2012.07.08 (日)   K2Couple No.0370 

大雪山/小泉岳
たいせつざん こいずみだけ(北海道)
2,158m

        赤岳2079m 小泉岳 2158m

雪渓に咲く可愛い花、素晴らしい展望

コース最大標高差 : 670
コース累積標高差(+) : 1,050
コース累積標高差(−) : 1,050
コース沿面距離 : 12.1 km
行動時間 : 7'35"

* 距離と累積標高差は GARMIN GPS data です

 赤岳から黒岳・北鎮方面
 層雲峡 4:40 = 5:20 銀泉台P
 銀泉台P 5:50 ... 6:30 第一花園 ... 6:55 第二花園 ... 7:05 奥ノ平 ... 7:15 コマクサ平 【L1】 7:30 ... 7:50 第三雪渓 ... 8:15 第四雪渓 ...
 8:40 赤岳 【L2】 9:05 ... 9:40 小泉岳 ... 9:50 最終到達地点 ... 10:00 小泉岳 ... 10:25 赤岳 【L3】 10:45 ... 11:40 コマクサ平 12:00 ...
 13:25 銀泉台P
 銀泉台13:55 = 14:40 層雲峡黒岳の湯 16:00 食事宴会 20:40 おやすみ 【車中泊】

 
 この地図は、国土地理院発行の地形図を使用したものである (経緯度線は20秒間隔

小泉岳の場所

層雲峡温泉 黒岳の湯 (¥600)



 この山群へ登るには、普通三つの口がある。層雲峡と愛別渓と湧駒別。いずれも豊富な温泉が湧いている。
 そのうち層雲峡が最も世に聞こえて、北海道観光旅行には欠かすことの出来ない訪問地になっている。
 貧乏な登山家には手の出ない立派な旅館が並んでいるので、俗化した温泉郷などと悪口も言われるが、しかし自然は美しい。
 ふと見上げると、すぐ頭上に黒岳のこごしい岩峰のそそり立っているのも見事だし、柱状節理の岩壁が数粁も続いて、そこに幾条も大きな滝
 がかかっているのも素晴らしい。
 大函・小函という長いゴルジュなど、初めてこの谷に分け入った人々にはどんなに驚異だったことだろう。
 (中略)
 層雲峡から直接黒岳に登る道があるが、軽装の遊覧者は大てい銀泉台まで行く登山バスを利用し、その終点から第一花園、第二花園と呼ばれ
 る見晴らしのいいお花畑まで登る。
 そこで大雪山の一端に触れて引返す。元気のいい人たちだけが更に黒岳まで足を伸ばす


                                        深田久弥『日本百名山』より抜粋


北海道の山二日目は層雲峡から黒岳・北鎮岳のつもりでしたが、十勝岳が入山禁止になってしまったので、大雪山系を三山登ることにする。
銀泉台は熊が心配だから休日の今日、北鎮岳は月曜日に順延しよう。

お花畑の素敵なコース銀泉台の登山口に移動します。
途中の林道で、目の前を鹿が横切る。
鹿と衝突したら、車も相当なダメージを受けるらしいから気を付けなよ。
へ〜い。

 未舗装ながら美しい林道

銀泉台に着くと、早くも第一花園を歩いている人が見えます。
心がはやりますね。

さすがに日曜日とあって、思った通り駐車場は賑わっていました。
これだけ入山者がいたら、熊の心配はいらないでしょう。

昨日の旭岳は本土Noの車が多く見られましたが、ここでは札幌Noや北海道の車が殆んどです。
本土から来る人は百名山狙いがいかに多いか、よくわかりますね。

 銀泉台にて

林道のような道を進むと登山口に着きます。
ウコンウツギがこれでもかって言うくらい咲いていますね。

それより驚いたのは、道端に延々と馬鹿でかい蕗が生えているのよ。
群馬の蕗の3倍くらいはありそうな大きさです。
食用になるそうで、帰りに蕗を採っている人がいました。
国立公園だから内緒だよって言いながら ・・・

 お化けブキ

そして登山道に入ると、いきなりヨツバシオガマが出迎えてくれます。
トラバース道に入る前は、根っこや岩の道です。

ゴゼンタチバナ、ミツバオウレンなど何処の山でも見かけるような花が道端を飾っているね。
K2隊ペースで、こまめに写真を撮りながら最初の雪渓をトラバース。

エゾコザクラやチングルマの咲く第一花園に到着です。

 赤岳登山口です
ツマトリソウ ヨツバシオガマ ジンヨウキスミレ
チシマヒョウタンボク コガネイチゴ ハクサンチドリ
ゴゼンタチバナ コケモモ マイヅルソウ

更に雪渓を渡った所で、男性が「コワイコワイ」を連発して休憩中です。
登りで怖いんじゃ、下りは大丈夫かしらと心配になりました。

どうも言いまわしが変なので後で訊いたら、北海道ではダルイ疲れたことを「コワイ」と言うんだそうですよ。
な〜んだ 納得。

 第一花園の雪渓を渡る

そして展望台らしき場所に着き休憩します。

居合わせた地元の方に、見えている山を教えて頂きます。
正面に見えているのが石狩岳で。
右の端正な形の山がニベソツ山で。
後方に薄っすらと見えるのが雌阿寒岳だそうな。

十勝岳の入山禁止措置は昨日解除になったよって、情報を得る。
え〜、じゃ明日行こうかな(^^

 展望台からの眺め

ここから上の登山道は、雪解け水が流れ込んで糠っています。

グチャグチャベチャベチャと進んで行きますね。
普段スパッツを付けないおいちゃんも今日は装備してるもんね。

 グチャグチャ

と、いきなり第二花園に飛び出します。
エゾコザクラが紫色に群生し、キバナシャクナゲもいっぱい咲いてるね。
みんな立ち止まってしゃがみ込んで、大撮影大会に突入です。

すぐ上には雪渓が広がっていて、雪解け水が豊富に流れている。
花々はまだ初々しい色合いです。

 いきなり第二花園
 キバナシャクナゲ              ▲キバナシャクナゲ 
 第二花園と雪渓               ▲ エゾコザクラ
 イソツツジ               ▲ イソツツジ


 第二花園の上の雪渓を登ると「奥の平」の標識があり、更に雪渓が続くのでありました。

 奥の平             ▲ 汚れた雪渓歩き
 チシマキンレイカ               ▲ イワヒゲ

頑張って登るとコマクサ平。
名前の通りコマクサが沢山散らばって咲いていますよ。
前方の山も見えるし、お花に囲まれて絶好の休憩ポイントです。

平坦な道をポコポコ進みます。
コマクサロードを気持ちよく歩けば、キバナシオガマが登場しました。
キバナシオガマはこの山を選んだ理由の一つです。
可愛いよ〜。

 コマクサ平でランチ休憩
 コマクサ三人家族              ▲ コマクサ群落
 キバナシオガマ           ▲ キバナシオガマと緑岳
 正面の第四雪渓の右上が赤岳山頂              ▲ イワブクロさん
 ウラジロナナカマド             ▲ メアカンキンバイ
 エゾノツガザクラ          ▲ 第三雪渓に続くお花ロード

ここまで登るとゴツゴツの赤岳山頂が見えましたよ。
そして斜面を登る登山者がちっちゃく見えます。

第三雪渓手前もずっとフラワーロード。
エゾコザクラやエゾノツガザクラが競うように咲いています。
北海道の空はすっきり晴れて嬉しいよ〜。

 ピンクが可愛い
 第三雪渓が見えてきた             ▲ アオノツガザクラ
                    ▲ 第三雪渓は雪上歩きから、雪渓に沿って登るようになる
 メアカンキンバイ              ▲ 花と共にある

第三雪渓は最初だけ雪渓歩き。
すぐに雪渓脇の夏道を登るようになり、ここがまたお花畑です。

黙々と登っていく人もあれば、しゃがんでばっかりではかどらない人もいる。
はかどらない代表がはらっぱ。
でもさ、これでいいんだ

 エゾコザクラの道            ▲ エゾノハクサンイチゲ
 第四雪渓を望む           ▲ あれを登れば山頂だね
 花が邪魔して登れません           ▲ 大雪の山も早く見たいし

第四雪渓周辺は、チングルマ、イワウメ、メアカンキンバイのお花畑です。
気狂うぞ〜。

でも、雪渓の上だけは気が散らないので集中して歩けますね。
この上はどんな花が待ってるのかな程度で。

お花畑と雪渓が交互に出てきて、上手い具合に出来てるもんだ。
残雪の山の醍醐味です。

 雪の上だけは集中して歩ける
                              ▲ エゾタカネスミレの群落
 チングルマの道             ▲ エゾタカネスミレ
 チョウノスケソウ               ▲ チングルマ
 赤岳山頂から大雪山系の大パノラマです

そして、赤岳山頂に到着。
岩の赤岳から大雪の山々を眺める幸せ。
昨日の分までしっかり眼に焼き付けよう。
白雲岳や間宮岳、きょう登る予定だった黒岳と北鎮岳など素晴らしいです

黒岳を見ながらランチ休憩。
北鎮岳の雪形が白鳥に見える? 見えないよ

 山頂の岩に登ってイエ〜イ          ▲ きょう登るはずだった北鎮岳
 小泉岳も呼んでるし

        ▲ オヤマノエンドウとキバナシオガマ


ここからはチンタラ歩きで、小泉岳まで花探しのお散歩です。
あるある。
小さな花がぎっしり咲いていました。

ウルップソウでしょ。
オヤマノエンドウでしょ。
ツメクサでしょ。
そしていろいろです。

クモマユキノシタを見つけて、みんなで大喜びしたりして。

 ここからはお散歩よ
 エゾノタカネツメクサ             ▲ 気持ちいいぜ〜
 クモマユキノシタ            ▲ エゾオヤマノエンドウ
 ホソバウルップソウ               ▲ イワウメ
                      ▲ 赤岳から小泉岳へは広くて気持ちの良い散歩道ですよ

広い稜線には、背の低い花が背い比べをするように地面を這うように咲いています。
厳しい環境なんでしょうね。

風雪に耐えて花開くからこそ可愛い。

 エゾハハコヨモギ
 エゾイワツメクサ           ▲ エゾノミヤマツメクサ
 ミヤマタネツケバナ               ▲ イワヒゲ
 小泉分岐              ▲ 山上の花園

小泉分岐を過ぎて、ちょっと先に小泉岳の標柱。
のっぺりした小泉岳は、山頂らしくなくて通過点のような山ですよ。

緑岳への鞍部にもお花畑があるというので、おいちゃんはどんどん行きますが、この頃からガスもどんどん湧いてきて。
小泉分岐に続く道も隠れてしまったので、はらっぱは不安になっちゃった。
私帰るよ〜。

おいちゃんは不満そうですが、余裕を持って帰ることにしました。

 小泉岳の後ろに白雲岳
 小泉岳のケルンを通過              ▲ ミネズオウ
 ミヤマキンバイ            ▲ メアカンキンバイ
                               ▲ チングルマと雪渓と
 赤岳に戻る               ▲ ごちゃまぜ


 赤岳まで戻ってきて、またまたおやつ休憩。
 大雪山系の景色の見納めをして、山を下ります。

                            ▲ 最後のポーズをとって赤岳を下りますね
 第四雪渓を下る              ▲ エゾヒメクワガタ
 そして第三雪渓        ▲ ハクサンイチゲもいっぱい咲いてたね

下りも花を愛でながら、チンタラチンタラ気持ちよく歩きます。
まだまだ大勢の人が登ってきますよ。

小学生が先生に引率されて元気に登ってきました。
子供達は楽しさをストレートに表現する天才です。
どの子もどの子も顔の表情が輝いています。
大自然が心を解き放つのでしょう。

このコースは熊注意と聞いていましたが、全く心配要りませんでしたね (^^;

 小学生が登ってきた
 ガス発生の時間帯かな             ▲ チシマキンレイカ

コマクサ平まで下りてきましたよ〜。
改めてコマクサの可愛らしさに酔ってみましょう。
コマクサ休憩。

 べっぴんコマクサ         ▲ 神の池にワタスゲ
 やっぱり休憩するよね           ▲ じゃまたいつか会えるかな

第二花園の雪渓まで下ると、夏スキーを楽しんでいるグループがありました。
ここまでならアプローチも短いし、適度な斜面なのでいいよね。

しばらく見学して、第二花園の写真を撮ってお別れです。
可愛い花を見ると、行きも帰りも写真撮っちゃうんだよね。
写真の整理に迷うだけなのに ・・・

 第二花園の雪渓でスキー
エゾイチゲ ミヤマキンポウゲ サンカヨウ

朝休んだ展望台で、最後の休憩。
きょうは絶好のコンディションに恵まれて良かったね。
花も見れたし山も見れたし。

第一花園の雪渓を下れば、もう雪渓はありません。
落っこちなくて良かったし。

 最後の雪渓トラバース
 コウメバチソウも咲いていた             ▲ ホソバイワベンケイ

登りで見逃してしまったエゾツツジを探しながら下ります。
咲いてるって聞いたけど、何処に咲いてたんだろ。

とっ、ととっ。
先行するおいちゃんがピタッと止まりました。
何かが前を通ったぜ〜。
よく見たら、登山道を横切ってエゾヒョウタンボクの花を美味しそうに食べているシマリスちゃんじゃありませんか。
カメカメ カメラ〜

2mほどの距離で見られたのはラッキーでしたね。

 ▲ エゾヒョウタンボクの花を食べるシマリス  カミホロ荘に貼ってあったポスターを撮影

興奮冷めやらぬ内に、ありましたよエゾツツジが
想像していたより、ずっと背丈の低いツツジなんだ。

でも色が濃くて綺麗な花なのに、何で見逃してしまったのかしら?
多分二人共、前方の雪渓ばかり見てたのかも知れません。

 エゾツツジ

そしてその先でまた。
エゾツツジの場所を教えて下さった男性が待っていてくれました。
聞こえませんか?
はあ?
ナキウサギの鳴き声ですよ。

男性の指差す先の岩に、茶色の小さなものが動いています。
ナキウサギだったのです。

 ナキウサギ

銀泉台の駐車場は満車を通り越していました。
きょうの温泉は層雲峡だ、急げ〜

 バスが3台も来てた          ▲ さらば銀泉台

黒岳の湯に入って綺麗サッパリ汗を流します。
お花畑は最高だったな〜等と反省会も忘れません。

風呂から上がって二階建ての駐車場に移動する。
ん?見たことのある人が手を振って駐車場に入って来るじゃありませんか。
ありっ、MICHIHO隊だ。

何でこんなとこに。
思いっきりまさかのバックレバッタリです。
やぁ元気そうやね〜。
何だかなあ北海道じゃないみたいだよ。

 層雲峡温泉 黒岳の湯

一日遅れで北海道に渡ったMICHIHO隊。
北海道のことでは、ベテランのMICHIHOさん♪から色々とアドバイスを頂いていまして、初心者の私たちはとっても心強かったです。

まあ話はともかく一杯やろうぜ。
四人で宴会に突入。
積もる話は尽きることなく、4時間半も気勢を上げてしまいました。
楽しい話をいっぱい有難うございました。

車に帰る頃にはポツポツとおちていました。
明日は雨マークなので山はなし、美瑛・富良野でも観光しましょうか。

 宴会場