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この地図は、国土地理院発行の地形図を使用したものである (経緯度線は20秒間隔) |
笠ヶ岳の場所 |
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尾瀬戸倉温泉 かもしか村 みずばしょうの湯 (¥500) |
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尾瀬ケ原を囲む峰々の中にあって、この山ほど静けさを保っている山はないであろう。
尾瀬を紹介するガイドブックや諸地図のほとんどは、鳩待峠から至仏山に至る途中のオヤマ沢田代より分岐する笠ケ岳への道を“不鮮明”ある
いは“廃道”として記載しているが、これは実際とはかなり異なった記述内容といえる。
オヤマ沢田代から分岐した道をたどると、なだらかな山稜を上下して、やがて笠ケ岳の南面へと道が続く。
山頂からは、足元に片藤沼(かたふじぬま)が光り、平成元年完成の「ならまた湖」がはるかに見おろせるであろう。
なお、雪の多い年は6月中旬くらいまで登山道に雪が残り道が不明瞭になるので注意したい。
上毛新聞社『群馬の山歩き130選』より
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楽しみにしていた東北遠征だったが、居座った梅雨前線に敬意を表して中止した。
土曜はお婆ちゃんの歯医者騒ぎなどで山には行けなくなり、今日こそは雨を覚悟でどこかへ行こう。
おいちゃんが推薦する山は、尾瀬にあって尾瀬の喧騒から離れた静かな笠ヶ岳です。
早朝の出発だから早く寝るようにと、おいちゃんからの指示がありましたが暑くて暑くて眠れません
ふ~、そうこうしている内に時間が過ぎておいちゃんが起きてきちゃいました。
結局、また一睡もしないでお出かけになってしまいます。
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星が沢山またたいている。
高速道路も120号線もガラガラ、順調に戸倉の駐車場に着きました。
第一駐車場は沢山の車で埋まっています、さすがハイシーズンの尾瀬。
乗客が集まり次第、バスが次々と出発して行きます。
津奈木橋ゲートに着いたのは規制解除2分前で絶妙のタイミングです。
私達のバスは前から4番目。
後ろにも中型バスが3台並んでいました。
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▲ 戸倉駐車場で出発前のバス |
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鳩待峠からは、殆んどの人が山ノ鼻へ下っていきます。
至仏山への登山道に入ったのは、私達の他には単独の男性二人だけ。
至仏への夏道を歩くのは、何と9年ぶりです。
微かな記憶を手繰り寄せながら、ゆるゆると登っていきましょ。
案外急。
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▲ ひときわ大きいミヤマシシウド(backは白根山) |
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後方から朝日が射して自分の影を踏みながら登る。
え~青空かい?おいちゃんニコニコ嬉しそうです。
迂闊にもすっぴんの私は日焼けが心配になってきました
まさか ・・・ お日様が顔を出すとはね。
P1867の捲き道の木道は相変わらず谷側に傾いていました。
そして次は階段です。
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▲ 1867峰捲き道から、朝の笠ヶ岳 |
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おいちゃんが右下のオヤマ沢の中に目立つ花を発見。
シナノキンバイの綺麗で大きな花です。
ここで谷に落ちては全てがパーなので、写真は諦めました。
階段を登りつめたところが、展望のとかげ岩。
尾瀬ヶ原の奥に雲をかぶった燧ヶ岳が見えます。
足元にはニッコウキスゲやワタスゲ、咲き始めのキンコウカ、カキツバタ。
タテヤマリンドウが沢山あるのですが、早朝のため皆つぼんでいます。
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▲ とかげ岩のおいちゃん |
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▲ ズダヤクシュ |
▲ クルマユリ |
▲ ナツノタムラソウ |
▲ ミヤマカラマツ |
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▲ ヤマブキショウマ |
▲ ネバリノギラン |
▲ キンコウカ |
▲ ハナニガナ |
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▲ イワイチョウ |
▲ ミヤマキンポウゲ |
▲ オゼヌマアザミ |
▲ オヤマ沢田代のワタスゲ |
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少し登るとオヤマ沢田代です。
尾根上にある湿原に気持ちが和みますね。
前来た時には、この辺りにベンチがあって休憩したのですが今はない。
ワタスゲやイワイチョウが爽やかです。
風も心も爽やかな訳で ・・・
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▲ オヤマ沢田代から見る至仏山 |
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オヤマ沢田代を過ぎると、すぐに分岐です。
若いグループは花の百名山至仏山に向かって登って行きます。
私達は分岐から戻るようにして、ちょっとマイナーな笠ヶ岳へ。
誰もこっちには来ないかと思ってたら、白髪男性二人組も来ました。
長い人生の果てにたどり着く山かいな。
当たらずとも遠からず ・・・
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▲ 笠・至仏分岐 |
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悪沢岳を過ぎるころ、雨がポツポツと落ちてきました。
うっそ~。
お天気はお昼までもつと思っていたのに。
早くもウキウキタイムは終了
ガスの中、肩を落として自棄歩きモードに突入するK2隊です。
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▲ 小雨にガスの歓迎 |
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樹林に潜ると登山道はぬかっていてグチャグチャです。
何処まで続くの?こんな道。
靴は紐のところまで泥だらけですよ。
落ち込む二人に追い討ちをかけるのは、お決まりのブヨの攻撃。
ひゃ~許して。
でもでも、お花はいっぱい咲いています
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▲ ヌカルミの多い登山道 |
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▲ ユキザザ(実) |
▲ イワシモツケ |
▲ ギンリョウソウ |
▲ ハクサンチドリ |
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▲ ゴゼンタチバナ |
▲ ハクサンフウロ |
▲ タテヤマリンドウ |
▲ ツマトリソウ |
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頑張って歩く。
だんだんと空が明るくなり、周りが見渡せるようになってきました。
無心(?)に努力する人を神は見捨てない。
小笠の斜面には、可愛い花が沢山咲いています。
撮りまくり大会。
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▲ 小笠の巻き道で、前方に笠ヶ岳 |
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ひと登りで、小笠の狭い山頂です。
4、5人で定員。
笠ヶ岳の左に武尊山や遠くに赤城山、日光白根山、男体山が見えます。
悪沢を下ってきた道も見える。
至仏山もガスに隠れたり出たり ・・・ でっかく見えます。
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▲ 小笠 |
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▲ ベニバナサラサドウダン |
▲ トキソウ |
▲ チングルマの穂 |
▲ コバイケイソウと笠ヶ岳 |
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首都圏や群馬県の水瓶、奈良俣ダムを望みながら、行動食休憩。
ここから笠ヶ岳に向かう。
再び少し下ります。
アップダウンの稜線。
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▲ 奈良俣ダム |
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笠ヶ岳の下まで来ると、ニッコウキスゲのお花畑が広がっていました。
嬉しい誤算です。
期待以上の展開。
いい山やね~。
直下から見上げる笠ヶ岳はイワイワ花花です。
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▲ お花畑 |
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▲ ニッコウキスゲさん |
▲ あっちもこっちも花 |
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▲ ニッコウキスゲの斜面から上州武尊山
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花の写真を撮り始めると、私たちはちっとも前に進みません。
いつものこと。
後から来たカップルがどんどん先へ行ってしまいました。
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▲ ちっとも先に進まない |
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笠ヶ岳の東面を捲いて山頂と湯の小屋の分岐に着く。
遥かに谷川、朝日方面が見えます。
おいちゃんは、どうしても片藤沼まで行きたいようなので付き合うことに。
湯の小屋への道を下って行きます。
学生時代に湯の小屋から上がって平ヶ岳まで縦走した時に、ここでテンぱったとか。
沼の水を飲んだとか何だとか、とにかく懐かしい場所なのだそうです。
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▲ 湯の小屋・山頂分岐 |
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▲ 片藤沼の向こうに燧ヶ岳 |
▲ 40年前にはボロ小屋があった |
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▲ キンロバイ |
▲ タカネバラ |
▲ ミヤマツメクサ |
▲ ミヤマツメクサのアップ |
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▲ ニッコウキスゲ |
▲ タカネナデシコと蝶 |
▲ イワキンバイ |
▲ アカミノイヌツゲ |
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▲ ムラサキタカネアオヤギソウ |
▲ ホソバヒナウスユキソウ |
▲ ミネウスユキソウ |
▲ 岩壁に張り付いて咲く |
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訪れる人も少ない片藤沼は静寂そのもの。
しばしタイムスリップのおいちゃんでした。
分岐に戻っていよいよ山頂へ向かいます。
稜線から見た山容とは打って変わってゴツゴツの岩山です。
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▲ 片藤沼から戻って笠を見上げる |
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下ってくるご夫婦と楽しいお花の情報交換です。
そして、山頂には誰もいません。
のびのびとセルフでツーショットを撮りましたよ。
蝶やトンボがい~っぱい飛んでいた。
このアキアカネはまだ生まれたばかりなのでしょうか。
赤い色が薄いみたい。
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▲ 笠ヶ岳山頂でセルフ撮り |
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▲ 笠ヶ岳山頂から
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山頂には360゜の素晴らしい眺めが待っていました。
雲のきれた武尊山や至仏山、上越県境の山々は谷川、朝日、下津川、平ヶ岳、日光連山と燧ヶ岳の左には会津駒ヶ岳。
などなど深田百名山がずら~っと勢揃い、納得の眺めです。
谷川の天神平RWも見えますよ。
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▲ イブキジャコウソウ |
▲ イワオトギリ |
▲ ミヤマムラサキ |
▲ エゾシオガマ |
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▲ ミヤマウイキョウ |
▲ オオバギボウシ |
▲ シラネニンジン |
▲ ミヤマコウゾリナ |
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▲ ジョウシュウアズマギク |
▲ ホソバノキソチドリ |
▲ ヨツバシオガマ |
▲ タカネアオヤギソウ |
▲ ミヤマコゴメグサ |
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無料貸切の山頂でランチにします。
尾瀬にはたくさん人が入っているのに、ここには誰もいない。
嘘のような夢のようなのんびりしたひと時です。
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▲ 山頂独占でしゅ |
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東京からの男女混成グループがやってきたので、入れ替わりで下山。
同年輩に見えますが、健脚ぞろいのようです。
帰りも花の写真を撮りながらゆるゆる下ろうよ。
そうしよそうしよ。
同じ道でも帰り道は景色が違うしね。
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▲ 岩場を下ります |
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至仏山の分岐まで帰って来ると、急に尾瀬らしく賑やかになります。
花は載せた写真の他にも沢山見ましたよ。
笠ヶ岳は花花花の山でした。
カキツバタ、マイズルソウ、ウメバチソウの蕾、クロバナロウゲ、ウラジロヨウラク
エンレイソウは種がついていた
ムシカリは終りかけの花と実
アカミノイヌツゲ(花と実)、クルマムグラ、キツネノボタン、ショウジョウバカマ
ミヤマホツツジ、アカツル、オヤマボクチ、、ハリブキ、イタドリ などなど
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▲ オヤマ沢田代の藪に咲くハクサンシャクナゲ |
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オヤマ沢田代でちょっと尾瀬気分を出す。
朝閉じていたタテヤマリンドウの花びらが全開です。
アカフタチツボスミレの葉っぱも沢山ありました。
遠くの日光白根山も見納めです。
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▲ オヤマ沢田代戻ってきました |
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とかげ岩に乗って最後の一本。
汗っかきの私は2回着替えて3着目です。
チョッと横になったおいちゃんは眠っちゃいそうですよ。
おいおい、おいちゃん。
雲が晴れた燧ヶ岳や尾瀬ヶ原が全部見えました。
燧の麓、下田代の小屋まで見えます。
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▲ とかげ岩から燧ヶ岳 |
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途中からは行列になって鳩待峠に帰ってきました。
前も後も人の波。
トイレ我慢のおばさんが、猛烈な勢いでごぼう抜きしていきます
すっげ~。
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▲ 鳩待峠まであと一時間 |
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鳩待峠は、尾瀬ヶ原や至仏山から帰ってくる人達でいっぱいでした。
凄い賑わい。
おいちゃんはソフトクリーム、私はかき氷で生き返る訳でして。
きょうは暑くて、一人2本のペットボトルを全部飲んでしまいました。
乗合バスは、人数が集まればすぐに出発するのでいいですね。
アイスを食べ終えたら即乗車即出発(^^;
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▲ 下山者で賑わう鳩待峠 |
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村営の新しい温泉が駐車場に隣接してありますが、混んでるかなと思って「かもしか村」にします。
帰りの空はモコモコの入道雲が湧き上がり、夏真っ盛りといった空模様でした。
沼田に入ると雨、高速に乗って赤城に近づくと雷雨に見舞われます。
関東平野には重く雷雲が垂れ込めて、真っ暗な空にビシビシっと閃光が走る
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