2010.08.16 (月)   晴れてるけどガス K2Couple No.0283 

南八ツ 権現岳
ごんげんだけ(長野県・山梨県)
2,715m
  旭岳 2672m 権現岳 2715m 三ツ頭 2580m
つかの間の展望ショーに歓喜 

コース最大標高差 : 1,180
コース累積標高差(+) : 370
コース累積標高差(−) : 1,285
コース距離 : 7.2 km
行動時間 : 6'10"

* 距離と累積標高差はKASHMIR 3Dによる概算値です
* 距離は地図上のもので、実際の登山道の長さではありません

 三ツ頭よりガスの権現岳

 キレット小屋 5:30 ... 5:50 ツルネ ... 6:30 旭岳 ... 6:55 ゲンジー梯子 ... 7:05 権現岳 7:15 ... 7:35 マイナーピーク 8:00 ...

 8:20 三ツ頭 【L1】 8:40 ... 9:10 前三ツ頭 ... 10:10 【L2】 10:25 ... 11:20 天の河原(観音平分岐)11:30 ... 11:40 天女山P
 天女山P11:50 《TAXI》 12:05 美し森ファームたかね荘P12:20 = 佐久 = 内山峠 = 15::00

 この地図は、国土地理院発行の地形図を使用したものである (経緯度線は20秒間隔)

権現岳の場所


朝4時に目を覚ますと、オリオン座が輝いていました。
山上から見上げる星の輝きは、格別のものがありますよ。
風が木立をビュービュー吹き抜けています。

東の空が少しずつ染まって、30分くらいの間に天狗尾根のシルエットがはっきりしてきます。
群馬の方から明るくなるんですね。
日出ずる国、上州(^^

 天狗尾根のシルエット

眼を南に移すと、小屋の窓から富士山が見えています。
仄暗闇から開放された薄明の空に、山頂が浮かび上がっていました。

きょうは良い天気になるものと信じていた ・・・ この時は。

悩める単独のお兄さんは、一晩熟考の末、オーレン小屋を諦めて一足先に権現岳に戻って行きます。
オーレン小屋から観音平に戻る妙案が見つからなかったのです。

 富士山が

自前の朝食を摂りながら、風の様子をうかがう。
しかし勢いが衰えそうもないので、見切り発車しますね。
まず崩壊地を行く。

シラビソの樹林を急登して、ハイマツ帯を登りつめるとハゲツルネのピークに至る。

バックには赤岳・中岳・阿弥陀岳の壁がせり上がって屏風のようです。
素晴しい眺めですね。
横岳もちょっとだけ頭を覗かせていました。


権現岳に向かったはずの悩める静岡の単独青年が、こっちに戻ってくるじゃありませんか。
この素晴らしい展望に挑発されて、再度コース変更したらしい。
やっぱり赤岳を越えてオーレン小屋に行くという。
吹っ切れたのか、更に深い悩みの淵を彷徨うのか ・・・ それが問題だ。

 ハイマツ帯を登る
 ハゲツルネピークから権現岳方面 【南】
 同じく赤岳方面 【北】

強風に身体を煽られながら、一歩一歩進みます。
富士山がぐっと大きくなりました。

しかし、山岳展望を楽しめたのは6時まででした
あとは、容赦のないガス攻撃。
やっぱり早立ちすべきだった。

 富士は高いな大きいな ・・・ あれっ?
 ツルネを越える頃はガスガス           ▲ ツルネのコマクサ群生地

旭岳の登りにかかる頃には最悪のコンディションです。
ガスはますます濃くなるし、吹き付ける風に言葉もありません。
飛ばされんなよ〜。
は〜い

途中でルートミスして、谷に下る踏み跡に入ってしまう。
おいちゃんが偵察に出ますが、戻ってきて改めて上の岩場を登ります。

基本的には晴れているので、回復の期待はあるものの冴えない。
足元に咲くウメバチソウを見つけて、気持ちを立て直します。

 旭岳を捲く
                            ▲ 旭岳周辺(ここは何処?)

青年小屋に泊まったという男性二人とすれ違い、「生憎ですね」と挨拶。
朝はあんなに綺麗に晴れてたのにねえ。

岩場のアップダウンやトラバースしているうちに、梯子の下に着く。
ここが最低コルなのだろうか。
あの有名なゲンジー梯子かと感心して見上げますが、上部はガスの中に消えています。

暫しの休憩を挟んで取付きますね。
数えながら登ったら60段ありました。

 長い梯子の下で休憩
 ゲンジー梯子を登るはらっぱ         ▲ 景気付けにピースをしてみました

梯子をクリアーして、25mのクサリを登れば稜線です。

平らな痩せ尾根を進むと、権現岳山頂分岐。
標識には権現小屋、青年小屋、赤岳、三ツ頭方面とかいろいろ書いてありますが、何にも見えない訳で ・・・

最悪やねえ。
写真を撮って山頂方向に進み、祠等を確認して下ります。
山頂からの展望に期待を掛けていたのに、裏切られましたね。

 山頂分岐標識で
 ここでもトウヤクリンドウの花に慰められる           ▲ まだクサリ場があるんかい

ガレた斜面を下っていくと、徐々にガスが切れ始めて陽も射すようなお天気になりましたよ。
権現岳山頂のガスの流れが速いです。
おいちゃんは、ブロッケンだとか言って、手を振ってはしゃいでいます。

暫らく立ち止まって眺めている間に、どんどんガスが上がっていきます。
もう少し待っていれば良かった山頂です。
小高いピークに駆け上がって、じっくり待つことにしました。

 ガスが上がり始めたよ

遠く南アルプスの甲斐駒、仙丈ヶ岳、北岳、鳳凰などが見えます
でも写真には写ってませんでした。

青年小屋がその青い屋根を見せて、編笠山も時間の問題です。
が、山頂部は出そうで出ないもどかしさ。

じゃ〜ん。
遂に西岳から権現岳、その後ろに赤岳や中岳も見えてきました。
南東には、富士山も見えるじゃありませんか。

諦めていただけに、嬉しさもひとしおです。

 編笠山と青年小屋
                      八ヶ岳の主峰赤岳ですよ、かっこいい〜
 権現岳と西岳(左奥)         ▲ マイナーピークにあったミニ鳥居
ゴゼンタチバナ ヒメシャジン ウスユキソウ オオビランジ

この奇跡的な山岳展望ショーも、あっという間に幕切れです。
ガスのベールが再び山を隠していきました。
権現岳山頂にあと15分遅く着いていれば、気の狂うような展望に遭遇できたと思うと、悔しさもハンパじゃありません。

富士山や南アを見ながらのルンルン下りも、束の間のはかない夢と消えたのでありました。

その代わり、花は途切れることなく咲いていて楽しませてくれましたね。

 展望ショーを終えて三ツ頭に向かう
 三ツ頭は青空いっぱい         ▲ 三ツ頭ピークにいた変なオジサン

昨日から今日にかけて初めて晴れた山頂が三ツ頭です。
そんな訳で、鬱憤晴らしのやりたい放題。

三ツ頭まで下るとさすがに暑くなってきたので、合羽を脱ぎます。
ここからはずっと陽が射していました。
晴れるのはいいけど、暑くてやだよ〜。

前三ツ頭に下る途中のザレ斜面に、オオビランジがいっぱい咲いてた。
撮りまくり大会です。

 オオビランジ撮影会
 オオビランジ       ▲ ウサギギク             ▲ コウリンカ
ミヤマダイコンソウ ヤマホタルブクロ オンタデ
シモツケソウ    ミヤマママコナ  タカネミミナグサ ヤマオダマキ
カイタカラコウ クサボタン クガイソウ ワレモコウ
ミヤマモジズリ ミヤマウツボグサ コオニユリ トリカブト マツムシソウ

前三ツ頭から天の河原に下ります。

何組かの人たちとすれ違いましたが、こちらも急登で大変そうです。
前三ツ頭から500mの急下降です。
日陰でランチタイムにしますね。

急下りの後はなだらかな散歩道。
花の写真を撮りながら、のんびり気楽に歩く二人です。
振り返ると三ツ頭が二つ並んで見えました。

 前三ツ頭付近
 前三ツ頭〔左)と三ツ頭(右)             ▲ 笹の茂った登山道

天の河原は展望がよさそうな場所ですが、きょうは残念。
随分と長く感じた下りで、足の裏が痛くなりましたよ。
靴のせいかしら。

天女山から美し森まで遊歩道を歩いて帰る元気がなくなり、天の河原からタクシーの予約をしてしまいます。
それにしても暑い。

 天の河原、看板だらけ

天の河原から天女山駐車場まで10分歩いて、10分待ってタクシーが来た。
予定外の¥3,000出費。

美し森ファームはちょうどお昼だったので、観光バスが2台昼食タイムに入っています。
当てにしていたお風呂は、午後5時からとのこと。
末っ子家族が来ることになったので、温泉には寄らず家に直帰。

ところで、清里って山梨県なの?
今までずっと長野県だと思い込んでいました(^^;

 天女山駐車場

佐久市から久しぶりの内山峠越え一般道で、家までちょうど3時間。

群馬に帰ったら38℃の猛暑だったです。
昨日夕方の山小屋の気温13℃、美し森の気温28℃が恋しい。

今回は秋の七草のうちススキ、藤袴、萩、撫子、女郎花の五つを見た。
まだまだ厳しい猛暑の街ですが、山では秋の訪れを感じましたよ。

ちっちゃい秋 見〜つけた

 佐久市内の街路樹(百日紅)