1998.09.19〜20   K2Couple No.0000 

安達太良山
あだたらやま (福島県)
1,700m
初めてのOB山行、K2Coupleの原点

TUWV卒業30周年OB山行 第1弾

   宇都宮 = 二本松 = 奥岳 ... 勢至平 ... くろがね小屋 【泊】 ...
   
安達太良山 【L】 ... 五葉松平 ... 奥岳 = 岳温泉檪平ホテル =
   
宇都宮 =  
 安達太良山頂で


  この地図は、国土地理院発行の地形図を使用したものである
                                  地図表示 安達太良山の場所

くろがね小屋 (¥5,400)    檪平ホテル (¥1,000)


 東の国からみちのくへかかって、つまり現在の福島県へ入って、郡山から福島までの間で、汽車の窓から左手にあざやかにこの山が眺められ
 る。
 雪のある時には、その姿は一層立派に私達の眼に迫ってくる。
 昔の旅人がこれを見逃すはずはない。
 その途中の二本松から眺めた安達太良山、それを歌った高村光太郎の詩が、この山の名を不朽にした。
 この詩人と絶対愛に結ばれた妻の智恵子は、日本松の造り酒屋に生まれた。
 彼女は東京にいると病気になり、故郷の実家に帰ると健康を回復するのが常であった。
 その妻のあどけない言葉を、詩人はうたった。

 智恵子は東京に空がないといふ
 ほんとの空が見たいといふ
 智恵子は遠くを見ながらいふ
 阿多多羅山の山の上に
 毎日出てゐる青い空が
 智恵子のほんとの空だといふ   (智恵子抄)

 あれが阿多多羅山
 あの光るのが阿武隈川      (樹下の二人)

                                    深田久弥『日本百名山』より抜粋



 金曜の夜、宇都宮のOTAMAのアパートに車を預け、富川君と二人で駅前の飲み屋に陣取って酒を酌み交わす。
 翌日は、アパートまで迎えに来てもらい、富川君の車で奥岳をめざします。
 TUWV8期、卒業30周年のOB山行です。
 富川君さあ、無謀運転はやめてよ、何回か足突っ張っちゃったよ

 奥岳温泉に着くと、湯上りの守護君が富士急ホテルからビール顔でヨロヨロ登場。
 そして昔懐かしい顔が、続々と集結してきます。
 久しぶりに見る顔は、30年前と変わらなかった(ように思えた)。  

 賑やかにおしゃべりしながら、くろがね小屋に到着、白い温泉に入る。

【参加者】
4期 1人 小原さん
8期 13人

拓哉、おぎゃ、前田、小笠原、守護、三日月、幸英、根岸、美恵子、ちさと、
濱、あっこ、相原

9期 4人 ケンチヨ、富川、桃谷
 ウルトラマン♀親子

お祭り騒ぎの夕食。
話は尽きない。

卒業以来それぞれの人生を歩んで、それぞれの30年を担いで登ってきた。
一概に30年の荷物と言ってもさまざまで、重そうなのもいれば軽そうに見える者もいる。

 くろがね小屋名物カレー

小屋番、橋本さんのハーモニカ伴奏で、山にちなんだ歌を合唱。
カレーとハーモニカが恒例の山小屋だ。

往年の歌声喫茶ちっくな雰囲気です (^^

 夕食
                橋本さんのハーモニカに乗せて、久しぶりに会った仲間と楽しいひと時 
                          ▲▲ 話の続きは小屋の前で 

外に出て仕切りなおし。
火照った頬を、忍び寄る秋の風が冷ましてくれる。
硫黄の匂いも風に乗って届きます。

星が降る時間まで空を見上げ、巡航する人工衛星を見つける。
話は途切れるはずもなく、時間ばかりが急いでいる夜だった。
7期の先輩からの差し入れ(何とか記念のテレカ)もあった。

さて、もう一風呂浴びて寝るべ。

 くろがね小屋から眺めた朝焼け 


  そして翌日
 
 
 

目覚めはバッチリ、天気も最高。
小屋の前に集まって、写真を撮ります。

今日の予定は何もなし。
ただ皆と一緒に歩いて、安達太良に登って・・・。
山はおまけみたいなものだった。

病み上がりにはちょうど良い登りだった。
似たような境遇の彼女もいて、病室の中で交わすような陰気な会話。
そうこうしているうちに稜線に登りつめ、開けた展望を目の当たりに新たな感動が湧き上がった。

 出発前に記念撮影 


 安達太良山頂で食事。
 忍者三日月君は皆と別れて、独りで母成峠の方に消えていってしまった。

    富川、三日月、相原、幸英、おばちゃん、おぎゃ〜、前田、濱、小笠原、健一、守護、ちよ、ちさと、桃谷、あっこ、拓哉、根岸


 五葉松平に下って、又してもプチ食事会が始まった。
 ここから先、ゴンドラ組と自力下山組に分かれる。

 奥岳から車で岳温泉に下って、ホテル(温泉)を探し、みんなで温泉を楽しみます。
 お世話になった檪平ホテルの前で、固い握手を交わし、再会を誓い合っての別れ。
 胸に迫る万感の想いをぐっと堪える。
 「死ぬなよ〜」 何じゃそりゃ、最期の別れかい。

 ちょうど1年前、直腸癌と総胆管膿腫でメッタ切りされた。
 絶望の淵から這い上がるべく、今年の6月から夫婦で山歩きを始めたばかりだった。
 すっかり忘れかけていた仲間との山行を契機に、これからも頑張ろうという秘かな闘志を燃やすのであった。
 固い友情に接し、皆んなに感謝。