノ鎖下 【L】 11:45 ... 14:10 土小屋P
 土小屋14:30 = 14:35 国民宿舎石鎚 【泊】


 この地図は、国土地理院発行の地形図を使用したものである (経緯度線は20秒間隔)

                              石鎚山の場所

国民宿舎石鎚 (¥7,350)


 石鎚山は四国のみならず西日本最高の山である。
 わが国で最も古くから讃えられた名山の一つで、『日本霊異記』にその名前が現れている。
 石鎚神のいます山としてあがめられ、まだ山岳が仏教の影響を受けない昔からの名山であった。(中略)
 北側から登るのが表参道であろうが、私は南の裏側の面河渓から登った。
 こちらの方が原始的な自然の姿を残している。
 この道は、頂上の近くで表参道と一緒になる。
 露岩に、下から順に、一ノ鎖、二ノ鎖、三ノ鎖とかかっていて、上に行くほど鎖は長くなり、急峻さも増してくる。
 表・裏の道の合併するのは、その三ノ鎖の下である。
 太い頑丈な環を組んだ鉄の鎖で、いかにも石鎚山が古くから民衆の登山の対象であったことを偲ばせるものだ。
 鎖を登りきると、弥山と称する岩ばかりの頂上で、石造の祠があった。
 一般参詣者はここを石鎚の頂上としているが、四国最高の地に立つためには、更に天狗嶽という岩峰まで行かねばならぬ。
 ここの方が弥山より約二十米高い。
 私がその頂に立った時は、期待していた瀬戸内海は雲の下に隠れていたが、石鎚山を盟主とする多くの衛星峰を望むことが出来た。
 有象無象の山々の彼方に遠く土佐湾があった。
 東の方には無数の山波が続いて、その果てに阿波剣山の連嶺も望まれた。
                                         深田久弥『日本百名山』より抜粋


二日目は西日本最高峰、石鎚山です。
昨日の剣山は四国第二位の標高らしい。

朝起きて、とりあえずお湯を沸かす。
お握り、バナナ、ヨーグルト,温かい紅茶の簡単な食事ですよ。

夜のうちに5台位車が増えていたが、全員が山登りではなかった。
隣の車の人達は渓流釣りらしく、釣竿をもって駐車場から出て行った。
他にも釣り師の車あり。
バイク2台はツーリング仲間でしょうか?テントをたたんで出て行きました。

 石鎚スカイライン専用駐車場の朝

石鎚スカイラインのゲートは7時に開きます。
開門時間近づくと、何処からか自然と車が集まってきて並び始めました。
やっぱり、道の駅に泊まる人が多いのかもしれません。

慌てることはありませんが、私達も一応列に並ぶ。
結局数台目にゲートを通過。
みんなカーレースさながらスカイラインを駆け上って行きます(^^;

 ゲート前に並ぶ車
途中から石鎚山が見えてきたので、写真を撮りながら土小屋へ。

石鎚山のシルエットは、剣山と趣を変えて急峻です。
格好いいと思うか、怖い山と思うか ・・・ それは人それぞれ。

 スカイラインからの石鎚山

駐車場には、前日に入った車がいっぱい停まっている。
土小屋の国民宿舎、または頂上小屋に泊まられたのでしょうかね?
いや、殆んど車中泊じゃない?

風が吹きまくって冷たい、そして寒いです。
少し着込んで車から出る。
昨日も風が強かったが、きょうはそれ以上ですね。
おいちゃんは帽子を脱いで、トレードマークの黄色いタオルに変える。

 土小屋p

石鎚神社・土小屋遥拝殿に安全登山の祈願をして、登山開始です。

無事に行ってこれますように(パンパン)
よっしゃ。

 石鎚神社土小屋遥拝殿

登山道は風下側を巻くようにつけられているので、風を感じない。
寒くないな。

ポツリポツリと小さなショウジョウバカマが咲いています。
暖冬の年にはアケボノツツジが咲くようですが、今年は残念ながら蕾すらありません。

 ショウジョウバカマの赤ちゃん

鶴ノ子ノ頭から石鎚山の急峻な山容が望める。

ポコポコ道を気楽に進むと、登山道に雪が現れました。
トレースを辿って進みますね。

 雪渓のトラバース

                              ▲ 第2ベンチ付近

こんなに沢山雪が残っていようとは夢にも思わなかったので、アイゼンは持ってきていません。
結構急な斜面なので、滑ったら何処までも落ちて行きそうです(^^;
おいちゃんから「慎重にゆっくり歩け」と声がかかります。

雪の量がだんだんと多くなり、階段&雪道の繰り返しです。
いくつ雪渓をトラバースしたでしょう。

 どこまで続くトラバース

ロープウェーで上ってくる夜明峠を歩いている人が見えるようになると、二ノ鎖元小屋も近い。
ここで、西之川コースに合流する。

薄暗い小屋よりも、鳥居付近の階段で休憩している人が多い。
土小屋コースは、雪道が多くてあまり休む場所がありませんでした。

いよいよ、ここから鎖場の始まりです

 二ノ鎖元小屋

鎖の取り付きまで、雪の壁を登りますね。

二ノ鎖は65mもあるそうです。
太っい鎖で、とても持ち上げられるような代物ではありません。

 なんでこんなん

前の人に続いて登りますが、足場が悪く腕力勝負ですね。
かよわい女性には厳しいです。
岩は濡れて滑るし悪戦苦闘、四苦八苦のはらっぱです

おいちゃんから足場のアドバイスを受けながら、やっとこさ登りましたよ。
男の人はガンガン登っていきます。
凄いな〜

               疲れたよ〜                          終了点です

                         ▲ 絶景じゃん、まるで木曽駒の宝剣岳みたい

次に控える三ノ鎖は、垂直で長くて大変そうです。
二ノ鎖で往生したので、三の鎖はパスしましたよ。
腕限界だし ・・・
(あとで聞いた話では三ノ鎖は足場が多く、見た目より簡単だって)

捲き道も雪と階段の繰り返しで、そう楽ではなかった。

 三ノ鎖

山頂の弥山に着いたはいいが、風が強くてまともに歩けないほど。
食事どころではないので、みんなウロウロしています。

天狗岳に行ってる人が見えるけど、無理せず見るだけにしました。
石鎚山の最高峰はもちろん目の前の天狗岳。
弥山 1974m
天狗岳 1982m

石鎚山は、伊予の海側から眺めたその山容が「石の鎚」に似ていることから名付けられたそうである。

 もうすぐ山頂
 一応ピース      ▲ 風に煽られて髪の毛がおっ立ってますね
                        ▲ 天に向かって聳える天狗岳 (登りたかったなあ)

 石鎚神社頂上社             ▲ 登ってる人がいるよ

少し下った場所から岩場を伝ったところに、いいランチ場所を見つける。
風当たりも少なく絶景だから来いよっ ・・・ おいちゃんが誘いますが拒否。
こんなところで落ちたら笑いもんだよ。

無視すれば、自動的においちゃんは付いて来ます。
ブツブツ言いながらですけどね(^^

シースルーの桟橋は、山側がお登りさん用で崖側がお下りさん用です。
言ってみれば、石鎚神社の参道みたいなもんですね。

 シースルーのパンチング桟橋

山頂では風が強く人も多かったし落ち着く場所がなかったので、三ノ鎖を登る人を見ながら雪と笹の中で食べました。
お湯を沸かしてカレーラーメン

下りの雪道は慎重に慎重に。

 こんな場所のランチは想定外
 二ノ鎖元小屋に帰ってきました             ▲ 雪渓の急斜面

土小屋に下る途中で、ほら貝の音が響いてきました。
しばらくして白装束の男性が登って来ましたね。
修験の山、石鎚の面目躍如というところか。

そのあとに若い♂二人が大きなダンボール箱をいくつも背負子で担ぎ上げてきました。
小屋の食料をボッカしているお二人でした。
雪道の中、ご苦労様です。

 ボッカさん

登りで休憩した第2ベンチで休んでいたら、軽装の若者集団がやってきた。
京都の自転車ツーリングクラブの仲間らしく、感じの良い子たちでした。

山岳自転車の話になり槍ヶ岳で自転車を背負った人に会った話をすると、それは彼らの先輩で「きっと○○さんだ」と言ってました。
楽しそうに笑っていましたが、ウェストポーチだけで何処まで登るのかな。

 何の芽?

下山後に麓まで下りる予定でしたが、明日は予備日だし移動が面倒になってきたので、日帰り入浴予定だった久万高原の国民宿舎に宿泊する。
満室なのでと断られてしまった(^^;
ナビで周辺検索してみたら、ここの近くに国民宿舎があるじゃないの。

すぐそばにある国民宿舎石鎚に駄目元でを入れてみたら、昨日は満室だったが今日はOKですと快諾。

建物は古いし暖房は炬燵だけの部屋でしたが、お風呂に入れて足を思いっきり伸ばして寝れればいいよね〜。

 土小屋の広場(神社の前)

早速お風呂に入って部屋で寛ぎます。
PCに画像dataを落として、タイムチャートを作って ・・・ ビール飲んで。

食事の時間になったので廊下に出たら、対面の部屋の女性と鉢合わせてご挨拶しました。
「はらっぱさん?」と声を掛けられ、状況が把握できずに脳内整理不能。
うっそ〜、本当に  睦月さんなの  なんでえ  
・・・・・
信じられない者同士、一瞬吃驚仰天、周章狼狽、茫然自失、興奮最高潮。

 ビックリ箱の国民宿舎石鎚

何と縁の深い気の合ったお二人でしょう。
去年も奈良の大台ヶ原へ一日違いで登ってましたし、他にもニアミスが。
今回は同じ時間に、しかも遠い四国であり得ないピンポイント ・・・
――― 赤い糸のつもりですけど
この後は4人揃って、楽しい夕食になりました
もっともっと話したかったけど、食事タイムの終了時間になってしまった。
のろのろ隊♂は日本酒、K2隊♂はビールで出来上がりです。

睦月さんの記録はこちらです(^^

 食堂でしゃべりっぱなし


  翌 5/1 予備日(移動日)  

 国民宿舎石鎚 8:10 = 9:15 久万高原道の駅みかわ 9:30 = 10:15 道の駅小田の郷せせらぎ 10:25 = 11:10 内子町並散策 【L】 12:45 =

 川内IC/松山道/大洲IC = 14:10 道の駅伊方きらら館 14:45 = 15:20 佐多岬半島三崎港 17:30 《国道九四フェリー》 18:50 大分佐賀関港 =

 19:35 大分市デニーズ 【S】 20:05 = 竹田 = 21:20 道の駅すごう(車中泊)

朝食もご一緒して、睦月さん達は土佐高知へ。
私たちは行くあてもなく ・・・ さてどうしようか

予報どおり、窓ガラスの外はシトシト雨が落ちている。
きょうは九州への移動日で、フェリーの予約は夕方の6時半です。
時間はたっぷりあるね。

松山も高知も、昔何度か行ったことがあるのでパス。
地図で「内子の町並み」という小さな文字を見つけた。
取敢えずここへ行ってみようぜ(笑)

 きょうは何処に行こうかね

当初の計画では、この日に石鎚山に登る予定だったのを一日早くしたので余裕です。

夕べから降っていた雨は宿を出るときには小降りになり。
スカイラインを下る頃には、止んで空が少し明るくなってきたみたい。
雨に洗われた新緑が美しく、桜もまだ見頃です。

 緑・桜・緑・桜のスカイラインを下る

適当にナビにセットした道中は、四国愛媛の道です。
四国といえば、八十八箇所のお寺を巡礼修行するお遍路さん。

お遍路さんに沢山すれ違いました。
白衣に遍路笠を被って単独であるいは二人で黙々と歩いています。
自分探しの旅なのでしょうか。

私たちの山行も、『自分探し』の境地まで高められればいいのですが ・・・
今のところ観光気分な訳で。

 お遍路さん

道の駅があると、全て寄ってみたくなりますね。himadashi

久万高原道の駅みかわ
小田の郷せせらぎ

大きないちご1パック300円を買って食べながら移動します。

 久万高原道の駅みかわ

内子の「フレッシュパークからり」は、渓流沿いの公園のようなイベント盛りだくさんの大規模な道の駅でした

内子の町並みは、江戸から明治にかけての繁栄をしのばせる白壁・土蔵の建物が約 600mに渡って並んでいます。

フレッシュパークからり
内子町観光協会

 内子駐車場のレトロバス

八日市・護国の街並み保存地区にある本芳我家住宅は重厚な外壁と屋根とのあいだに鏝絵が見えるし、庭も素晴らしい。
木ろう製造の基礎を築いた豪商で明治22年に建てられたもの。
外壁は亀甲壁で、重文指定だそうです。

お隣さんはなまこ壁のお宅でした。

お土産屋さんは絵蝋燭や和紙の人形や藍染など。

床几(しょうぎ)に腰掛けて寛ぐおいちゃんです。
これは使わない時は吊り上げてたためるようになっています。
店売りにも使われたようです。


町並みの一角で「そうげん水車苑」というお店でうどんの文字を発見。
山菜や油揚げの入ったうどんと竹の子の煮付け、切干大根の煮付け、ひじきの煮つけが付いて800円。
安くてとっても美味しかったの。

裏庭には水車が回り、大きな鯉が泳ぐ池があって落ち着いた雰囲気。
旅の感じを満喫します。

                           そうげん水車苑の店内と裏庭

近くには龍馬脱藩の道があるようで、龍馬の看板が並ぶ。

龍馬は土佐を出奔し韮ヶ峠を越えて伊予の国に入り、脱藩後最初の夜をこの内子町にある泉ヶ峠で過ごしたらしい。
『日本を今一度、洗濯いたし申し候』 とか。

そういや我が隊も、洗濯物が少しずつたまり始めたごとあるぜよ。
『汗臭い山服を今一度、洗濯いたし度くそうろ』
が、コインランドリーは見当たりませんがね(^^;

 芸州脱藩につき

駐車場の側にある護国山高昌寺を参拝します。
大きな寝釈迦もありました。

 高昌寺

この後も道の駅に寄りながら、フェリー乗り場の三崎港をめざします。
フェリーの時間を繰り上げようと画策しますが、どの便も満車らしく失敗。

道の駅からは海を眺めてボ〜としてました。
伊方きらら館には水槽があり、フグや鯛がボ〜っと泳いでいる。
こんな静かな海に面して伊方原発サイト。

伊方きらら館
瀬戸農業公園
四国電力伊方原発

 道の駅・瀬戸農業公園
 佐多岬半島には風車が多かった         ▲ 道の駅・きらら館で時間調整

暇を持て余して、ずるずると三崎港に到着。

3時間も早く着いちゃったので、その旨伝えるとキャンセル待ちの列に並ぶように指示される。
最初の便は三台前までで満船、それからまた1時間も港をブラブラする。
結局、予約より1便(1時間)早いフェリーに乗ることが出来た。

途中でお願いしたときは、早い便には乗れない雰囲気だったのに ・・・
キャンセル待ちという奥の手があるなら、途中で暇つぶしなどしないでもっと早く並べば良かったなあと後悔する二人でした。

 三崎港フェリー乗り場
 私たちのフェリー早く来ないかなあ           ▲ 来た来たやっと来ました
 いよいよ乗船しますね              ▲ 乗船券ですよ
 車満載のわりに人が少ない              ▲ 佐多岬灯台

この日は揺れに揺れて、ジェットコースターのように前後に大きく波乗り越えて進んで行きます。
佐多岬灯台を見送り、太平洋側は広くて何も見えない。

大分佐賀関港に着く頃には、陽が沈みかけていました。
無事に九州に着いたのだ。
ジョイフルで夕食、おいちゃんは硬すぎるサイコロステーキ定食、はらっぱはハンバーグ定食。

中九州横断道を走って、竹田市を過ぎ道の駅すごうで車中泊です。
明日は阿蘇だ ・・・ むにゃむにゃ。

 別府湾に沈む太陽 (佐賀関入港)